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http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20130630-00026092/
2013年6月30日 18時30分 児玉 克哉 | 三重大学副学長・教授
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は6月22、23両日に電話による合同世論調査を実施しています。参議院選挙を前にして参考になる数字が並びます。
まず、内閣支持率です。安倍晋三内閣の支持率は60・7%となり、5月25、26両日実施の前回調査(65・6%)から4・9ポイント減少しています。確かに一時よりも安倍内閣への支持の熱気は冷めつつあるようです。ただ落ちたといっても60%を超えているのはすごい数字と言えます。投開票まで1か月を切り、約3週間。よほどのことがなければ、支持率が急落することはないと思えます。
今回の調査で面白いのは、従来の電話調査とともにネット調査も行われたことです。参院選の比例代表で、どの政党、候補者に投票するかについては、電話調査は自民42・2%、民主8・4%、公明6・7%、日本維新6・5%、みんな4・6%などとなりました。圧倒的に自民党が強いです。日本維新の会がこれまでの高支持からかなり落ちて、4番手となっています。民主党はかろうじて2番手となっています。非自民の票の行き場がなくなっているともいえます。みんなの党も非自民のうけ皿となるほどの支持は受けていないことがわかります。
ネット調査を見てみましょう。ネット調査では自民が34・6%でトップで、2位は維新の7・7%、民主6・8%、みんな5・7%と続いています。ネット調査では比較的に若い世代が多く、いわゆる浮動票の行方を見る時には意味がありそうです。
実際に投票行動では、高齢者の投票率が高いこともあり、今のところは電話調査のデータの方がより結果に近くなるのではないかと思います。電話調査の数字からすると、自民党が圧勝します。前回と異なり、民主党は浮動票層にも支持が弱く、かろうじて2番手のポジションを確保できるかどうか、ということになります。都議選では公明党、共産党につぐ4番手になるという驚くほどの結果になりました。国政選挙となると労働組合の支持を受ける民主党はそこまで落ちるとは思いませんが、それでも惨敗が予想されます。日本維新の会は退潮は続いています。とはいえ、政党への投票意向では民主党とそれほど差がない状態です。橋下氏のメディアへの影響力は依然として高いことは確かです。選挙前になんらかの「サプライズ」があるかどうか、です。といっても野党の一つでしかないので、できることは限定されます。あるとしたら、本人の出馬くらいでしょう。これも今となってはほとんど確率はないでしょうし、あっても大きく結果を変えるほどの効果はないでしょう。
7月予定の参院選で最も重視する政策は、電話、ネットの両調査とも上位の並びは同じで、景気・経済対策(電話32・1%/ネット40・7%)、社会保障(27・1%/15・6%)、外交・安全保障(7・6%/8・8%)の順だったといいます。アベノミクス効果を後3週間、期待できる状態にあるかどうか、です。懸念材料は中国経済。私は2〜3年はまだ大丈夫だと思っていますが、最近、危険信号がともっていることも確かです。日本経済へ大きく影響する経済ショックがあれば、状況は変化しますが、おそらくアベノミクスへの期待が続く状態で参議院選挙となるのではないかと思います。
現時点での私の参議院選挙の議席の予想をしてみましょう。選挙区での情勢や世論調査の結果にこれまでの票の出方の傾向などを加味したものです。自民・公明で過半数をはるかに超えることになります。非改選と合わせた全体でも過半数を超えて、久しぶりの衆参のねじれのない政権運営となりそうです。これがいいかどうか。国民の審判がもうすぐ下されます。
自民党 選挙区 48 比例区 20 計68
公明党 選挙区 4 比例区 8 計12
民主党 選挙区 10 比例区 5 計15
維新 選挙区 5 比例区 4 計 9
みんな 選挙区 5 比例区 4 計 9
生活 選挙区 0 比例区 1 計 1
共産 選挙区 1 比例区 5 計 6
社民 選挙区 0 比例区 1 計 1
改革 選挙区 0 比例区 0 計 0
みどり 選挙区 0 比例区 0 計 0
児玉 克哉
三重大学副学長・教授
三重大学副学長・人文学部教授、国際社会科学評議会理事。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。
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