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2013年7月 8日 植草一秀の『知られざる真実』
7月5日の日経新聞朝刊1面は参院選公示を伝える記事の見出しを、
「アベノミクス審判」
と表記した。
この見出しは少し間違っている。
正しい見出しは、
「アベノリスク審判」
である。
昨年11月から本年4月にかけて、金融緩和期待で日本の長期金利が低下した。これに連動して為替が円安に振れ、さらにこれに連動して株価が上昇した。
この株高効果で「アベノミクス」がもてはやされてきたのだが、これは、ごく短期の、一時的な金融変動に過ぎない。
目先の、このような一時的な金融変動につられて参議院選挙に対応すれば大きな禍根を残す。
安倍政権が推進している経済政策は、
金融緩和
積極財政
成長政策
だとされている。
このなかの、前2者、金融緩和(期待)と補正予算編成で金利低下−円安−株高が実現した。
安倍政権の策略がうまくヒットしたと言ってよいだろう。
しかし、私たちがいま判断しなければならないことは、こうした一時的な変化に対する評価ではない。
これからの3年間に発生する経済・金融・社会の変化である。
アベノミクスの三本の矢だとされている
金融緩和・積極財政・成長政策が中期にもたらすものの姿は一変する。
具体的には、
インフレ
大増税大不況
超格差
の三つである。
これが
「アベノミクク・新(真)三本の矢」=「アベノリスク」
である。
インフレは個人生活を潤すものではない。
所得が増えず、物価が上がることは、生活を圧迫する変化である。
インフレの究極の目的は、借金の棒引きである。
日本一の借金王である日本政府が、インフレによる借金棒引きを狙っている。
庶民は給料が増えないのに、物価が上がり、生活を圧迫される。
財政政策は補正予算編成から大増税に軸足が移る。
大増税は庶民の生活を直撃する。
1990年から2009年までに20年間に日本の国税収入は約3分の2に減った。
税目別にみると、
所得税は91年度の26.7兆円から09年度の12.9兆円に約半分に減った。
法人税は89年度の19.0兆円から09年度の6.4兆円へと約3分の1へと激減した。
このなかで、消費税だけは、まったく異なる姿を示す。
89年度の3.3兆円が12年度には10.4兆円に、3倍以上の激増を示した。
そして、安倍政権がいま進めようとしているのは、3分の1に減った法人税をさらに減税し、3倍に拡大した消費税を、ここから倍増させる政策である。
巨大増税が日本経済を破壊することは明白である。
そして、安倍政権が推進する成長政策とは、視点を変えてみると、
「超格差社会の創出」
なのだ。
アベノミクスがもたらす帰結は、
「インフレ・大増税大不況・超格差」
であり、
これが
「アベノミクス・新(真)三本の矢」=「アベノリスク」
である。
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