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アメリカはTPPで何を狙っているか
かなり独善的な意見かも知れませんが、これこれこういう理由でこう考えるということを述べてみたいと思います。
TPPは最初ニュージーランドやシンガポールと言う経済規模の小さな4つの国が2005年に調印した経済協定でした。それにアメリカが参加を表明したのが2008年1月です。同じ年の11月にはオーストラリアとベトナム、ペルーが、2010年10月マレーシアが、2012年6月カナダとメキシコが参加を表明しています。日本は、2010年の11月、オブザーバーとしての参加を開始し、今年3月、交渉参加を正式に表明しました。
TPPの最初の構想がされたのが2000年以降であり、既に世界中にインターネットが広まり、またかなり多くの国で2000年以前に盗聴法の成立がされていたのですから、2005年には最初の4か国間で決められていた原協定が、そもそも、既にアメリカの参加を前提として、単なる関税協定ではなく、企業活動全体を定めた、いわゆるアメリカの企業活動を環太平洋の国々で自由にやらせることを目指したものであったはずです。つまり、最初から巨大な国力を持ったアメリカが参加していたら、このような包括的な自由を認める協定をシンガポールとかニュージーランドがそもそも作るはずがなく、あくまで小国同士の協定として包括的な企業活動を許す協定を作らせ、そこへアメリカが乗り込み、ほかの参加国をどんどん増やしていくという戦略がとられていたのだと思います。当然、その目的は中国包囲網を作ることであったはずです。
当然、アメリカ企業の利益最大化を狙っているわけで、中国包囲網を強化しながらどうやって利益を上げる体制を作るかがアメリカにとっての一番の課題であると言っていいでしょう。
そういった全体像の中で、日本に対してはどう考えているでしょうか。戦後、ほぼ一貫してアメリカ企業は日本に進出をしてきませんでした。アメリカ企業の大きな工場が日本国内に造られることはIBMを除いてなかったはずです。アメリカ企業だけでなく、世界中のほとんどの様々な業種のメーカーも日本国内に工場を建設することはほぼありませんでした。他の国々へは先進国のメーカーの工場がどんどんと進出して行ったのですから、日本は故意に進出対象から外されていたと考えるべきでしょう。その理由は、将来的に日本の原発が地震などで事故を起こし、国土が大規模に放射能汚染されるということが予定されていたからでしょう。戦後の1950年ぐらいからそういった日本の将来像が構想されていた仮定すると、日本の財閥解体が中途半端で終わり、再度資本の集中が認められていったことなどの説明がきれいにできます。
では、今後、アメリカ企業は日本へ進出をするでしょうか。自分は多分すぐには進出しては来ないだろうと考えています。理由は二つあります。一つは、アメリカが中心となってTPPの内容を決めたことは確実であり、その結果の外資進出と国内企業の衰退であることをアメリカの仕掛けだとあまり日本の一般市民に印象付けたくないため。次に、いつ大地震が起こるか分からず、また原発事故もその発生が近いと考えていて、みすみす損害を出すのであれば最初から進出をしないでおこうと判断をするはずだからです。
ただ、日本の事情として喫緊の課題があります。それは年金と健康保険です。両者とも維持が難しくなっていて、今後、公的年金についてはマクロ経済スライド制度を厳格に適用して支給額の減額をするしかなく、健康保険についても、公務員共済や大企業の健保組合をすべて国民健康保険と統合するしか道が無くなっているのです。しかし、どちらも公務員や大企業の従業員にとっては不利な制度変更になります。そのため、アメリカのTPP参加により、年金も健康保険も私的なものに組み替えていき、公的な制度を小さくすることで財政破綻を回避したいという日本側の欲求があるのです。
そのため、保険会社の日本進出は協定がまとまり次第すぐに始まるはずです。しかし、その結果、公的な支えはどんどん小さくなり、社会の格差化は今よりも急激に進むでしょう。特にお年寄りに対する待遇が切り下げられていくはずです。
こういった格差化が自然発生的にテロを生むとは考えていません。しかし、そういった格差を理由にして、特権階級をターゲットとしたテロが故意に起こされることは十分にあると思います。それは主に、司法関係者やマスコミ関係者、または公務員一般でしょう。そして、その結果、より一層社会の不公平がます方向に現実の政治が動き、格差化がどんどん深刻化し、ついには自然発生的にテロが起こるようになるのではないでしょうか。
テロが日常化するような社会では企業活動ができず、利益も上がらないはずだから、そんなことになるはずがないという反論をいただきそうですが、もし、強欲資本主義の人びとがそういったことを考えているのであれば、まずは世界中に学校を建て、教育の充実をするはずです。そういったことは、少なくとも本格的には行われてきていないのです。強欲資本主義の究極の目的は利益そのものと言うよりも相手の奴隷化、またはそもそも相手の存在の抹殺ではないでしょうか。現実に今中東で起こっていることはそういった仮説を裏付けていると思えます。
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