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2013年6月26日 植草一秀の『知られざる真実』
昨晩、鳩山由紀夫元首相、孫崎亨元外務省国際情報局長と会談させていただいた。
香港のフェニクステレビが6月25日に放送した番組内での鳩山由紀夫元首相による発言について、メディアからの取材が相次いでいるとのことだ。
読売新聞はこの内容を次のように伝えている。
「鳩山由紀夫元首相は25日放送された香港のフェニックステレビとのインタビューで、沖縄県の尖閣諸島について、「中国側から見れば(日本が)盗んだと思われても仕方がない」と述べ、同諸島は「係争地である」との認識を示した。
中国政府は、同諸島が日清戦争末期に日本に奪われたとの立場から、「日本が清国人から盗取した一切の地域を中華民国に返還する」とのカイロ宣言を領有権主張の根拠としている。鳩山氏は、「カイロ宣言の中に尖閣が入るという解釈は、中国から見れば当然成り立つ話だ」と述べ、中国政府の言い分に理解を示した。
鳩山氏はまた、同諸島を巡る問題の「棚上げ」について、「文書ではないが、41年前に周恩来首相と田中角栄首相の間で合意したのは事実だ」と主張した。」
産経も読売も、事実を歪曲して報道していると思われる。
私が鳩山元首相から直接聞いた話では、上記の新聞記事は事実とは異なる。
鳩山元首相が述べた内容は、中国が尖閣領有権を主張する根拠について、中国側の言い分の立場に立てば、そのような主張も成り立ち得るとの理解を示したものである。
この問題について、産経新聞は、
「尖閣領有権発言で鳩山氏が「言っていない」と釈明」
との見出しを付けて次ように伝えている。
「鳩山由紀夫元首相は25日夜、香港のフェニックステレビの取材に対し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張する中国に理解を示す発言をしたことについて、都内で記者団の質問に答えた。
「(中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がないとは)言っていない。中国側がそう判断をするという可能性があると申し上げた」と釈明した。」
こうしたマスメディア報道に、事実を歪曲するイメージ報道が存在することに十分な注意が必要だ。
産経新聞が伝えた鳩山元首相の説明が真実に近いものであると思われる。
鳩山氏は、鳩山氏が示したように、
「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」
と述べたのではなく、
「中国側がそう判断をするという可能性がある」
と述べたのであると思われる。
したがって、鳩山氏の取材での受け答えは、「釈明」ではなく、「説明」である。
フジ・サンケイ、読売は鳩山氏を攻撃するが、こうした視野狭窄、偏狭なナショナリズムに基づく姿勢が、日本外交を屈折させて、日本の本当の意味の国益を喪失させる原因になる。
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