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2013/7/3 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
官邸対策も万全
参院選に勝って長期安定政権を築き、憲法改正に手をつけたい安倍首相。周辺では、人気取りのための「ウルトラC」が検討されているという。ズバリ、消費増税の先送りだ。
「増税の判断基準となる4―6月の経済指標は、間違いなく良い数字が出てくるでしょう。しかし、国民が本当に景気回復を実感できるかというと疑問で、生活はむしろ負担増の影響が大きい。自民党内にも、増税による景気の腰折れを心配する声があり、政治的な判断として増税を先送りする可能性がある。国民は“英断”と受け止めるでしょうから、安倍首相にとっては支持率アップを狙える切り札です」(自民党関係者)
そうはさせじと躍起なのが財務省だ。6月の人事で、財務省の事務次官に79年入省の木下康司主計局長(56)が就いた。木下氏の後任となる主計局長には、同期の香川俊介官房長(56)。次官の同期がラインに残ることは珍しい。そのため、“79年組が次官を2人出すか”と、2人の処遇ばかりが耳目を集めたが、その陰ではロコツな「増税シフト人事」が行われていた。
「自民党内の増税先送り論を見越して、絶対に阻止するためのシフトを敷いたのです。まず、第1次安倍政権で首相秘書官を務め、首相と気脈を通じる田中一穂主税局長を留任させた。明らかな官邸対策です」(霞が関事情通)
さらに分かりやすいのは、主要ポストを主税局出身者が占めたことだ。官房長には主税のエース、佐藤慎一・大臣官房統括審議官が就いた。国会対応を担う官房長は事務次官の登竜門。99年以降は全員が官房長→主計局長→事務次官の道を歩んでいるが、主税畑から抜擢されることは異例だ。佐藤氏の後任には、麻生財務相の秘書官を兼務してきた浅川雅嗣・国際局次長が昇格した。
出世コース王道の大臣官房文書課長に就いたのも、主税畑の井上裕之主税局総務課長だ。
「もっとも象徴的なのは、消費税増税法案を書いた住澤整・主税局税制2課長が、税制効果などを分析する調査課長になったことです。2課長の方が格上なので、はたから見れば“降格”で、増税法案の功労者に対してはあり得ない。あえてこのポストに就けたのは、経済指標や税制効果をどう分析しても『増税すべし』という調査結果を書かせるため。『増税しないと国債が暴落する』などと脅しながら、主税局の主力が総出で政府・与党を説得していくわけです」(財務省関係者)
勝栄二郎前次官も、消費増税法案のために異例の長期任官となった。安倍自民はたとえ選挙に勝っても、「すべては増税のため」というヘンな役所には勝てないのか。
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