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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130706/plt1307061455002-n1.htm
2013.07.06 ZAKZAK
参院選(21日投開票)で有権者が注目するのは、地元・選挙区の候補者の当落とともに、テレビや新聞で見かける比例区の有名人候補らだ。今回も企業創業者や経済評論家、五輪金メダリスト、元タレント、元格闘家など、輝かしい実績と名声を持つ人々が出馬している。各党の主な有名人候補20人をリストアップし、政治評論家の浅川博忠氏と夕刊フジで情勢を分析した。
安倍晋三首相が推進する経済政策「アベノミクス」の追い風に乗る自民党からは、有名人候補が複数出馬している。最も注目されているのは、一代で外食から介護、環境、農業分野まで広がるワタミグループを築き上げ、「政界に経済の力を注入したい」と語る渡辺美樹氏だろう。
2011年の東京都知事選では101万票を獲得したが、ネットや週刊誌などで「ブラック企業」批判が吹き荒れている。渡辺氏は「事実でない誹謗中傷を受けた」といい、地道に支持拡大を目指している。
浅川氏は「都知事選のころは、渡辺氏は『ベンチャー企業の旗手』『立志伝中の人物』という印象だったが、一連のバッシングでイメージはかなり傷ついた。自民党比例区は29人擁立して22議席ぐらい行きそうだが、渡辺氏は当落線上ではないか」と語る。
このほか、同党からは元東京地検公安部長で弁護士の若狭勝氏や、「月面宙返り(=ムーンサルト)」で知られる五輪体操金メダリストの塚原光男氏、元K−1戦士で「掟破りの空手家」「怪獣王子」の異名を取った佐竹雅昭氏らが出馬。若狭、塚原両氏は「やや優勢」という分析だ。
海江田万里代表率いる民主党は今回、いわゆる「タレント候補」はいない。昨年末の衆院選惨敗の流れが続いており、現職候補や組合系候補を優先したためとみられる。
有名候補としては、鹿野道彦元農水相と石井一元自治相という大物2人が出馬するが、浅川氏は「鹿野氏は農水相時代の中国人スパイ疑惑の印象を引きずっていて、やや苦戦。石井氏は参院予算委員長として、テレビ中継でも手堅い国会運営を披露した。知名度もある」と分析する。
橋下徹共同代表の「慰安婦発言」の逆風が止まない日本維新の会からは、元プロレスラーのアントニオ猪木氏が名乗りを上げた。スポーツ平和党の参院議員時代には、湾岸戦争で人質になった日本人解放に尽力した。
街頭演説では十八番となった「元気ですか!」で始まり、「維新の風は止まってしまったが、俺が新しい風を持ってくる。日本を元気にする」などと訴え、最後は聴衆と一緒に「1、2、3、ダーッ」という雄叫びで締めるパターンだ。
「維新の救世主的存在。ある年代以上の人々にはヒーロー的存在といえる。維新の逆風はハンディーだが、それをはね返す個性と知名度がある」(浅川氏)
鈴木宗男代表の新党大地からは、何と同姓同名で、千葉県のNPO法人代表という鈴木宗男氏が出馬した。公民権停止中で出馬できない宗男代表に代わり、知名度を生かして支持票を集める狙い−といった指摘もある。
浅川氏は「こういうケースは前代未聞だ。有権者の誤解を誘って集票を目指しているように見える奇策だけに、『有権者をナメている』と批判を受けかねない。厳しい」と分析する。
かつて選挙戦で有利とされた有名人候補だが、浅川氏は「前回参院選ではタレント候補が多数落選している。有権者の間に『もうダマされない』という意識が広まっている。政治的資質など総合的に評価される。知名度だけで当選する時代ではない」と語っている。
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