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2013-07-06 07:23:55 生き生き箕面通信
「偏向と言い偏向求む」という川柳が朝日新聞の本日7月6日付け「声」欄にありました。自民党がTBSに対し取材拒否する挙に出たことを風刺したものです。
これは、通常国会が閉会した際、電力システム改革を盛り込んだ電気事業法改正案が廃案になったことを6月26日夜に同局の「NEWS23」で流した内容が、自民党には「廃案の責任を与党にのみ押し付けている」と受け取られ、「以後取材拒否」の措置に出たものです。
この件は、「長引かせると選挙にマイナス」と判断し、安倍首相が昨日、他局の番組に出演して、「TBSから謝罪してもらった」と述べ幕引きしました。しかし、TBS側はその後、政治部長名で「放送内容について訂正・謝罪はしておりません」とのコメントを発表しました。
安倍首相にとっては、上々の戦果でした。まず、「TBSを謝罪させた」と発言し、既成事実を作って、「安倍首相に楯突くとこわいぞ」という流れを強めることができたからです。今後は、他局を含め報道側に”自主規制”が今まで以上に強化されるものと想定できます。
次に、有権者にとってですが、事情のよく分からない人々には、「安倍首相は自分が正しいと思ったことは、相手が報道関係であれ堂々と持論を述べ、訂正させる信念の人」という印象も与えることができたようなのです。
政治家の取材拒否は最近では、橋下徹とかいう大阪市長なる人間の前例がありました。気に入らない質問をされたりすると、すぐに切れて、「取材拒否だ」などとおらび出す例のみっともない男の例です。
安倍氏自身も、8年前の2005年、NHKが「慰安婦問題」を放映したとき、朝日新聞が「安倍官房副長官(当時)がNHKに圧力をかけて番組内容を改変させた」と報道し、ひと悶着ありました。
安倍首相は、小泉首相時代にマスコミ対策でも辣腕をふるったとされる飯島勲氏を内閣官房参与とし、やはりマスメディア対策にも重用していると伝えられています。
こうした一連の流れが、政治状況そのものの右傾化とあいまって、メディア空間を右派色の濃いものに偏向させる元になっているといえます。
今回の取材拒否問題について、本日の朝日は「選挙にらみ?1日で『決着』」とかなりスペースを割いて取り上げましたが、全体として双方の言い分を紹介しただけの、中身の薄いものでした。
読売に至っては、「自民、TBSの取材一時拒否 『謝罪』受け解除」の見出しで、主として自民党側の言い分をなぞるだけ。末尾で、政治部長のコメントに触れ、一応バランスを取ったつもりのような紙面でした。
政治権力が、報道に対して圧力をかけた「事件」ですから、メディア全体の問題として検証する姿勢が欠かせないはずです。つまり、「言論の自由」を制限する権力の側からの直接的な圧力の問題として取り上げるベきでした。
とこらが、そんな問題意識は見られません。結局、権力側には、「メディアなんて、ちょろいもんだ。ちょっと脅せば、キャイーンと鳴いてこびてくる」という印象を与えてしまいました。
事は一見、小さな問題のように扱われていますが、その底流にある問題の深さは軽視できないものがあると感じます。これも、日本丸が沈みゆく現象のひとつなのかもしれません。
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