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自民党、勝利の後に待ち構えている壁と危機
参議院選挙の1人区のほぼすべてで自民党候補の勝利が予測されているという。自民・公明で参議院の過半数越えは確実だという話だ。しかし、既に自民党の危機ははっきりしている。それはまずTPP問題だ。地方の選挙区で、自民党候補はほぼ例外なくTPP反対、農業・医療を守ると明言している。当然、安倍首相も例外なき関税撤廃は許容しないとしてきているのだから、このまま行けば、TPP批准をしないで撤退を選択することになるはずだが、ほぼそれはできないだろう。そして、地方の有権者へ偽手形を切ったという責任はほぼすべて安倍首相にかぶされることになるはずだ。そして、このことにはそういった進退問題よりもより重要な地方社会の崩壊という実質的な問題がともなっている。北海道や東北、中国地方や九州・四国と言った農業県ではコメや酪農などが成立しなくなればかなりの程度社会が混乱する。単に補助金を出せば済むということではなく、生活の仕方そのものが大きく変化するわけで、これをうまく乗り切るのはほぼ不可能とさえ思える。つまり、6次産業化とか農業への株式会社進出では地域社会の維持ができるわけがないからだ。
同時に円安による物価高がいよいよ本格化する。一般市民は日常生活用品、特に食料品の値上がりを実感するようになるはずだ。昨年度実績で、「日本の輸入で取引される通貨ではドルが全体の72%を占め、円は22%にとどまるのに対し、輸出の場合はドルが51%、円が38%」ということなので、円安の影響はより輸入物価へ影響するからだ。そしてこのことは、TPPの果実である安い海外品の輸入を促進したいという動きとなるはずで、輸入物価高とTPPの果実、そして地域産業保護が三すくみになる可能性がある。
更に、福島第一原発事故の影響の表面化・深刻化が待っている。このことは、必ずしも直接的な被爆者の方だけでなく、全く関係のない地域に住んでいる一般市民に影響を与え、一部に先鋭化した運動をする人びとが出てくる可能性が強い。なぜなら、実態が隠されていることがはっきりしているため、まだ被害を受けていない人々が却って強い不安を感じるからだ。
プラスして、2011年3月のあの大地震の余震と言うか、または次の大地震がこの秋にも発生する可能性がある。2011年にはほぼ福島第一原発の周辺に固まっていた震源深さ10キロ程度の地震の塊が今では茨城県内へ移動ししている。( http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/mapout.php?_area=KANTO_MAP&_period=30days&rn=2707 の茨城と福島県境にある赤いドット ) また、これだけでなく、311の大地震で引き起こされた地殻の歪みが西日本へ到達しつつあり、これがちょうど南海地震の前30年程度の期間で起こる内陸型のM6から7程度の地震の頻発期にちょうど重なってしまう。
その他、財政の問題や領土問題など、原発問題に加えて問題山積であり、戦後日本が今まで先送りしてきた問題がほぼすべて同時期に噴出することになる。
一番の問題は、こういった厳しい状況であるということの共通認識を持つことができていないということだ。つまり、逆から言うと安倍政権は参院選後、どうやってこういった共通認識を国民に持たせるかが喫緊の課題になるのではないだろうか。
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