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2013年6月30日 植草一秀の『知られざる真実』
紀伊国屋サザンシアターで、
『「対米従属」という宿痾』(飛鳥新社)
発売記念トークイベント
「日本の進むべき道」
が行われた。
満席の聴衆が2時間以上に及ぶトークセッションに聞き入った。
冒頭、スピーチをされた孫崎亨氏は、日本が危機に直面していることを力説された。
原発事故については、事故原因さえ、いまだに究明されていない。
このなかで、原発再稼働、原発輸出が着々と推進されている。
TPPは国家主権を喪失する重大性を持つ危険な多国間協定である。
実際に米国との間でISDS条項を含むNAFTA(北米自由貿易協定)を締結したカナダやメキシコは、極めて手痛い代償を払わされることになった。
これらのことがらが、十分な論議もなく、検証もされずに、既成事実化される。
この現状をどう打破するか。
それが問題である。
鳩山元首相が尖閣問題に関して発言したことが、事実を歪めて、メディアが大宣伝している。
正確な事実を知らない人々は、メディアが扇動する情報操作の網に絡め取られてしまう。
スポーツ新聞に至っては、鳩山元首相は「尖閣は中国のものだ」と発言したかのような報道を展開する。
こうなると、もはや「報道」ではない。
単なる「人物破壊工作」になる。
鳩山元首相が述べたことは、尖閣が日本の領土であるとの日本の主張があり、その論拠もある。
しかし、中国にも、尖閣が中国の領土であるとの主張があり、その論拠がある。
中国側の主張に耳を傾け、中国側の示す論拠を踏まえるなら、尖閣の領有権は中国側にあるとの主張も理解できることを述べただけだ。
領土問題のように、国の主張が正面からぶつかり合う問題では、お互いが相手の主張に耳を傾け、そのうえで冷静に話をしなければ、文字通り「話にならない」と鳩山元首相は強調する。
正論そのものだ。
孫崎亨氏は著書『日本の国境問題』(ちくま新書)
でも、日中双方の主張を丹念に、そして冷静に比較検討している。
政府に求められる姿勢はこれである。
やみくもに「尖閣は日本のもの」と叫び、「領有権問題は存在しない」と言い通しても、意味はない。
日本の対米従属主義者が頼りにする米国はこの問題にどう対応しているのか。
米国は「尖閣領有権問題が存在する」ことを一貫して明示し続けている。
1971年の沖縄返還協定に際して、米国が尖閣の日本領有を明確にして、尖閣施政権を日本に返還していたなら、尖閣領有権問題はまったく異なる推移を辿ってきているはずである。
日本の尖閣領有権が国際社会において、広く認められてきた可能性が高い。
ところが、肝心の米国が、沖縄返還に際して、尖閣領有権については、日本と中国のいずれの側にも立たないことを明示したのである。
対米従属派が頼りにする米国が「尖閣領有権問題が存在する」との立場を明確にしてきているのである。
孫崎亨氏が著書で紹介する原貴美恵著『サンフランシスコ平和条約の盲点』には、米国が日本と周辺国の友好関係を阻止するために地雷を埋め込んだとの見方が示されている。
尖閣領有権を強く主張する人々は対米従属派なのだから、中国に文句を言う前に、米国に文句を言うべきだろう。
「尖閣領有権問題は存在しないのに、領有権問題が存在するかのような見解提示は困る」と。
しかし、これらの対米従属派の人々が、米国に、きちんと言うべきことを言ったのを見たことがない。
2012年4月に鳩山元首相はイランを訪問し、アハマディネジャド大統領と会談した。
鳩山元首相がイランを訪問した背景には、米国のオバマ大統領がイラン問題に重大な関心を寄せているという背景があった。
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