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2013年07月09日 天木直人のブログ
エジプトで軍事クーデターが起きた直後、オバマ大統領はこう言った。双方に与せず、と。
この言葉は一見すると他国の内乱には関与しないという外交中立の原則に従ったように聞こえるが事実は決してそうではない。
ヘーゲル国防長官は軍事クーデターの指揮をとったシシ国防相と電話しているし、ケリー国務長官は次期大統領候補であるエルバラダイ元国際原子力機関事務局長と話している。
ようするにオバマ米国政権は十分すぎるぐらいエジプトの内乱に関与しているのだ。
しかしどうしたらいいか分からないだけなのだ。
その事を日本の新聞にしては珍しく明確に解説する記事を見つけたので紹介したい。
きょう7月9日の日経新聞「中東 遠のく春」が要旨次のように書いていた。
「・・・モルシ氏交代は米国の本音でもあった。イスラム原理主義勢力出身の同氏が大統領就任直後に反米色を強めた事が背景にある。しかしその一方で軍事政権は容認できない。米政権は毎年エジプト軍に約1300億円を支援し、これをテコにエジプトで影響力を行使してきた。軍を通じた掌握が米政府のエジプト政策の基本だった。しかし米国の法律(議会)は軍事政権への支援を禁じている。その一方でイスラム勢力への配慮も欠かせなかった。モルシ氏の排除に賛同してイスラム勢力と対立する構図に戻ればテロの標的になりかねない。結局米国はどちらにもくみさない姿勢を示すしかなかった・・・」
さらに日経新聞は、米ハドソン研究所のサミュエル・タドロス主任研究員の言葉を借りて、米国の中東政策の矛盾を解説している。たとえばシリアだ。米国はアサド政権の退陣を要求しながら、テロに
武器が渡ることをおそれてアサド政権の反体制派に軍事支援できないまま事態を泥沼化させているのだと。
日経新聞はそこで終っているが、実は米国の外交・安保政策の矛盾は中東にとどまらない。
米国の対中政策、対露政策もまた矛盾だらけなのだ。
これを要する米国の外交は、実は至るところで矛盾し、迷走しているのである。
そんな米国の外交・安全保障政策に絶対服従する日本は間違いなく日本の国益を失う事になる。
日本は一刻もはやく自立した外交・安全保障政策を打ち立てなくてはならない歴史的転換期に来ているのである。
分かっているのに誰も踏み切れないでいる。
それが日本の政治の現実である。
戦後70年近く、日米同盟という対米従属政策に甘んじてきたツケはあまりにも大きいということである(了)
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