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プルサーマル発電をしていた東京電力福島第1原発3号機の原子炉建屋。水素爆発によって破壊された=2012年10月、山本晋撮影 :毎日新聞
プルサーマル再開を米国と密約していた野田民主党政権の衝撃
http://blogs.yahoo.co.jp/hellotomhanks/folder/1513906.html
★「天木直人氏の視点ー(2013/06/25)」★ :本音言いまっせー!
私は6月20日のメルマガ第452号「満期が迫る日米原子力協定が
抱える難題」で、遠藤哲也外務省OBの書いた論説を引用して使用済み
核燃料問題の深刻さを書いた。
すなわち米国は余剰プルトリウムを日本が持つことを許さない。
核兵器製造の危険があるからだ。
しかし日本の現状は国内における核燃料再処理のめどは立っていない。
この矛盾を解決するには無理をしてプルサーマル炉を再開するほかは
ない。
福島原発事故の処理さえできない今の日本で、そんなことが出来る筈
はない。住民の反対を押し切ってそんな事を強行すれば今度こそ反原発
の国民運動が起きる、と。
ところがこのとんでもない事を野田民主党政権が米国と密約していた
というのだ。
きょう6月25日の毎日新聞が衝撃的なスクープをすっぱ抜いた。
すなわち昨年9月、野田政権が決定した新エネルギー環境戦略を説明
するため訪米した大串博志内閣政務官が、米エネルギー省のポネマン
副長官に「プルサーマル発電」の再開をひそかに密約していたというのだ。
毎日新聞が入手した公文書で明かされた大串・ポネマン会談要旨の内容
は衝撃的だ。
ポネマン副長官は、核不拡散に果たした日本の役割を指摘し、
そのリーダーであり続けたいならプルトリウムの蓄積は許されないと
迫っている。
これに対し大串政務官はプルサーマルは今後も維持するとあっさり
約束している。
偶然にもきょう6月25日の朝日新聞は「プルトニウム 頭痛の種」
と題する特集記事を掲げ、核燃料サイクル政策の破たんを指摘してい
る。
問題は安倍自民党政権になっても密約の構造は変わらないことだ。
それどころか安倍自民党政権こそ米国の圧力に従ってプルサーマル
再開を急ぐしか選択肢がないのである。
民主党も自民党も米国に従属して密約を重ね、国民を裏切る。
その意味で民主党政権はまったくダメだったということだ。
原発問題は沖縄問題と同じ構造下にある。
国民に本当のことを教え、国民とともに根本的な解決に取り組まない
限り日本は行き詰まる。
◇
虚構の環:第3部・安全保障の陰で/1(その1) プルサーマル、米に約束
http://mainichi.jp/feature/news/20130625ddm001040039000c.html
毎日新聞 2013年06月25日 東京朝刊
◆虚構の環(サイクル)
◇昨秋、民主政権 国民に説明せぬまま
◇プルトニウム、軍事転用懸念受け
民主党政権の原子力政策策定が大詰めを迎えていた昨年9月、野田佳彦首相(当時)の代理として訪米した大串博志内閣府政務官(同)が米エネルギー省のポネマン副長官に、プルトニウムを普通の原子炉(軽水炉)で燃やす「プルサーマル発電」の再開をひそかに約束していたことが分かった。毎日新聞が入手した公文書によると、日本の保有する軍事転用可能なプルトニウムの量を減らすよう強く迫られた大串氏が「(プルサーマルで)燃やす」と伝えていた。安全性を疑問視する声が多く、東京電力福島第1原発の事故後中断されているプルサーマルの実施が、対米公約になっている実態が明らかになった。
プルサーマルは、軽水炉で燃やした使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムにウランを混ぜた「MOX燃料」を使う。(1)高コスト(2)燃料の融点が下がり溶けやすくなる(3)制御棒の利きが悪くなる−−など経済・安全両面で問題点を指摘する専門家も多い。当初プルトニウムは高速増殖炉で燃やすはずだったが、原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が実用化のめどが立たないことから2009年に導入された。
毎日新聞が入手した公文書は、昨年9月12日の大串、ポネマン両氏による米国での会談内容を記録した公電をまとめたもの。大串氏は「30年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」「核燃サイクルは中長期的にぶれずに推進する」「もんじゅは成果を確認した後研究を終了する」など、政府の「革新的エネルギー・環境戦略」(昨年9月14日決定)に沿った説明をした。
核燃サイクルの推進は、青森県六ケ所村の再処理工場の稼働、つまり使用済み核燃料からのプルトニウム抽出を意味する。「原発ゼロ」で「もんじゅも停止」となるとプルトニウムを燃やす施設が無くなるため、ポネマン氏は「軍事転用可能な状況を生み出してしまう」と安全保障上の懸念を表明。大串氏は「プルトニウムを軽水炉で燃やす計画は継続する」とプルサーマル実施を約束した。
大串氏は取材に対し「誰に面会したのかは外交上言えない。(プルサーマルに関しては)覚えていない」と答えた。エネ環戦略には「安全性が確認された原発を活用」と記載され、プルサーマルへの言及はない。当時経済産業相だった枝野幸男衆院議員は「プルサーマル(と当面稼働させる普通の原発と)を区別していなかった。エネ環でそんなミクロな話はしていない。(私が訪米しても)そう答える」と述べ問題ないとの認識を示したが、国民への説明抜きに対米公約になった形だ。
◇
安倍政権もプルサーマル再開の方針を維持している。毎日新聞は3月1日に経産省が作成し茂木敏充経産相に提出した公文書を入手した。
核燃サイクル政策について「六ケ所再処理工場で再処理を行い軽水炉におけるMOX燃料利用(プルサーマル)を進める」と明記されている。茂木経産相はこの記載内容に沿う形で、3月22日の衆院経産委で「プルサーマルを着実に進めていきたい」と答弁した。
7月施行の新規制基準により、どの原発の再稼働が認められるのかさえ分からない。にもかかわらず、通常の原発に比べ、問題が指摘されているプルサーマル再開方針を推し進める政府。経産省資源エネルギー庁職員は語る。「確かに異常だ。しかし六ケ所を動かすなら仕方がない」
*
再処理工場は19回も完工を延期し、5月にはもんじゅに運転再開準備の停止命令が出された。核燃サイクル政策が一層混迷を深めるなか、国際社会は日本のプルトニウムに厳しい目を向ける。第3部は安全保障を巡る攻防と、その裏でうごめく関係者の実態に迫る。
◇
虚構の環:第3部・安全保障の陰で/1(その2止) 再処理、砂上の楼閣
http://mainichi.jp/feature/news/20130625ddm003040103000c.html
毎日新聞 2013年06月25日 東京朝刊
◇「六ケ所稼働率ダウンを」 原子力委、異例の提言
訪米した民主党の大串博志内閣府政務官(当時)がプルサーマルの再開を約束してから半年。長年、核燃サイクル政策を推進してきた内閣府原子力委員会で厳しいやり取りがあった。
3月26日の原子力委定例会議。電力10社で作る電気事業連合会の小田英紀原子力部部長は「16〜18基でのプルサーマル導入を目指す」と述べた。本命だった高速増殖炉は実現しておらず、再処理で取り出したプルトニウムを燃やすには、プルサーマルしか選択肢はない。事業者側は東京電力福島第1原発の事故前から「16〜18基で実施する」と説明しており、小田部長の発言はこれに沿ったものだ。
鈴木達治郎委員長代理は「実現するかどうか非常に不透明」と指摘した。元々立地自治体の反発が強く、プルサーマルの実施例は福島第1原発3号機(廃炉決定)を含む4基にとどまり、現在はすべてストップしているからだ。鈴木氏は「個人的提言」と断ったうえで「(プルトニウム)利用の見通しを明確にし、その見通しの上で再処理をする方向で検討してほしい」と発言した。「プルトニウム利用」とはプルサーマルのこと。「燃やす見通しの立った分だけプルトニウムを取り出すべきで、順調に燃やせないなら、その分再処理のペースをダウンすべきだ」という意味だ。内閣府関係者は「国が再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働率を落とすよう勧告したのは初めて。それだけ厳しい状況だ」と指摘する。
再処理工場が稼働すると年800トンの使用済み核燃料が再処理され、約8トンのプルトニウムが抽出される。工場の稼働年数は40年だから計約320トンのプルトニウムが生み出される。これは長崎型原爆5万発以上に相当する量だ。
◇
プルサーマルには大きな問題がある。使用済みになった燃料(使用済みMOX燃料)は熱量が高く、通常のウラン燃料に比べ取り扱いが難しい。毒性も強く使用済みウラン燃料用に設計された六ケ所村再処理工場では再処理できず、別の工場、つまり「第2再処理工場」が必要だ。第2工場を建設できない場合、使用済みMOX燃料はプルサーマルを実施した原発の敷地内に置き続けるしかない。
プルサーマル受け入れを求められた自治体は、この点に不安を抱き続けてきた。2009年1月、松江市で開かれた中国電力島根原発2号機を巡る住民説明会。経済産業省資源エネルギー庁職員は「45年ごろに第2再処理工場の操業を開始し、回収されるプルトニウムは高速増殖炉で再利用する」と説明した。松江市は同3月、使用済みMOX燃料の市外への搬出を国に強く要請したうえで受け入れを決めた。
しかし、国が第2工場について具体的な計画を示したことはない。直近の原子力政策大綱(05年策定)にも「(第2工場は)10年ごろから検討を開始する」と記載されているだけだ。
取材班は04年に経産省職員が作成した非公開の内部文書を入手した。そこにはこう記載されている。「原子力委と経産省資源エネルギー庁は『第2工場は宙ぶらりん』で合意(密約)している」。文書作成に関与した関係者が解説した。「2兆円以上投じた六ケ所がトラブル続きで動かないのに、第2工場なんて建設できるはずがない。ただプルサーマルが止まると核燃サイクルが破綻する。だから、国としては『ずっとあいまいにしておこう』ということ。今もまったく同じだ」=つづく
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この連載は小林直、高島博之、小倉祥徳が担当します。
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◇大串・ポネマン会談(要旨)
大串博志内閣府政務官(当時)と米エネルギー省のポネマン副長官の昨年9月12日の会談内容は次の通り。(敬称略)
大串 日本は原発のあり方について今週中にも決定する。決定の大枠を申し上げる。2030年代に原発稼働ゼロを可能とするようあらゆる政策資源を投入する。核燃サイクルについては「中長期的にぶれずに推進する」という、使用済み核燃料の受け入れの際に青森県と交わした約束を尊重する。従って六ケ所村の再処理工場については完工に向けて進めていく。(高速増殖原型炉)もんじゅについては、研究炉とし成果を確認した後に研究を終了する。
ポネマン 今伺った話の中には重大な内容が含まれている。第一は人材への影響。未来が原発ゼロであれば、そのような分野に入る人材はいないであろう。2点目は核不拡散に関して。六ケ所は稼働し続けてプルトニウムが分離される一方、もんじゅを研究施設とし原発もゼロになるのであれば、プルトニウムが日本国内に蓄積され、軍事転用が可能な状況を生み出してしまうのではないか。核不拡散に関して、日本はこれまでリーダーとして数十年にわたって世界の議論をけん引してきたが、今後もリーダーであり続けられるのか。見直しを行えるよう最大限の柔軟性を確保していただきたい。
大串 柔軟性を持つことは決定に盛り込む。人材については廃炉、再処理、除染などで人材・技術の維持が重要と認識している。青森との関係でサイクル政策は変更しないが、一方で国際社会との関係で責務を果たしていく考え。昨日野田佳彦首相(当時)から「核不拡散の責務についてはしっかり果たしていく」との言葉を預かってきたのでお伝えしたい。
ポネマン プルトニウムが日本国内に発生する中、どのように核不拡散のリーダーとしての地位を維持するつもりか。
大串 プルトニウムを軽水炉で燃やす計画(プルサーマル)は今後も維持する。野田首相の不拡散に関する約束は明らかであり、具体策は米国と協議しながら検討していきたい。
ポネマン 丁寧に説明していただき感謝する。
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