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マスコミの世論調査では、参院選での自民党の圧勝が予想されている。その自民党の安倍総裁は、被災地である福島市で第一声を上げ、「ねじれを解消しないと復興もスピーディに進まない」と「ねじれの解消」を訴えた。復興が速やかに進まないのは、行政の仕組みや、自民党が復興予算の流用を条件にしたこと、被災地の人手不足などに問題があり、「ねじれ」とは関係はない。一国の宰相がこういう嘘を平然と言う。
09年の政権交代以前にも「ねじれ」はあった。その時、政治は停滞したか。「否」である。だが、衆参両院で自民党が圧倒的過半数を占めていた時はどうであったか。国論を二分する法案が政府与党から提出される。重要なことは、国会とは違う「どこか」で決められていた。国会では、世論を背に野党が派手な乱闘騒ぎを起こしたこともあったが、それは政権意欲のない社会党の虚しいパフォーマンスでしかなかった。
衆参両院で、自民党が過半数を上回る議席を得れば3年間は選挙がない。その間に、数の力で強引に進める自民党政治が復活する。そして多くの国民の望まないことが、次々と実行される。それは、消費税の増税で始まり、原発が次々と再稼働し、TPPへの加入である。さらには海外派兵をする国防軍が生まれ、国家秘密の保護を名目にした情報管理で、国民は知る権利を失うことになる。
世論調査を行なえば、原発ゼロが62%もある。TPP反対、消費税増税反対のいずれもが過半数を超える。先の総選挙での自民党の得票率は僅かに16%しかなかったから、今回の参院選では25%もないだろう。今の日本の選挙制度が民意を正しく反映するようになっていない、との泣き言を言っても始まらない。世論調査では反対と答えても、投票に行かずに棄権したのでは民意が反映されるはずがない。
先の総選挙は過去最低の投票率であったし、都議会議員選挙も過去最低に次ぐ低投票率であった。この有権者の足を投票箱から遠ざけたのは、もちろん菅・野田民主党政権の責任である。足を遠のかせただけではない。本来なら消えて行くべきであった自民党と官僚主導政治の復活を許してしまった。官僚主導政治なら、民主党よりは自民党の方がまだましだ。そういう選択を有権者に与えたということだ。
民主党に裏切られたが、自民党には投票したくない。だが投票には行く。こういう票の受け皿として、都議選で浮上したのが共産党。今回の参院選挙でも、その傾向が強く出るようだ。それは分かるのだが、分からないのが「アベノミクス」による円安により、ガソリン、軽油、飼料、小麦粉などの物価上昇の影響を諸に受け、生活が破壊される庶民階層の人が自民党に投票することである。
確かに株価は上昇している。まだ大企業中心とはいえ、賞与が増えた企業も多かったようだ。百貨店の売り上げが上昇しているとも報道された。「アベノミクス」は脱デフレを目指した政策だが、その政策で利益を享受できるのは、大企業だけ。それでも「アベノミクス効果で庶民の生活もいずれ良くなるだろう」という期待感が、円安による物価上昇というマイナスよりは、今のところ上回っているのだろう。
それでは「アベノミクス」とは一体何だろう。経済学者や経済評論家などは、金融・株価・景気などを語るだけでしかない。TPPは、当初は関税撤廃の話であったが、そこから非関税障壁の排除、さらには1%の富める者と99%の搾取される者という究極の本質論に達するまで時間が掛かった。「アベノミクス」の究極の本質も、結局はそこに至るのだろう。(注:詳しいことは稿を改めて書くことを考えている)
だから、ある意味で安倍首相にとって、「アベコベミックス」と筆者が指摘する「アベノミクス」とTPPが共存できるのだろう。そのためには、冒頭に書いたように、平然と嘘までついて「ねじれ」が解消することが必須条件となる。その次に来るものの前兆が既にある。それは建設業界に対する4億7千万円の政治献金の要請であり、TBSに対する取材拒否である。つまり利権政治の復活と言論弾圧ということだ。
http://www.olivenews.net/news_40/newsdisp.php?m=0&i=12
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