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2013-06-29 陽光堂主人の読書日記
エドワード・スノーデン氏の落ち着き先は未定ですが、亡命先の一つに挙げられているエクアドルに対し、米国は脅しをかけています。免税措置を禁止するというもので、「時事ドットコム」は昨日付でこう報じています。
(http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013062800508)
エクアドルへの免税措置停止も=米政府「更新の是非検証」
【ワシントン時事】米通商代表部(USTR)のフロマン代表は27日、南米エクアドルからの一部輸入品に適用されている免税措置更新の妥当性の審査に入ったと表明した。エクアドルは、米当局による情報監視活動を暴露して訴追された元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者の亡命申請先で、米議会内では同国が亡命の受け入れを決めた場合には免税措置を更新しないよう求める声が出ていた。
USTRが見直し対象としたのは、途上国の経済発展支援のため一部輸入品の関税率を引き下げる一般特恵関税制度(GSP)に基づく、エクアドル製品への免税措置。26日には上院外交委員会のメネンデス委員長が声明で「悪行をする国に報酬は与えない」として、亡命申請への対応次第では免税措置を停止すべきだとの考えを示していた。
一方、エクアドル政府は27日、「われわれは脅しには屈しない」として、一部の関税優遇特権の放棄を表明し、米国との対決姿勢を強めている。
相変わらずの棍棒外交で非常に解りやすい。エクアドル政府がどこまで突っ張れるかですが、南米は米国の縄張りですから、本来なら入国してもらった方が対処し易いはずです。強引に押し入るという得意技が使えるわけですから。
そうならないように圧力をかけていることになりますから、別の意図があると考えざるを得ません。スノーデン氏は未だにモスクワの空港にいると見られますが、駐露エクアドル大使館は至近距離にあり、ここに駆け込むことを米国は恐れているのでしょう。
ウィキリークスのジュリアン・アサンジは、ロンドンのエクアドル大使館に匿われていますが、このウィキリークスがスノーデン氏の世話を焼いていますから、こうしたシナリオが練られていたとしても不思議ではありません。本人の意向はともかく、ロシア国内が一番安全ですから、隙を見てエクアドル大使館へ逃げ込むかも知れません。
ロシア当局はスノーデン氏から情報を入手しているはずで、膠着状態が長引けばロシア側に一層有利になります。米国は歯噛みしていることでしょう。
脅しをかけたUSTRのフロマン代表とは、日本もTPP問題でやり合うことになりますが、こうした強面と対決できるとはとても思えません。政府はTPP政府対策本部要員を70人から113人に増強し、コメや牛肉など農産品の重要5分野を関税撤廃の交渉対象から除外するよう要請するとしていますが、これは選挙対策用のポーズに過ぎません。
TPP交渉の次回の会合は7月15日〜25日にマレーシアのコタキナバルで開かれますが、日本が参加するのは米国の承認手続きが終わる23日午後からです。参院選の投票はその前の21日に設定されていますから、既に結果は出ています。
安倍政権は参院選が終わるまでは強気の交渉を装うでしょうが、実際には100%譲歩して国民をガッカリさせることになります。参院選で過半数を制してしまえばやりたい放題ですから、批判されようが支持率が下がろうが関係ありません。米国のご機嫌取りに邁進するに決まっています。
それどころか、参院選後の支持率の低下を予測して、後継内閣の顔ぶれまで密かに決められているかも知れません。安倍は米国の不興を買っていますから、TPPの不始末で辞任させることができれば、日米双方にとってもっけの幸いです。
安倍が退任すればアベノミクスも終焉となり、悪評だけが残るという展開もあり得ます。所詮使い捨てですから本人はそれでよいとして、振り回され損失を押し付けられる国民はたまったものではありません。日米両国を牛耳る悪党どもを追放殲滅しない限り、この理不尽な構図は続くことでしょう。
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