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★「天木直人氏の視点ー(2013/07/07)」★ :本音言いまっせー!
さぞかし外務官僚はやっかいな問題が出て来たと深いため息をついて
いることだろう。
中国が東シナ海でガス田単独開発の動きを見せたことである。
この動きを日本のメディアが大きく報じたのは7月はじめであった。
しかし日本政府がこの動きを確認したのはもっと前である。
すでに6月までに日本政府はその動きを確認し中国に照会している
(7月4日朝日、日経)。
返答がないままに中国の開発の動きは進み、6月27日には当時の
河相周夫外務次官が程永華駐日大使に抗議している。
しかし、このようなやり取りは当時は報じられることなく、
そして7月4日の突然の報道である。
もはや日本政府としても隠しきれなかったということだ。
7月3日に菅官房長官は記者会見し、中国の新たなガス田開発の動き
は日中合意違反だとあらためて批判してみせた。
しかし中国はこれを一蹴した。
私は、この一連の報道を見て、7月5日の私の公開ブログで書いた。
もし中国が東シナ海ガス田共同開発の日中合意に違反して単独開発に
踏み切ったのなら、日本政府は断固として中国に強く抗議すべきだ。
しかしその気配はない。ひょっとして東シナ海共同開発の合意など
なかったのではないか、明確な合意なく曖昧にしてきたのではないか、
だから日本は強く出られないのではないか、そう書いた。
私が公開のブログでそう書いたのは、日本政府や外務省に対する
メッセージであり、政府・外務省の発表することをそんまま垂れ流す
メディアに対して、正しく検証して報道しろと要求するためである。
しかしこの中国の東シナ海における中国の単独開発の動きについては
その後まったく政府もメディアも動かない。報じない。
このまま放置すれば中国は着実に独自開発を進め、気がついたら
東シナ海油田は完全に中国のものとなってしまうだろう。
政府も外務省もそしてメディアも、よくもこんなことを放置できる
ものだ。
そう思っていたらきょう7月7日の朝日新聞が二つの重要な記事を
掲載した。
一つは安倍首相が7月5日夜のBSフジテレビの番組で「中国は合意
違反」だと批判したという記事だ。
もう一つは「中国は合意にたち返れ」とする社説の記事だ。
しかし、この二つの記事は図らずも私が推測した通り、明確な日中
合意がなかったことを見事に証明してくれた。
すなわち安倍首相の批判については、当初外務官僚は「合意違反」と
決め付けるのではなく「合意の精神に戻るよう求める」方針であった
のが、安倍首相が合意違反と踏み込んだという背景があったという。
そして朝日の社説はこう書いている。「・・・日本のいう中間線とは
『最低でもそこまでは日本に(開発)権利があるのは当然』という仮の
線引きに過ぎない。中間線から中国寄りの部分での権利を放棄したわけ
ではない。要するに合意のない海域なのである。だからこそ、経済水域
の境界線は棚上げし、線引きが済むまで互いに配慮しながら共同開発を
進める、との趣旨で合意したはずだった・・・」
そして朝日は社説で次のように続ける。
「今回、日本政府の抗議に対して中国外務省は『非難されることでは
ない』と反論した。合意を忘れたとしか思えない。残念な発言だ・・
・」
語るに落ちるとはこの事だ。外務省から事の経緯を詳しく教えて
もらった朝日が外務省擁護の社説を掲げたのだ。
しかし、「合意の精神」といい、「合意したはずだった」といい、
要するに明確な合意など日中間で存在しなかったということを認めて
いる。
いわゆる外交用語でよく言うところの「不合意であることに合意
した」という奴だ。
それをあたかも日中間で合意したかのように当時外務省はごまかし、
メディアもそれをそのまま伝えて来た。
そのツケが表面化したのだ。
尖閣領土問題をきっかけに悪化した日中関係を中国が逆手に取って、
堂々と自ら利権を押し通してきたのだ。
それに対し日本は打つ手がないのだ。
東シナ海共同開発問題は、尖閣領土問題のような大きな政治問題と
見なされないだけに厄介だ。
外務省もメディアも、そして世論も、尖閣領土問題のように強く
出ようとしない。
強く出れば尖閣領土問題に響き、ますます日中首脳会談は遠のく。
日本に打つ手はない。
その間に東シナ海の中国単独開発はどんどん進んで行く。
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