★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK149 > 757.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
根拠なき期待感  田中 良紹 
http://www.asyura2.com/13/senkyo149/msg/757.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 6 月 24 日 20:26:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20130624-00025932/
2013年6月24日 17時22分  田中 良紹 | ジャーナリスト


東京都議会選挙は極めて不愉快な選挙であった。自公が圧勝したからではない。来月行われる参議院選挙の前哨戦と位置づけられ、東京都政を巡る争点が何なのかさっぱり分からぬまま投票させられたからである。

参議院選挙の「ねじれ」解消しか頭にない与党は、地方自治とか言いながら、都議選を参議院選挙に利用する事を考えた。アベノミクスを前面に掲げて国政選挙並みの応援体制を取り、メディアには「参議院選挙の前哨戦」を枕詞のように繰り返させた。するとそれに乗せられた野党がアベノミクス批判を繰りかえす。こうして東京都が抱える問題は脇に追いやられ、まるでアベノミクスへの期待感を問うような選挙となった。

その結果は、第一に低投票率、第二に自公の圧勝と民主の惨敗という昨年の総選挙とよく似た結末である。自民党は候補者全員が当選したから議席の上では大勝利だが、それではアベノミクスが大差で信任されたかと言えば、それがそうとも言えない。アベノミクスはまだ実現されておらず「ほんわか」とした期待感が続いているだけである。その「ほんわか」とした期待感で争点とすべき現実の課題が覆い隠された。

今回の都議選で自民党の石破幹事長は「積極的な勝利ではない」との認識を示したが、それは昨年の総選挙から続いている傾向である。昨年の総選挙で自民党は議席の上では大勝利を収め政権交代を果たしたが、得票数は政権を失った09年の選挙より少なかった。少ない票数でも勝ったのは民主党に対する失望がそれを上回ったからである。その民主党に対する失望は今回にも引き継がれている。

民主党が自滅したのは国民が政権を託したマニフェストを民主党自身が否定したからである。国民の理解を得て政策を変更するならともかく、強引に三党合意に持ち込んだ経緯は国民に対する背信行為である。そこを自公両党に突かれ、解散して国民に信を問う事になったが、自民党は巧妙にも三党合意の当事者を引っ込め、それまでとは異質の政策を主張する安倍晋三氏を押し立ててアベノミクスなる新自由主義を打ち出してきた。

これに海外の投機マネーが反応し、円安・株高が進んだことで国民は根拠のない期待感を抱かされる。何よりも三党合意による増税という「重苦しい」政策よりも、マネーが動き始めたという実感によって「明るい」気持ちにさせられた。しかしこれで日本がデフレから脱却できるのか、財政が破たんする事にはならないのか、世界中誰にもわからない。分からないから関心を集めている。

円高・株安は安倍内閣の支持率を押し上げ、その傾向はまだ続いているが、しかし先月以来分かってきたことがある。ひとつは参議院選挙を意識して作成した「成長戦略」では市場が納得しない事。もう一つは円安も株高もアベノミクスだけではどうする事も出来ないという事実である。アメリカのFRBが金融緩和の出口戦略を探り始めた途端に株式市場は乱高下をはじめ、また長期金利も日銀の思惑とは異なる動きを見せ始めた。

安倍政権は市場を操る大きな力の上で泳がされることになった。それが日本の国益を損ねる事にならないのか。しかし安倍総理は「これしかない」と脇目も振らずに直進する構えである。目の前の参議院選挙を乗り切るには「ほんわか」した期待感を先送りするしかなくなった。

秋にさらなる成長戦略を打ち出すと言うが、なぜ早く打ちださないのか。期待感をつなぐことでしか支持率を維持できないと思っているからである。そして参議院選挙さえ乗り切ればその後3年間は選挙をやらなくとも良くなるので、そこで念願の憲法改正に取り組もうとしている。しかしそれは薄氷の上を歩くのに似て、市場の動きにいちいち足を取られる恐れがある。

それにしても今回の民主党の選挙運動を見て唖然とした。よせばいいのに政権を失わせたA級戦犯ともいえる元代表たちが選挙応援に乗り出したのである。有権者の期待をあれほど裏切った面々の顔を有権者は忘れていない。議員辞職をして謹慎するか、最低1年は座敷牢に入っておとなしくしているかと思ったら、最も見たくない顏が堂々と街頭に出てきた。民主党マニフェストを破り、自公と手を組んだ張本人がぬけぬけと自公批判をする。これでは逆効果である。

考えてみれば前回の参議院選挙で民主党が大勝し、政権交代に王手がかかった時、国民が抱いた期待感も根拠のないものであった。私は半世紀以上政権交代がなかった国で、権力中枢の内部構造を知らない民主党が簡単に政権運営できるとは思っていなかった。そのため一時的に自民党と大連立を組むことで政権移譲をスムーズにする方が賢明だと思っていた。

小沢一郎氏が福田康夫総理に持ちかけた大連立構想には、明治維新に先駆けて坂本龍馬が抱いていた大政奉還後の公武合体案に似たものを感じたが、民主党の中にそれを理解する政治家はおらず、力で政権交代を成し遂げることになった。そうなれば権力を奪われる側も黙ってはいない。前代未聞の検察捜査となって小沢氏を襲い日本の民主主義に致命的な傷跡を残すことになった。

そして案の定、国民の民主党に対する根拠なき期待感は裏切られ、次に国民はアベノミクスなる新自由主義政策への根拠なき期待感に踊らされている。そしてその間に政治は期待感をつなぐことが政治の要諦だと考えるようになり、極めて危なっかしい道を歩くようになった。

これらは政権交代が普通の事になる前の段階の現象である。国民が政治に求めるべきは根拠のない期待感ではなく、地に足を付けた現実の変更である。それを考える時に来ている。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2013年6月24日 20:32:43 : 7oSKGju5kA
> それにしても今回の民主党の選挙運動を見て唖然とした。
> よせばいいのに政権を失わせたA級戦犯ともいえる元代表たちが選挙応援に乗り出したのである。
> 有権者の期待をあれほど裏切った面々の顔を有権者は忘れていない。
> 議員辞職をして謹慎するか、最低1年は座敷牢に入っておとなしくしているかと思ったら、
> 最も見たくない顏が堂々と街頭に出てきた。
> 民主党マニフェストを破り、自公と手を組んだ張本人がぬけぬけと自公批判をする。
> これでは逆効果である。

まさに此れに尽きる…


02. 2013年6月24日 20:41:18 : JCPdMMA6nI
>よせばいいのに政権を失わせたA級戦犯ともいえる元代表たちが選挙応援に乗り出したのである。
>最も見たくない顏が堂々と街頭に出てきた。


有権者の気持ちを逆撫でする効果しかなかっただろうな。
いったいいつになったら民主党はほんとうに反省してほんとうに出直せるのか?
このままではむしろ消滅したほうがいいのではないか?
小沢氏もマスゴミのお陰でマイナーイメージが焼きついてしまった。
よって生活の党もとうぶんはダメだろう。得票能力はないということだ。
生活の党も解体、民主党も解体して、ほんとうに自民以外の受け皿になれる第二党を結成するしかない。
それには民主党の戦犯を入れてはダメだし、残念だけど小沢さんを入れてもダメ。
小沢さんはちっとも悪くないのだけど、国民にそれをしみこませる余裕がない。
対自民勢力がすぐに必要なのだ。
だれかが動かなければならないのに救い主があらわれてこない。
それがこの国の悲劇だ。


03. 2013年6月24日 20:42:02 : BMNrpCoLvw
前回ではなく、前々回だけどな。

田中はこの手のミスが多いのが致命的。


04. 2013年6月24日 20:48:00 : OIxNYWfJog
>そうなれば権力を奪われる側も黙ってはいない。前代未聞の検察捜査となって小沢氏を襲い日本の民主主義に致命的な傷跡を残すことになった。

無茶苦茶言いよるね。
不正捜査をさせないために連立した方が良かったとは。


05. 2013年6月24日 21:30:03 : xdComoKHeQ
> 参議院選挙の「ねじれ」解消しか頭にない与党は、地方自治とか言いながら、
> 都議選を参議院選挙に利用する事を考えた。
> アベノミクスを前面に掲げて国政選挙並みの応援体制を取り、
> メディアには「参議院選挙の前哨戦」を枕詞のように繰り返させた。

変だなと感じたのは自分だけではなかったようだ。

NHKも都議選の選挙結果を国政選挙の如くに扱ってなかったか?
全国に延々流す必要なんてあるんかい?
最近、NHKのアナウンサーや解説委員の顔が
尤もらしいことを言うだけのバカ顔に見えるようになった。

>>01

も指摘してるように民主党ってのは人の気持ちが
分からん人種の集まりなんかね。


06. 2013年6月24日 23:35:48 : Gkwa19KE1Y
菅、野田はA級戦犯で万死に値する。


07. KOHCHAN 2013年6月25日 15:53:05 : pou8BwGetTaKE : dVBpxRvYt2
>民主党が自滅したのは、国民が政権を託したマニフェストを民主党自身が否定したからである。
>(都議会選挙における)今回の民主党の選挙運動を見て唖然とした。よせばいいのに政権を失わせたA級戦犯ともいえる元代表たちが選挙応援に乗り出したのである。有権者の期待をあれほど裏切った面々の顔を有権者は忘れていない。
田中良紹氏の意見に全く同感です。

 反自民勢力は、一日も早く小異を捨てて大道に就くべきと思う。民主党は、
反小沢勢力(菅、野田グループ)を切り捨てて野党勢力糾合の中心を目指すべきだ。新自由主義を推進して日本を弱肉強食の国にしようとする安倍政権、憲法改正に取り組もうとする安倍政権の暴走に歯止めをかけるべきと思う。


08. 「生活党応援団」 2013年6月25日 17:54:22 : gx0s7Tp1IhHJo : 1wHeTQ0XrQ
民主党は分裂を怖がらずに本当の国民政党に脱皮しなければかっての社会党の二の舞となるのは火をみるより明らかであることは海江田には解からない。
本当の国民政党となるにはどうすればいいか解からない?
それは簡単なことだ。生活の党の綱領、政権公約を参考にすればどうですか。
分裂を恐れずと書いたが、まともなことを言えば野田、前原、枝野、岡田、玄葉、管
は自民党か維新に鞍替えするはずだ。

09. 2013年6月25日 19:47:25 : ZrMDpsyito
民主党は早く分裂しろ。
野田豚、空き缶、馬鹿原、銭獄らは維新の会にくれてやれ。

10. 2013年6月25日 23:10:51 : tpNHxrSgQQ
新銀行東京・築地移転問題をうやむやにして
在日朝鮮人アへの詐欺のミクスを焦点に持ち上げた読売・産経の嘘つきメディアの洗脳にコロッとだまされた東京都民は愚かだ

11. 2013年6月26日 17:49:38 : DOuJW0Vd7g
私の見た所、民主党は政権についてよりことごとく公約を破つて、つずまりは、自民党の補完勢力的政党に成り下がつた。惨敗に次ぐ惨敗は仕方ない。「核武装のためには原発再稼動が必要だ」とか、「現憲法を廃棄」して、「強靭でしたたかに対外戦争のできる国作り」とか「平和主義や国民主権や自由と人権。民主主義は日本にふさわしくない」という自民党タカ派並みの戦争をめざす、クズ議員たちがうようよ居る政党が民主党と私は見ている。原発についても、電力総連系議員など民主党内のかなりの議員は原発再稼動に動いているのではなかろうか?。民主党が消滅し命かけて、「反戦平和や国民主権や自由人権や民主主義」のために、自民党と仮借なく戦う真の野党の出現に期待したい。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

 次へ  前へ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK149掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK149掲示板
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧