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2013年07月04日 世相を斬る あいば達也
中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」が現在のエジプトの大混乱を観察しながら、西側諸国の民主主義を導入したことが、エジプトの混乱の元凶である。ゆえに、我が中国は世界の歴史的教訓に学び、独自の道を切り拓く、と現共産党一党独裁体制を我田引水で評価している。まぁこの中国の論調は、笑いながら聞いていれば良いのだが、欧米が主導してきた“デモクラシー”なるものの寿命が尽きかけているのは、拭い難い事実だろう。
議会制民主主義の安定的定着を目指してきた小沢一郎にとっては、些か世界の様子が変わってきている。ご本人が気づいているかどうか、筆者には判らない。仮に、気づいていても、現時点で議会制民主主義への疑念を口に出すことはない。それこそ、議院内閣制の否定にまで繋がる話であり、疑念が生まれようと、今までの政治理念を主張するしかない。それが、小沢一郎への、お天道さまからのミッションであり、彼の運命である。
今日告示される参院選に関して、中道リベラル色の強い多くの識者が、安倍自民の継続を支持する結果になれば、国民は手痛い目に遭うだろう、と口を酸っぱくして語っている。たしかに、その通り“正論”である。しかし、その正論が通用する状況にはほど遠いのが、現実の日本と云う国家であり、国民の政治意識なのである。この7月になり、様々な生活必需品等々の値上げラッシュが顕在化している。ここに一々書き出すつもりはないが、平均して5%程度の生活費増に繋がるのは避けようがなくなっている。
企業の景況感が上向きだとか、株高により富裕層の贅沢品購買意欲が目立ちだしたとか、如何にも、国民が潤いだしたような報道が目につくが、現実に、その景気の上向きを実感している層など、国民全体の数%に過ぎないだろう。原油価格も100ドルの大台に乗せたので、リッター160円程度も不思議ではない状況になっている。アホノミクスの理屈から行くと、トリクルダウン理論と云う新興宗教のようなご託宣を信じる人々が多い以上、話すだけ無駄と云うのが現状認識として正しいだろう。
無論、政治家は、「そうじゃない!」と叫ぶべきだが、市井の評論家である筆者には、必死の訴えは無縁である。なるようになるまで、国民生活が疲弊するのを待つ以外、これはと云う手立てはないのである。年金の支給額も1%単位で減額されるようだし、保険料負担は逆に着々と増える状況にある。また、来年の4月には消費税が上がる確率が高くなっている。これで給料も上がらないとなると、年金生活者や生活保護家庭ばかりではなく、現役中間層の家庭でもダメージが出てきそうである。
しかし、それが判っていても、自民を選ぶか、棄権するかしか選択肢がないのが今回の参院選であり、“好きにしてくれ〜”と云うのが、現実的選択である。筆者などは、それで良いのではないかと思っている。特に、国民生活を破綻させたいとは思わないが、モノは上がる、収入は下がるか、現状維持となれば、トリクルダウン理論以上に明確な、国民生活の疲弊が確実だと云うのに、その中に飛び込むか、乃至は傍観するのだから、手の施しようがないだろう。小沢一郎率いる「生活の党」の消費税凍結・雇用を守る・憲法96条堅持・TPP反対等々の公約も虚しくこだまする感じだ。
このマスメディアによってつくられた世論と小沢の政治理念には、あまりにも大きな溝が出来ている。ゆえに、小沢一郎の主張が無駄だと言っているわけではない。今しばらくは受け入れる国民は少ないだろうというだけである。考えて推測するのが苦手な民族であり、大きな声を出すことも苦手である。ただ、痛みに耐えられなくなった時は、一定のデモクラシーが作動するかもしれない。日本の民主主義と云うものは、このレベルなのである。だからと言って、農耕民族の血を引く人々に文句を言っても無理である。
縄文の精神にまで言及する小沢一郎なのだから、悠久の時間軸で政治理念が成就すればイイくらいの覚悟は持っていると推察している。いま、小沢の政治理念は、銭ゲバ化した日本の統治機構の中の現実で踠いているわけだが、いずれは陽の目を見るのだろう。悠久の時間軸の立場で見てしまえば、何時のことか判らず、小沢も筆者も死んでいるだろう(笑)。しかし、意外に早く訪れる可能性だって否定は出来ない。変な例えだが、富士山は必ず噴火するが、それが何時だか判らないのと同じことである。
筆者は、個人的に今度の参院選で安倍自民や維新、みんなが勝利する方が話は早いと思っている。憲法96条の改悪に走り出すほど高揚させてしまう方が、良いのだろうと思っている。最悪はTPPの参加で、目玉が飛び出すような事態も経験しても構わないと考えている。これだけ、ありとあらゆる部分で20世紀の枠組みが壊れていると云うのに、そこに戻ろうと云う政策なのだから、答えは自明だ。上述する家計の崩壊と右傾化した政権を目の当たりにして、初めて我が国のデモクラシー機能は息を吹き返すのだと考えている。
まぁ時と場合によれば、安倍晋三の個人的嗜好により起こっている、韓国との軋轢や中国との反目に、米国がしびれを切らして早々に介入してくる可能性も大いにある。中韓との摩擦を如何に収束させるか、その為には日本政府の代表の顔を替える以外方法はないので、意外に早く安倍政権は終わるかもしれない。だからと云って、自民党が信を問うなどと言うわけもなく、今後3年間は自民党崩壊の最終章と位置づけることになりそうだ。
そういう意味では、野党には時間が残されている。藪医者のように、生活習慣を直さないと、根本的治療は出来ない等と言う必要はない。これからの1,2年で何が起こるかを予測し、その国民的惨状を救いだす政策集団をまとめることだけで良いのだ。ただ、右翼のように、一方向に走りださないのが、中道リベラルの特長であり、政治集団としての弱さでもある。しかし、国民生活の疲弊が必ず強く顕在化するのは確実なのだから、その状況を前提にした政策の方向性くらいまとめられなければ、それこそ生活の党も民主党も社民党も終わり、小沢一郎も只の老人になって行くのだろう。
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