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参議院議員通常選挙年代別投票率の推移 :財団法人 明るい選挙推進協会
http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/072sangi/679/
数字で見る参院選
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2013/07/post-0465.html
2013.07.05 きっこのブログ
安倍自民党が民主党から政権を「トレモロ」して約半年、「この半年間の安倍政権の評価が問われる」なんて言われてる参院選がスタートしたワケだけど、ホントにそうだろうか?今回の参院選の前哨戦と言われてた東京都議選の投票率は、前回の54.49%より11ポイントも低い43.50%で、これは過去最低から2番目という酷い数字だった。自民党は議席数こそ「トレモロ」したけど、今回の都議選で自民党の候補者に投票したのは、東京都の有権者のわずか15%にしか過ぎない。
この数字から分かることは、東京都の有権者約1000万人のうち、約600万人は政治に興味がなく、残りの投票に行った有権者のうち約150万人が自民党の候補者に投票した「自民党支持者」ってことだ。投票率が低くなれば、1000万人のうちわずか150万人の票を獲得しただけで最大勢力になれるんだから、かつて自民党の森嘉朗が「無党派層は選挙に行かずに家で寝ててほしい」とこぼしたウッカリ発言も完全に本音だろう。
で、参院選だけど、これまでに行なわれた22回の投票率を見てみると、最高が1980年に大平正芳政権下で行なわれた時の75.51%、最低が1995年に村山富市政権下で行なわれた時の44.50%で、この時以外は、すべて50%以上を推移してる。最近の3回を見てみると、2004年が56.54%、2007年が58.63%、2010年が57.92%と、ほぼ同じくらいの投票率をキープしてる。
でも、先日の都議選が今回の参院選を占う前哨戦であるのなら、「前回の54.49%より11ポイントも低い43.50%」という投票率の下落も、そのまま参院選に現われる可能性がある。前回が57.92%なんだから、11ポイントまで下がらなくても、8ポイント下がれば50%を割り込むし、都議選と同じで「過去最低から2番目」という残念な結果になる。
だけど、投票率が50%を割り込んで「残念」だと思うのは、アベノミクスに苦しめられてるあたしたち庶民だけだ。自民党にしてみれば、投票率は低ければ低いほどアリガタイザーなワケで、もともと確保してる組織票だけで簡単に日本を「トレモロ」すことができる。投票に行く有権者が少なくなれば少なくなるほど安倍晋三の思う壺で、日本の「主権」を、国民の手から権力者が「トレモロ」すことになる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、今回の参院選が終われば、クーデターでも起きない限り、今後3年間は国政選挙が行なわれないんだから、これで安倍自民党と公明党が参議院の過半数を確保しちゃったら、日本国民は安倍晋三に「3年間やりたい放題」のゴールドカードを発行したのと同じことになる。勝ち馬の尻に乗るマスコミまでもが「ねじれ解消」なんて言葉を連発して、あたかも衆議院と参議院が「ねじれ」てることが悪いことのように印象操作してるけど、これほどバカな話はない。衆議院も参議院も自公が過半数になれば、どんな悪法でも可決し放題になり、二院制の意味がなくなっちゃう。
本来、衆議院を牛耳る政権与党が暴走しても、それを止めるブレーキの役目をしてるのが参議院なんだから、「ねじれ」ていてこその二院制であり、衆参両院を自公が牛耳るようになったら「ブレーキの壊れた車」になっちゃう‥‥ってことで、話をクルリンパと戻して、ここで前回2010年の参院選の年代別の投票率を見てみよう。
20代 36.17%
30代 48.79%
40代 58.80%
50代 67.81%
60代 64.17%
70歳以上 75.93%
20代が一番低く、30代、40代、50代と年代が上がるにつれて投票率が上昇してくって形は、前回に限らず、ずっと続いてる。こちらの財団法人「明るい選挙推進協会」の折れ線グラフ、「参議院議員通常選挙年代別投票率の推移」を見てもらえば一目瞭然だけど、とにかく20代の有権者の投票率が低いことが分かると思う。
だけど、この折れ線グラフを見て、「若者の政治離れが進んでる」なんて言うのは、ちょっと短絡的だ。だって、この折れ線グラフは、平成元年から22年までに行なわれた過去8回の参院選の投票率を年代別に表わしたものなんだから、たとえば、平成元年の第15回の時に20代だった人は、平成10年の第18回の時には30代になってるワケだし、平成22年の第22回の時には40代になってるワケだ。
つまり、前回の選挙の時に20代だった人の何割かは次の選挙で30代になり、その代わりに新たに20代になった人たちが選挙権を手に入れて参加してくるワケだから、1回の選挙の年代別の投票率だけを見て「20代はダメだ」とは言えなくなる。この折れ線グラフから分かることは、「20代はダメだ」ってことじゃなくて、「日本人は年齢を重ねるごとに政治への興味を深めていく」ってことなのだ。
そして、前々回と前回だけを比較してみると、全体の投票率は58.63%から57.92%へとわずかに下がってて、30代は49.05%から48.79%に、40代は60.68%から58.80%に、50代は69.35%から67.81%に、60代は64,79%から64.17%に、70歳以上は76.15%から75.93%に、どの年代もわずかに下がってる。だけど、20代だけは36.03%から36.17%へと、これもホントにわずかだけど、他の年代とは逆に上昇してるのだ。
これまでずっと、全体の投票率が上がれば各年代の投票率もすべて上がり、全体の投票率が下がれば各年代の投票率もすべて下がってきたのに、前々回から前回にかけては、全体の投票率も各世代の投票率も下がってるのに、20代の投票率だけはわずかに上昇してるのだ。数字にするとわずか「0.14ポイント」だけど、「たかが0.14ポイント、されど0.14ポイント」ってワケで、あたしは、ここに希望を感じてる。
‥‥そんなワケで、さっきは前回の参院選の年代別の投票率を書き出したけど、今は少子化が進んでて高齢者の割合が増え続けてるので、投票率だけじゃなくて、その年代の人口も大きなポイントになってくる。たとえば、50代の人口が20代の人口の2倍だったとしたら、投票率が同じでも投票数は2倍になる。そうなると、50代の人たちの選択に「NO!」を突きつけようと思ったら、20代の人たちは2倍の投票率が必要になってくる。そこで、今度は各年代のおよその人口を並べて、さっきの投票率も添えてみる。
20代 1470万人(36.17%)
30代 1860万人(48.79%)
40代 1610万人(58.80%)
50代 1760万人(67.81%)
60代 1700万人(64.17%)
70歳以上 2000万人(75.93%)
こうして各世代の人口を比較してみると、実際の投票数が分かる。20代は1470万人のうちの36%しか投票に行かなかったから「約530万票」、一方、70歳以上は2000万人のうち76%近くも投票に行ってるから「約1520万票」、実に20代の3倍近い投票数だ。投票率だけを比較すれば20代と70歳以上はダブルスコアだけど、実際の投票数はトリプルスコアなのだ。
他の世代の投票数も算出して比較してみると、今の日本の政治は、高齢者が中心になって舵取りをしてて、若い世代の意見などほとんど反映されてないことが分かる。もちろん、こうした選択をしてるのは国民自身、有権者自身なんだけど、これほどの原発事故が起こっても再生可能エネルギーへとシフトできずに原子力ムラの利権構造にしがみついてる政権なんかに一定の支持が集まる異常さは、世代による投票数に大きな格差があるからだと思う。こんな人ばかりじゃないけど、高齢者の中には何も考えずに「家は昔から自民党だから」とか「自民党に投票しておけば間違いないから」なんて人も多い。もしも、20代と70歳以上の人口と投票率が正反対だったとしたら、世の中は大きく変わっていたかもしれない。
‥‥そんなワケで、現在の日本の人口は約1億2700万人だけど、このまま人口が減少し続けると、17年後の2030年には約1億1500万人、2050年には8900万人になるという試算がある。そして、これは少子化によるものだから、ただ単に総人口が減るだけじゃなくて、若者が減って高齢者が増えていく。20代と70歳以上だけを比較すると、現在1470万人の20代は、2030年には1090万人、2050年には730万人へと激減する一方で、現在2000万人の70歳以上は、2030年には2800万人、2050年には3100万人へと激増すると予測されてる。ここまで人口に差ができてしまったら、20代の投票率がたとえ100%になったとしても、若者の意見などほとんど反映されない国になってしまう。だから、まだ若者の一票に発言力がある今、二度と原発事故で苦しむ人たちを出さないために、間違った方向へ進もうとしてる日本を正すために、あなたの一票を有効に使ってほしいと思う今日この頃なのだ。
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