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2013年6月24日 植草一秀の『知られざる真実』
東京都議選で自公が圧勝した。
民主と維新は惨敗である。
結果は予想通りのものだった。
日本維新の会は、事前の発言通り、橋下氏が辞任してけじめをつけるべきだ。
橋下徹氏が辞任せずに済むように、勝敗ラインを現有議席3の維持に大幅に引き下げた。
これにも届かず、2議席となったのだから、橋下徹氏は潔く辞任するべきだ。
メディアは日本維新の会の「惨敗」を大きく報道するべきだし、橋下氏の進退問題をクローズアップさせるべきだ。
ところが、メディアは、この問題を大きく取り上げない。
これが生活の党の問題であるなら、代表辞任論を一斉に大報道するだろうが、日本維新の会の場合には、この報道を封じ込める。
日本のマスメディアの偏向ぶりは目を覆うばかりで、このマスメディアが日本政治を著しく歪めていることは明白である。
都議選の「真相」を明示しているのが、投票率の低さだ。
43.5%の投票率は有権者の半分も選挙に行っていないことを意味する。
その最大の理由は、投票したい候補者が立候補していなかったことにある。
日本政治をいま席巻しているのは、自公+みんな維新である。
維新は化けの皮がはがれて失速中だが、対米隷属=米官業トライアングルのための政治を追求する政治勢力が跋扈しているのがいまの日本政治。
有権者の半分は、反・自公みんな維新である。
ところが、反・自公みんな維新勢力が結束していない。
政党で言えば、生活・社民・みどり・共産がこの勢力に位置付けられる。
民主のなかには、この主権者勢力に位置する候補者がいるが、民主全体が既得権益の側に寝返っているので、大半の有権者は民主には投票したくないとの考えを有している。
問題は、この反・自公みんな維新勢力が結束して統一候補者を擁立できなかったことだ。
このなかで、共産党は多数の候補者を擁立した。
その結果、主権者の多数が、反・自公みんな維新勢力の候補として唯一立候補した共産党候補者に投票した。
反・自公みんな維新であるが、共産党には投票したくない主権者は投票を棄権した。
この結果、投票率が50%を下回る一方、共産党が獲得議席を倍増させた。
この結果から、次の三つのことが言える。
第一は、維新の橋下徹氏は、選挙前の公言通り、代表を辞任するべきだ。
大阪府知事の松井一郎氏は、勝敗ラインを3議席確保に設定し、敗北すれば責任問題が生じることを明言していた。
政治家は自分の言葉に責任を持つべきである。
橋下氏の辞任を潔く決定するべきだ。
第二は、主権者が投票所に足を運ばないことが、間接的に安倍政権を支援することになることだ。
主権者の半数は、安倍政権の政権運営を支持していないと思われる。
しかし、投票所に足を運んでも、投票したいという人が立候補していない。
このために、多数の棄権者が発生した。
しかし、この行為が、自公両党に著しいプラスとして作用した。
参院選では、選挙区の投票以外に比例選がある。投票所に足を運ばないと、比例代表選挙での議席を獲得できない。
必ず選挙に参加しなければだめだ。
第三は、反・自公みんな維新勢力の選挙協力が極めて有効であることが判明したことだ。
反・自公みんな維新勢力で、共産党だけが候補者を擁立した選挙区で、共産党が多数の議席を確保した。
つまり、反・自公みんな維新勢力が共闘体制を構築すれば、大きな力になることが立証されたとも言える。
参院選で、反・自公みんな維新勢力で共産党だけしか候補者が擁立されていない選挙区では、反・自公みんな維新が結束して共産党候補を支援する。
参院選の場合、47選挙区のうち、31選挙区が1人区、10選挙区が2人区だから、共産党単独では議席確保が難しい。
しかし、反・自公みんな維新勢力が共闘すれば、議席確保も不可能ではなくなるはずだ。
逆に、共産党以外の候補者が立候補している選挙区では、反・自公みんな維新勢力が話し合いを行い、候補者の一本化を実現するべきだ。
時間的に調整が難しいだろうが、こうした選挙協力がないと、主権者の投票の大半が死票となってしまい、民意とかけ離れた、自公による日本政治支配の構造が強固にされてしまう。
共産党は都議選結果を踏まえて、反・自公みんな維新勢力の大同団結の重要性を正しく認識するべきだと思う。
他方、生活・社民・みどりが現在のように多党分立では、すべてが共倒れになる。
これこそ、「三本の矢」が束になって力を合わせることが重要である。
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