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週刊文春 2013年7月11日号
参院選に自民党公認で出馬することを表明している渡辺美樹・ワタミ前会長が公示前に「ぜひ応援をしてもらいたい」と呼びかけていたことが、週刊文春が入手したビデオレターでわかった。
出典:2013年6月 ワタミグループ ビデオレターより
当時、ワタミの会長だった渡辺氏は、「今回、僕は自民党の公認を得て国政に挑戦することになりました」、「政治の目的が国民の幸せならば、私は今回の参議院選、自民党が勝つことが国民の幸せに一番大きな影響を与えると思っています」、と述べ「皆に話をしたくて今回はビデオレターを送りました。ぜひ応援をしてもらいたい」と結んでいる。
このビデオレターは、6月10日前後、ワタミの各事務所に届けられた。ワタミの現役社員によれば、ビデオレターは「ワタミの全社員とスタッフは見て視聴シートに感想を書くよう義務づけられている」もの。翌週、ワタミ本部から、内容に不備があったという理由でビデオレターと視聴シートの回収が指示された。
専門家によれば、公職選挙法129条によって、公示前は投票の勧誘などの事前運動は禁止されている。
「『参院選』、『ぜひ応援してもらいたい』と語っていますから、今回の参院選の支援依頼とみなされます。違反行為であったことは間違いない」(岩井奉信日大教授)
渡辺氏とワタミは次のように回答した。
「渡辺が政治活動に重点を置く決意をしたことから、スタッフ等に不安を与えぬよう説明をした次第であり、会社内部の業務連絡に過ぎません。したがって、事前運動に該当するとの指摘は当たりません」
ただ、「業務連絡なら、主語が会社になるはず。『公認』、『参院選』、『ぜひ応援して』と言っており、投票依頼と受け取れます」(前出・岩井教授)との指摘もあり、選挙違反の取り締まりにあたる警察当局、公認を機関決定している自民党の対応が注目される。
文「週刊文春」編集部
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