http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130708-00000009-pseven-soci
SAPIO　2013年7月号

　高支持率をキープする安倍晋三政権の長期安定化を確信したのか、大マスコミのなりふり構わぬ政権擦り寄りが目に余る。それは参院選での自民勝利を経て、より加速するだろう。ジャーナリスト・田村建雄氏が指摘する。

　＊　＊　＊

　自民党総裁に返り咲いた直後の昨年10月、朝日新聞は他紙を出し抜いて安倍氏の単独インタビューに成功した。NHKの番組改編問題を巡り、長きに渡って犬猿の仲だった両者が手打ちに至ったのは、朝日側が安倍氏に詫びを入れたからと見られている。
　
　その後も、朝日は安倍氏のヨイショ記事を次々と掲載した。顕著な例は1月24日付の同紙・脇阪紀行論説委員によるコラムだ。脇阪氏は、アルジェリア人質事件でお蔵入りとなったインドネシアでの安倍演説を抜粋し、「首相のメッセージは新鮮だった」「私は演説に落第点をつける気にはならない」と誉めちぎった。

　さらに4月5日付の社説は「政権100日　難所はこれからだ」と題し、「最大の懸案だった経済再生に集中的に取り組んできた姿勢は評価できる」「高支持率を維持しているのも経済に明るい兆しが出てきた反映だろう」とアベノミクスを賞賛している。　朝日の方針転換について、全国紙幹部はこう語る。
　
「2006年の第1次安倍政権発足後、安倍氏と敵対関係にあった朝日は政権情報過疎に陥った。たとえば、事務所費問題で辞任した佐田玄一郎行革担当相の後任として渡辺喜美氏が起用された際も、他社に抜かれる特落ちで恥をかいた。
　
　朝日が変節した背景には『同じ轍を踏みたくない』という思いとともに、消費税増税に向けた深謀遠慮もあった。2011年7月に日本新聞協会会長に就任した朝日の秋山耿太郎会長は、新聞の軽減税率適用を訴えるために請願環境を整えたかったのだろう」
　
　安倍政権への擦り寄りは朝日だけではない。全国紙幹部が続ける。
　
「人気絶頂にある安倍叩きは読者離れに直結する。その上、増税で新聞が値上がりすれば部数減は必至だ。そうなれば政権から蚊帳の外に置かれ、ますます情報を得られなくなる。政権批判は慎重にならざるを得ない」
　
　振り返れば、支持率歴代トップの小泉純一郎政権でも似たような現象が起きた。元・在京キー局報道部幹部がこう述懐する。
　
「小泉氏の初訪朝時、訪朝団が北からマツタケを贈られたことを某局がスクープ。すると、官邸サイドから『次の訪朝時は同行取材させない』と強い圧力がかけられた。記者クラブ全体で抗議し”取材外し”は回避されたが、不都合な報道への圧力は確実にある。
　
　また、小泉政権批判をテーマに動いていた別の局は、『批判番組をやるなら国政選挙用の総理インタビューはさせない』と言われた。現実問題として高支持率の強い政権は叩けない」

　かつて自民党・霞が関・大マスコミが一体となった「伏魔殿」の記者クラブ制度は、民主党政権下で一旦は弱体化したものの、再び三位一体で復活した。　鳩山政権では、小沢一郎氏や亀井静香氏の方針でフリーの記者にも会見がオープンにされた。大マスコミがそれに猛反発したことはよく知られている。そして自民復活により、旧来の閉鎖的な会見体制も巧妙に復活しつつあるのだ。
　
「各記者クラブは最近、フリーが入れないぶら下がりや記者懇談会をフル稼働させている。旧来の慣れ合い仲良し路線で、政権無批判とバーターの閉鎖的な情報独占が強化されつつある。自民の完全復活でその傾向はいよいよ強まるだろう」（霞が関中堅幹部）
　
　御身大切で腰砕けになった大マスコミは、単なる政権の広報機関に過ぎない。

コメント
01. 2013年7月08日 07:55:04 : RufpgDo1AM 売国奴新聞。 権力擁護に明け暮れ、 あわよくば自ら権力の序列の末席にでも 座ることができれば御の字だという 犬以下に成り下がったクズ新聞筆頭の朝日。 購読するだけ金の無駄。 読めば読むほどにバカになる。
02. 2013年7月08日 08:27:32 : LIPF25cqR6 まったく、何がジャーナリズムだろうか、うんざりしている。 体制の監視ではなく国民の監視者なのだ。 極端な利益主義に走ったジャーナリスト、マスコミにはすでに理想もなければ理念もない。とても国民が信用できるものではない。 彼らがなにか物をいうたびに、国民はその裏になにがあるのかと、意図を探ってしまう有様では、彼らは単なるＣＭで荒稼ぎする電波芸者以外のなにものでもない。 ＣＭといえば、最近のテレビの中の回数の多さは一体なんだ！ 中には５分置き、あるいは終わるまで別のチャンネルにかえておいて、ＣＭが終わったかと元に戻してみると、なんとまだやってる。 今度は終わったと思ったら、短いメッセージを出してすぐＣＭを始めるなどと、ＣＭ中心に番組を組んでいるのが鬱陶しくなって最後には切ってしまう。 これが一番ひどいのが「テレビ朝日」だ。 企業利益中心のこうしたメディアの有様は、もう哀れとしか言いようがないね。 もちろん体制従属もそうだが、それ以前のこうした問題があるってこと。 どうにかならんのかね、こりゃあ。ひどいよ．．．
03. 2013年7月08日 09:39:30 : xdComoKHeQ 逆にここが突破口になるんじゃないかと思ってるんだ。 ここまで信用を落とした大メディアが 存続し続けることが可能だろうか。 人々の怒りが大メディアのウソに必ず鉄槌を下す日が来ると信じている。 日本人は愚民だという意見もあるが自分はそうは思わない。 大人しい日本人だってデタラメが隠されていたんだと分かれば怒る。 事実、自分は新聞、テレビが如何に本当のことを伝えていないか 機会があれば会う人に話してるんだが、納得してくれる人が案外多い。 テレビはつまらないという人がすべて。 デタラメに気付き始めた人が増えているんじゃなかろうか。 夜明けは近くもないが、それほど遠くもない マスコミよ、覚悟しとけよ。
04. 2013年7月08日 13:35:11 : LTcAzICRYM 安倍は取材拒否という鞭だけでなく飴もしっかり用意してます。記事にある記者会見オープン化と消費税の軽減税率適用の他にも、自民党は政権に就くや否や民主党時代に道筋が決まった電波オークション制度の廃止を発表し、TPP決議では新聞の再販制度を“聖域”とすると謳っています。
05. 2013年7月08日 20:05:19 : UfAT7kYVRw 日本記者クラブとクロスオーナー制が腐敗の原因ですな。最早、平成の越後屋と化した大手メディア！！！財務と検察と総務には媚びまくり利権維持に必死！捏造誘導お任せあれの腐敗ぶり！！！それを変革しようした政治家はネガキャンの対象に！
06. 2013年7月08日 22:56:10 : SODBQV4bpI いくら新聞の再販制度を聖域にしても 国民が新聞に嫌気がさせば 新聞自体売れなくなる 私もこの前の　参院要らない　とか 安部のインタビューを一面に載せてるのを見て つくづく朝日止めたいと思ったが 一年契約ですぐには、止めれなかった 税金負けてもらおうが、新聞売れなきゃ潰れるんじゃ
07. 2013年7月09日 11:44:49 : HsAyZNuCKw 諸悪の根源、読売,NHKら11社記者クラブメディア一派 官僚も一般公務員もそして国会、地方議員も 第四権力マスメディアそれも11社記者クラブメディアの駆使する荒技 「談合捏造編集」に抗う事はできない 記者クラブ完全解体か、参加フルオープン、これがキモ しかしこれが大変な事 記者クラブは勿論、実は行政側も公情報での国民操作の停止を意味する 双方とも利害一致して大反対、何としても阻止となる これは明治以来の行政とメディアのタッグによる 立法府お配下に置いた、偽民主主義の実態の露呈でもある

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