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2013/7/5 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
野党参院多数の現状「ねじれ国会」が消えたら国と国民生活は安倍国家主義自民党の独裁になる
参院選の公示日(4日)、安倍首相が第一声で強調したのは、野党が参院で多数を占める「ねじれ国会」の解消だった。
「ねじれているために、なかなか復興がスピーディーに進んでいかない。経済の再生もスピーディーに進んでいかない。改革も進まない。このねじれを解消させていただきたい」と訴えていた。
ねじれが消えれば、政治が安定する。野党が足を引っ張らなければ、復興も景気回復も加速する。とまあ、バラ色の国民生活が待っているかのような言い回しだったが、本当にそうなのか。ねじれが消えて、安倍・自民が暴走する方がよっぽど、恐ろしいのだ。
まず、アベノミクスの副作用。多くの専門家が警鐘を乱打しているが、指摘通りの展開になりつつある。
「異次元緩和の危うさは、株式市場をハゲタカ外資の草刈り場に変えただけでなく、家計は輸入インフレで苦しんでいる。輸入資材や原燃料コストの高騰を価格に転嫁できない中小零細企業は収益を圧迫されるばかり。アベノミクスのマイナス面を挙げていけばキリがないほどです」(経済評論家・広瀬嘉夫氏)
3本目の矢として放った「成長戦略」も問題だらけだ。国が成長産業を選び、重点的に「ヒトとカネ」を投じるというが、なぜ、国が「成長産業」と「そうでない産業」を分けるのか。経産省の役人にそんな権限や眼力があるのか。「余計なお世話だ!」と言いたくなるし、そこには不透明さがつきまとう。実際、成長戦略をまとめた「産業競争力会議」で「医薬品のネット販売」が解禁になったが、それで得するのは民間議員のひとり、楽天の三木谷会長なのである。
これが成長戦略なのか。官僚や一握りの企業経営者への利権誘導ではないのか。
「規制緩和」に名を借りて、自分たちに都合よくルールを作り変え、声がでかい一部の経営者だけが得をする。これがアベノミクスの正体だろう。
こんな不平等な政治を許していたら、ますます経済格差は広がっていく。この国はいびつな社会になってしまう。
◆天下り官僚と族議員を復権させる毒の矢
経済アナリストの菊池英博氏はこう言った。
「三木谷氏の振る舞いは、典型的な『レントシーキング』(利益誘導的な政治活動)です。規制緩和を突き進めると、新たに生じる利権を商売に利用する連中が確実にはびこる。政府が成長産業を恣意的に選んで、税金や人材を投入すれば、特定の政治家や官僚の判断が市場メカニズムより優先されてしまう。従来以上の巨大な既得権益が生まれ、成長産業の支援機関と称した官僚の天下り機関が増えかねない。アベノミクスの成長戦略は、族議員や霞が関官僚の復権と、新たな政商を生み出す“毒の矢”みたいなものです」
エコノミストの高橋乗宣氏は、本紙コラムで〈安倍政権がやっているのは、日銀に国債を買わせ、使えるカネを捻出するということだけ〉と書いていたが、本当だ。安倍は日銀を打ち出の小槌にして、好き勝手に利用できる資金をひねり出す。その恩恵が回ってくるのは、政治家と官僚、政権にスリ寄る企業経営者だ。
安倍は参院選後の秋の臨時国会で「第2弾となる成長戦略を打ち出し、実行する」と息巻いていた。その時、ねじれが解消していれば、本当にやりたい放題だ。参院は衆院のカーボンコピーとなり、どんなにムチャクチャな法案でも自動的に成立してしまう。果たして、国民はそんな政治を望んでいるのか。投開票日まで真剣に考えるべきだ。
◆有権者は戦前回帰の金融政策を信任するのか
今度の選挙の争点はハッキリしている。安倍でいいのか、否かだ。
自公両党に参院の過半数を与えれば、危うい異次元緩和にお墨付きを与えてしまう。TPP参加、原発再稼働、消費税引き上げ、憲法改正と、安倍の暴走を次々と許すことにもなる。
韓国や中国との関係はさらに悪化するだろうし、いまでも安倍を危険視している米国はますます、冷淡になっていくだろう。国際的孤立は避けられない。安倍自民党に投票すれば、そんな政治を信任することになる。有権者は本当にそれでいいのか。
国民生活の行き着く先も心配だ。自民が参院選を勝てば、勢いづく安倍と黒田日銀は「2%のインフレ目標」の達成まで、無軌道に国債を日銀に買い取らせていく。いまでも国債発行額の7割を日銀に買い取らせているが、こんな禁じ手が常態化して、国債市場はマヒしてしまう。その裏では、国債暴落危機が日増しに膨らんでいくのである。
安倍政権はすでに補正予算で7・8兆円、本予算で43兆円の国債発行を決めた。今年度末の国の借金は累積1107兆円に達する見込みだ。日本の財政赤字は敗戦直後の極限値をはるかに超え、対GDP比率245%まで膨れ上がっている。
それで安倍はインフレに持ち込もうとしているのだが、行き着く先は恐ろしい。
前出の広瀬嘉夫氏は「異次元緩和は大麻やモルヒネに手を染めたようなもの。一度打てばやめられないから怖いのです」と、こう続ける。
「米国の金融緩和も出口戦略で大揺れですが、日本の異次元緩和は、それこそ米国の緩和策とは次元がケタ違いです。米FRBが市中に流した資金量は約3兆ドルと何とか国家予算規模にとどめているのに対し、日銀は2年間で270兆円もばらまくのです。供給量は国家予算の実に3倍規模。これだけの供給量をいつかは引き締めなければいけないのです。果たして黒田総裁にカジ取りできるのか。インフレを制御できなければ、国民の虎の子の財産はどんどん目減りしてしまう。割を食うのは、汗水流してマジメに働いてきた庶民です」
◆暴走を許せば国民財産が雲散霧消しかねない
もっといえば、日銀という国債の最大の買い手を失えば、たちまち国債暴落が現実味を帯びてくる。日銀は国債買い取りをやめられなくなる恐れがある。
前出の高橋乗宣氏は〈かつて日本は戦費の調達のために国債を日銀に引き受けさせた。当時と同じだ。少なくとも経済政策は戦前に回帰している〉と書いていた。無謀な戦争と金融政策の末路にハイパーインフレが到来し、預金封鎖と通貨切り替えによって、国民の貯蓄は雲散霧消した敗戦直後の悪夢もよぎる。
それでも新聞各紙の世論調査では、有権者の4割以上が「投票先は自民」と答えている。民主党以下の野党は軒並み1桁のていたらく。これじゃあ、安倍は楽チンだろうが、前出の菊池英博氏は「安倍政権の経済政策と政治手法は極めて危険。このまま暴走を許せば取り返しのつかないことになる」と警告した。有権者は「あまりにも危ない安倍でいいのか」を真剣に問わねばならない。
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