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2013年7月6日6時0分]
複数区の情勢
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朝日新聞社が実施した参院選の序盤情勢調査では、自民党の強さが際立っている状況が改めて示された。参院選の勝敗を分ける1人区では大半の議席を占める勢いで、複数区でもすべてリードを保っている。一方、参院第1党だった民主は1人区での不振に加え、これまで1議席は確保していた複数区でも議席をとりこぼしそう。維新が昨年の衆院選の勢いを失い、みんなも伸び悩むなか、共産には勢いがある。
■自民の強さ際立つ
自民は参院選の勝敗を分けるとされる地方の1人区をほぼ制する勢いだ。31ある1人区のうち、沖縄でやや苦戦し、岩手、山形で競り合っているが、これ以外の28選挙区でリードしている。小泉純一郎元首相の就任直後の2001年に27の1人区で25勝した時と並ぶ勢いだ。
92年を最後に議席を獲得したことがない岩手でも、民主を離党した無所属現職の平野達男元復興相と競り合う。地元の小沢一郎氏が党代表を務める生活の新顔は苦戦だ。
山形でも07年に敗れた相手で、民主が支援する離党組のみどり現職と競り合っている。
沖縄は、自民が1人区全勝をかけて最重要選挙区と位置づけているにもかかわらず、沖縄社会大衆党の現職にリードを許している。
10ある2人区では、各1人ずつ立てた自民候補のすべてが安定した戦いをしている。
また、3人区(埼玉、千葉、愛知)、4人区(神奈川、大阪)、5人区(東京)でも、公明と合わせて全候補が当選する可能性がある。千葉と東京では2人ずつを擁立したが、いずれも野党候補をリードしている。
比例区でも好調で、小泉ブームの01年の20議席を上回り、改選数48の半数に近づく可能性がある。
投票態度を明らかにした人を分析すると、自民は自民支持層の9割近くを固めたのに加えて、無党派層でも4割が投票すると答えた。
年代や性別を問わず広い支持を集めているのが特徴で、従来の支持基盤の農林漁業者や自営業のほか、事務・技術職、主婦層などにも浸透している。
安倍首相の経済政策を評価する層は全体の46%、評価しないという層は32%いるが、評価する人の多数に加え、評価しない人でも3割が自民に投票したいと答えた。
■民主、2人区もふるわず
民主は安倍前政権時の07年に29の1人区で17勝し、菅直人元首相の消費増税をめぐる発言で逆風だった前回10年ですら8勝した。しかし、今回は1人区で全敗の可能性がある。1人区で候補者を擁立しなかった「空白区」も12ある。
07、10年に連勝した滋賀、奈良、高知でも、今回は自民新顔にリードを許す。石川では閣僚経験者の一川保夫元防衛相が厳しい戦いだ。
民主は2人区でもふるわない。10年は逆風の中でも12あったすべての2人区(今回から1人区の福島、岐阜含む)で自民と1議席ずつを獲得。01年以降、「2大政党」らしく毎回ほぼ分け合ってきたが、今回は10ある2人区のうち、結党の98年から負け知らずの兵庫と01年から議席を維持する京都などで議席を失う可能性がある。広島では自民候補に水をあけられ、民主離党組の生活候補にもやや先行されている。
前回2人が当選した5人区の東京と3人区の愛知では、候補者を1人に絞った結果、当選圏内にある。一方で、神奈川、大阪は今回3人区から4人区に変わったが、1人しか立てなかった候補が接戦を繰り広げている。
過去3回、19、20、16議席を獲得して自民を上回ってきた比例区は今回、1けた台が濃厚。民主支持層の8割以上を固めているものの、支持層そのものが前回序盤調査の時と比べて大幅に減り1割を切っている。
民主が苦戦する背景としては、反自民票の受け皿となっていないことが調査結果からうかがえる。「自民党に対抗できる政党は」との質問に「民主」との答えは1割程度。安倍首相の経済政策を評価しない人の中で民主に投票するという人も2割にとどまる。
09年の政権交代時に頼みの綱だった無党派層からの支持は自民の3分の1だ。
■アベノミクス批判 共産も受け皿に
共産は12年ぶりの選挙区での議席獲得が見えてきた。自民が惨敗した98年に選挙区だけで7議席を獲得する躍進をし、次の01年に東京で1議席を死守して以来、選挙区の当選がなかった。
2人区の京都では、自民現職とともにリード。民主、維新、みんなの3党が支持を奪い合う中で浮上している形だ。京都は70年代から80年代にかけて「自共の指定席」と言われた時期もあったが、共産は98年の当選が最後だった。
5人区の東京でやや優位な情勢にあり、4人区の神奈川、大阪でも競るなど、都市部の複数改選区で善戦が目立ち、選挙区合計で最大5議席の可能性がある。
また、比例区も前回、前々回の序盤と比べると、高めの支持を集めており、前回の比例3議席から上積みをうかがう。投票意欲や選挙への関心が高い層で支持が高めなのが特徴だ。
また、比例区で「投票したい政党」として共産を選んだ人は全体で7%だったが、安倍首相の経済政策を「評価しない」層のなかでみると、自民、民主に次いで多い2割弱が共産を投票先に選んだ。
共産は「アベノミクス」に対する一定程度の批判の受け皿になっているようだ。
■維新・みんな、伸びず
昨年末の衆院選で比例区第2党に躍進した維新だが、今回比例区は低迷しそうだ。選挙区でも、優位に立つ大阪と競り合う兵庫以外はリードを許している。2人区の福岡では、みんなと共倒れの可能性もある。橋下徹共同代表の旧日本軍慰安婦などを巡る発言や、それに伴うみんなとの選挙協力解消の影響がうかがえる。
維新に「投票したい」は近畿を中心に都市部で比較的高いが、20、30代を中心とする若者層や参院選に「関心がない」とする層にやや偏りがある。無党派層の支持も1割程度と伸び悩む。
みんなも比例区、選挙区とも伸びを欠く。神奈川で優位に立ち、東京と愛知、埼玉で競り合っている以外、選挙区はどこもリードを許している。前回参院選の序盤調査では無党派層の18%から支持を集めたが、今回は1割強にとどまる。年代的には、働き盛りの30〜50代の支持が厚めだ。
生活は選挙区は1議席前後、比例区は1議席程度。社民は比例区で1から2議席をうかがうが、選挙区は厳しい。
■憲法96条改正は
憲法96条では、改憲の国民投票は、衆参各院の3分の2の賛成があれば、発議できることになっている。安倍晋三首相は、この96条を改正し、要件を緩和することをめざしている。このため、96条改正に賛同する勢力が、今回の参院選の結果、定数の3分の2である162議席に届くかどうかが焦点となっている。
しかし、96条改正をめぐっては、反対していない政党の間でも温度差がある。
自民、維新は改正を参院選の公約に明記するなど積極的。みんなも前向きだが、96条を先行して改正するのには慎重。公明は96条改正は「改正の内容とともに議論するのがふさわしい」と否定こそしていないものの、消極的だ。
自民、維新、みんな、公明の4党の非改選議席は70。今回の情勢調査で、この4党の獲得推計議席は90前後に達しており、単純に足し合わせると、162前後に近づく。しかし、この4党で3分の2を超えたからといって、参院選後、4党の足並みがそろい、96条改正が一気に進むという状況ではない。
■「大いに関心」30%
参院選の投票率(選挙区)は95年に過去最低の44・52%を記録したが、その後は50%台後半で推移し、10年は57・92%。今回の参院選はどうなるだろうか。
情勢調査と同時に実施した世論調査によると、今度の参院選で投票に「必ず行く」と答えた人は71%で、10年や07年の序盤調査の時から少し下がっている。「必ず行く」という回答は、実際の投票率を示すものではないが、目安の一つになっている。
一方で、今度の参院選に「大いに関心がある」と答えた人は30%にとどまった。10年と07年の序盤調査ではともに43%だったのと比べると低く、選挙への関心はまだ盛り上がっていないようだ。
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