http://www.asyura2.com/13/senkyo149/msg/906.html
Tweet |
日本は世界の孤児になりつつあるのではないでしょうか。少なくとも安倍内閣になってから、東アジアにおける日本の存在は完全に浮き上がってしまい、周辺諸国から無視されるようになっているように思われます。国賓として中国を訪問した韓国の朴槿恵大統領は習近平国家主席と会談し、戦略的協力パートナーシップ関係の強化と北朝鮮の非核化に向けての協力で合意しました。また、共同声明の中で両首脳は、「最近、歴史問題などにより(北東アジアの)国家間の対立と不信が出現し、状況はさらに悪化している。これに対し、憂慮を表明する。国家間の信頼と協力を構築するために努力する」として、日本を念頭に歴史問題に憂慮を示しています。
このような形で韓国の大統領が就任後、日本より先に中国を訪問するのは初めてのことです。それは朴大統領が北東アジアの政治的対立が解消されない原因は日本にあるとの認識を中国と共有することを望んでいたからだとされています。共同声明で示した「憂慮」が日本を念頭に置いたものであることは明らかです。直接の日本批判を避けたのは米国に対する配慮が働いたためだとされていますが、朴政権が日米韓の枠組みではなく、米中韓の枠組みを選択したことを意味するもので、今後、歴史認識などをめぐって中韓が連携して日本を非難する場面が増えそうだと観測されています。
一方、韓国に「突出した日本批判を避けるよう強く働きかけてきた」とされるアメリカですが、安倍内閣になってからの日本に対する扱いは急速に冷却化しているように見えます。安倍首相の訪米は内閣発足後から2ヵ月以上も待たされ、日米首脳会談は昼食を挟んでたったの1時間半にすぎませんでした。イギリス・北アイルランドでのG8サミットでは首脳会談さえ断られてしまい、立ち話しかできませんでした。その直前に行われた米中首脳会談は、2日間にわたって8時間もの長さだったというのに……。
民主党リベラル派のオバマ大統領は、共和党の極右グループであるティー・パーティーのような右翼的な言動を繰り返している安倍首相とは話が合わず、会談を避けているように見えます。米議会も安倍さんの国粋主義的で時代錯誤な発言に辟易しているということでしょうか。
北東アジアにおいて北朝鮮の非核化に向けた包囲網を形成すべき時に、日本が孤立して米中韓の包囲網ができてしまったということになります。その原因は、領土問題だけでなく歴史認識問題や日本の「右傾化」に対する警戒感の高まりにあり、その最大の責任は安倍首相本人にあります。小野寺防衛相はアジア安保会議で「日本の右傾化」について弁解しましたが、それならどうして、安倍首相は迷彩服にヘルメット姿で戦車などに乗ったのでしょうか。航空自衛隊松島基地で戦闘機に乗り、しかも機体番号が「731」であるような写真を撮らせたのでしょうか。田植機を運転しながら「どうしても右に行くってよく言われるんだ」などと、つまらない冗談を言ったのでしょうか。
また、麻生副総理や国会議員も、韓国や中国が問題視していることを知りながら、どうして大挙して春の例大祭で靖国神社を参拝したりしたのでしょうか。とりわけ、麻生さんは、直接、韓国の朴大統領から釘を刺されていたのに、それを全く無視する形で靖国参拝を強行しました。これらの言動は瞬時にして世界中に配信され、日本のイメージを形作ることになります。「右傾化しつつある異質な国」としてのイメージを……。
それは日本にとって大きなマイナスだということが分からないとすれば、政治家失格です。この間の日本の孤立化は、これらの失格政治家の愚かな言動によって深められたのであり、朴大統領の「日本パッシング」と米中韓の枠組みの選択は、その当然の帰結であったと言うべきでしょう。
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2013-06-28
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。