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http://japanese.ruvr.ru/2013_07_05/117324081/
「口は災いの元」、自ら隣国関係を害する日本
アンドレイ イワノフ 5.07.2013, 20:46
日本の歴史認識がまた、隣国のひとつ、韓国からの批判の種となった。NHKで放映された党首討論会の席で、第2次世界大戦中に日本は隣国に侵略を行ったかという問いに対し、安倍首相が植民地主義や侵略がなかったとはいわないものの、こうした認識への独自の立場はもっておらず、「判断は歴史家に任せるべきだ」と発言したことに対し、韓国外務省からは遺憾の意が表された。韓国外務省は、安倍首相の発言を「侵略に対する責任から社会の注意をそらす」試みだと捉えるとの声明をあらわした。
日本の政治家らがスキャンダルを招く発言を行ったのはこれが初めてではない。先日も大阪の橋本市長が、日本帝国軍が朝鮮人女性を慰安婦として利用したことは世界的な実践例に矛盾したことではないとする発言を行い、韓国政府はこれに遺憾の意を表したばかりだ。それまでも日本の公式的な人物は、防衛相も含め、日本が20世紀前半にアジア諸国へ行った侵略はアジアの民族を白人の植民地支配から解放し、その発展に寄与したとする発言を繰り返してきている。こうした声明が出るたびに大きなスキャンダルとなり、これに対し日本は謝罪するか、誤解であると繰り返すのだが、それが収まるとまた再び同じことが蒸し返されてしまう。
歴史のさまざまな事件への評価で意見の相違を縮める方法はといえば、それは二カ国ないしはそれ以上の国に研究者らが争点となる問題を共同で研究することではないだろうか。そのよい例がロシアとポーランドの20世紀の両国関係における論争問題を話し合う共同委員会だろう。ポーランドは1933年のナチスドイツのポーランド襲撃で負けたあと、ソ連領に逃亡した自国の将官らが大量に殺害されたとして、ロシアを非難していた。これに対しロシアは、1920年、ポーランド軍によって戦争捕虜にとられた数千人の赤軍兵が非業の死を遂げた事実を突きつけた。両国の共同委員会の作業の結果、すべてではないものの、意見の相違のかなりの部分が解消されている。そして一番大事なことは、ポーランドとロシアの世論が相反する論拠を よりよく理解できたことだろう。これによって過熱した論争の熱は下げられ、実際的に二国関係の改善が見られた。
現在、日本とロシアの歴史家らの間では二国間関係の歴史の難しい問題の共同研究が行われている。そのプロジェクトのロシアサイドの参加者のひとり、モスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授は、両国の研究者らは二国間関係史への視点を同一化させることには目的をすえていないとして、次のように語っている。
「われわれの課題は、ロシアと日本に存在するさまざまな史学の流派の視点を提示し、教授どうしで、また通常レベルで生じる誤解を取り除くことにある。このプロジェクトの枠内ではわれわれは社会意識に大きく影響しようとか、外交エリートの視点を変えようとか、そういったグローバルな目的を掲げていない。それでも互いにある警戒感や日露の国民間に漂う不信感などの帳を克服するために、この路線で最初の一歩は踏み出したいと思っている。」
理論上は、日本と隣国間の論争も日本、韓国、中国の研究者グループによる共同研究の材料となりうるはずなのだ。だが、先日モスクワを訪れた熊本大学の五百旗頭 真(いおきべ・まこと)教授は、今のところ中国、韓国側は共同研究を行おうという日本の提案を退けていると語る。五百旗頭教授は、日本の複雑な歴史問題研究委員会の委員長を務めている。こうした行為を説明する理由は2つあるのではないか。ひとつは韓国、中国は日本人研究からが冷静に客観的に日本の行為を評価し、実際におかされた犯罪を犯罪と呼ぶことができるとは信じていないか、もうひとつは韓国も中国も日本へ心理的、政治的圧力をかけるため、この先もアジアの歴史の汚点を利用したいと思っているかだろう。
厳密に言えば、こうした非難をするための確たる根拠は今の時点ではない。だが、批判の根拠にしようとすれば、あらゆるランクの日本人政治家らが20世紀前半のアジアにおける日本の行為について行う要を得ない、または慎重さに欠く発言はすべて用いることができる。日本の軍国主義支配に苦しんだ民族にはこれに対するモラル上の権利は十分にある。アジアのナショナリズムの高揚を考えると、日本人政治家らのこうした不適切な発言への反応はより先鋭さを増していくのだろう。より慎重な態度で発言を行うべきではないだろうか? そうすれば韓国、中国、日本の研究者らをひとつのテーブルにつかせ、歴史の複雑な問題について討議させることも、もっとたやすくなるだろう。
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