http://www.asyura2.com/13/senkyo149/msg/670.html
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アベノミクスの骨太の方針が6月13日に公表され、過大に宣伝されていた成長戦略が出尽くした。
それは総花的で新鮮味に欠けるものであり、結局は、さらなる法人税減税、国家戦略特区(免税)、TPP参加(免税)などの企業税負担軽減と、社会保障費の効率化(福祉削減)、消費税増税による国家への国民奉仕を強いるものであり、国民へのタカリ以外の何者でもない。
日本同様に飛躍的産業発展をしたドイツの戦後は、ナチズムの反省から官僚行政、政治立法、そして司法に至るまで国民への国家奉仕を明言し、基本法では人間の尊厳厳守を第一に掲げた。
そのためドイツでは、非人間的なベルトコンベア方式の大量生産が批判され、労働者自身が仕事の進め方を決め、グループ作業によってマイスターの下で連帯して働く方式(ボルボ方式)が採られた。
またドイツは戦前からの世界を圧巻する技術過信によって、家電などの分野で日本などの量産技術が進むにつれて窮地に追い込まれて行った。
特にライカやコンタックスで世界に名を轟かしたカメラ部門の苦戦は著しく、70年半ばにはドイツカメラ産業は壊滅した。
その際ドイツ政府は税負担の控除や補助金で延命を計るのではなく、ボルボ方式で培われた技術を生かし、多分野への付加価値品製造に道を求めた。
すなわちその開発にあらゆる支援をし、大学だけでなく職業教育を無料化し、社会全体の創意工夫で窮地を乗り越えた。
その成果は、例えば71年にカメラ生産から撤退したカール・ツァイス社は、高度なレンズ技術を生かし多様に分岐し、天体観測機器、手術用顕微鏡、視力機器、マイクロエレクトロニックシステム、三次元測定機器、超LSI製造機器などの様々な分野で世界をリードしている(注1)。
現在の日本も既に日本の量産技術に支えられた産業は、ボトム競争から新興国や途上国に移りつつあり、どのように国民の血税で支援しても、時代の流れには逆らえない。
現在の日本の採るべき道は、福島原発事故の教訓を生かし、脱原発を通して未来に向けた新しい産業の興隆であり、そこにこそ本当の成長戦略があるべきだ。
しかし既得権益を求める原子力ムラと呼ばれる巨大利権構造が、風力発電や地熱発電などの湧き上がる活力を削いでいる。
それは、2013年3月10日シュピーゲル誌「福島原発事故後の総括・・・日本のエネルギー転換が停滞する理由」の指摘からも明らかである(注2)。
その記事にあるドイツ公機関のドイツ航空宇宙センターの試案では、日本は2010年代末までにエネルギーの40パーセントを再生可能エネルギーにすることも可能であり、2050年には85パーセント可能だと明言している。
そのような希望溢れる試算は、日本にこれまで培われてきた技術を通して、新しいエネルギー産業興隆への潜在能力があるからに他ならない。
そのような新しいエネルギー産業の興隆は、風力発電機製造のように地域で何万種の部品製造を必要とすることから、自ずと地域活性化を実現し、本質的な日本の財政健全化をもたらすものである。
まさにそれこそが、タイタニック日本の救世主である。
時代にそぐわない産業のスクラップ・アンド・ビルドによる新しい産業転換への意図があれば、企業の税負担軽減は創意工夫努力を求めることで不要となり、大学教育や職業教育の無料化で新しい産業の興隆を支援すれば、日本社会全体に活力が蘇ってくるからだ。
(注1)
このカール・ツァイス社は今でこそ3万人の従業員を抱えるドイツの代表的大企業であるが、1846年にチュウリンゲン州の古い大学町イェーナに創設された当時は従業員僅か10人の中小企業であり、レンズ一筋に不断に技術開発をすることで発展してきたと言える。またサンルーフのウェバスト社(WEBASTO)、高圧洗浄器のケルヒャー社(KARCHER)、ドア製品のドルマ社(DORMA)、ベットなどの車輪のテンテ社(TENTE)、印刷機のケーニヒ社(KOENIG & BAUER)、鎖のルド社(RUD)、髭ブラシのミューレ社(MUHLE)など、 全て地域の田舎町で中小企業として創設され、一つの技術一筋に創意工夫で発展し、現在は世界をリードしているのである。
現在ドイツの中小企業は企業数で99パーセントの330万社にも上り、ドイツの全就業者の約7割に職場を提供しいる。しかもこれらの中小企業は日本のように大企業の下請であることはなく、独自の技術を追求し、地域の要となると同時に、カール・ツアイス社のように世界の巨大企業として飛躍することを目指している。
(注2)
http://www.spiegel.de/wissenschaft/technik/nach-fukushima-warum-es-erneuerbareenergien-in-japan-schwer-haben-a-887312.html
Bilanz nach Fukushima福島事故後の総括
Warum Japans Energiewende stockt
日本のエネルギー転換が停滞する理由
Von Christoph Seidler und Heike Sonnberger
Heiße Quellen, steile Berge und an allen Seiten Meer: Japan hat beste
Voraussetzungen für erneuerbare Energien - und setzte doch lieber auf
Atomstrom. Rückwärtsgewandte Stromkonzerne geben sich alle Mühe,
damit sich das auch nur langsam ändert.
温泉、急峻な山地、四方に囲む海。日本は再生エネルギーのための最高の条件を有している。後退する電力企業は、エ
ネルギー転換が遅くなるようにのみあらゆる努力をする。
Man kann die Windrader von Kamisu als Mahnmale dafur sehen, wie Japans
Energieversorgung funktionieren sollte - und als Zeichen dafur, was alles falsch
gelaufen ist. Und was heute noch falsch lauft, zwei Jahre nach der
Reaktorkatastrophe von Fukushima.
神栖市の風力発電は、日本のエネルギー供給をどのように機能させるべきかの記念碑として、そして間違って進行して
いる標識として見ることができる。そして今もまだ間違って進行しているのは、福島原子炉事故の2年後である。
Am 11. Marz 2011 kosteten ein Erdbeben und ein riesiger Tsunami mehr als
15.000 Menschen das Leben und brachten das AKW Fukushima Daiichi an den
Rand des nuklearen Infernos. Doch den Rotorturmen weiter sudlich konnten
die Naturgewalten nichts anhaben. Drei Tage nach der Katastrophe lieferten die
Zwei-Megawatt-Generatoren wieder Energie. Die gefahrliche Nuklearruine wird
das Land dagegen noch Jahrzehnte beschaftigen.
2011年3月11日の地震と津波は15000人以上の命を奪い、福島第一原発を放射能の生き地獄へ追いやった。
しかしながら、福島県の南にある茨城県の洋上風力発電基は自然の猛威で被害を被らなかった。日本はまだ数十年間、
危険な原子力廃墟処理に取り組まなくてはならないが、原子炉事故3日後(神栖市の)2つのメガワットの発電機は再び動き出
している。
Ol, vor allem aus der Golfregion, Kohle aus Australien, Flussiggas aus aller
Herren Lander - und Atomkraft. Das waren traditionell die wichtigsten
Energietrager Japans. Daneben hatten vor Fukushima nur vier Prozent
Erneuerbare Platz. Drei Viertel davon stammten aus Wasserkraftwerken. Dabei
hat Japan beste Voraussetzungen fur die Nutzung alternativer Energien aus
Sonne, Wind, Wellen - und dem feurigen Untergrund, der vielerorts heise
Quellen sprudeln lasst. Doch dieses Potential wurde bisher kaum genutzt -
auch weil sich Politik und Volk nicht dafur interessierten.
とりわけ中近東からの石油、オーストラリアからの石炭、世界中からの天然ガス、そして原発は日本の伝統的に重要な
エネルギー源であった。それに比べて福島事故以前は再生エネルギーの占める(1次エネルギー全体に対する)割合は
4パーセントに過ぎなかった。そのうち4分の3は水力発電に由来していた。日本は太陽、風、波、そして熱い温泉が
湧き出る地熱からの代替エネルギー利用の最上の条件を備えているが、これらの潜在能力はこれまで全くされてこなか
った。何故なら政治と国民はそれに対して無関心であったからだ。
Japan war nach den USA und Frankreich weltweit drittgroster Produzent von
Atomstrom. Profiteure gab es reichlich, die Atomkonzerne waren stets mit
ihren Aufsehern und der Politik eng verbandelt. Argumente gegen den Ausbau
alternativer Energien fand man da reichlich: Man habe keinen Platz, um
Windrader und Solarpaneele im bergigen und dichtbesiedelten Land zu
installieren. Das Wasser vor der Kuste sei fur Offshore-Parks viel zu tief. Und
die bei Touristen so beliebten heisen Quellen, die Onsen, liegen fast alle in
Nationalparks - und durften keinesfalls von Geothermie-Kraftwerken
verschandelt werden.
日本は、アメリカ、フランスに次いで原発の3番目の生産国で あった。利益は莫大であり、電力企業は常にその監視や
政治と固く結びついていた。代替エネルギー建設の反対する議論が多かった。風力発電基や太陽光パネルを山岳で密度
の高い地域に設置する場所がない。海岸の水は海上パークには余りにも深すぎる。旅行者はすべて国立公園にある温泉
が大変すきであり、地熱発電で損なわれてはならない。
Energiekonzerne blockieren Neuerungen
電力企業は刷新を食い止める。
Dabei ist das eigentliche Problem ein anderes: Knapp ein Dutzend regionale
Stromversorger haben das Land unter sich aufgeteilt. Diese Platzhirsche
stemmen sich gegen unerwunschte Neuerungen. "Sie haben kein Interesse an
Wettbewerb, und sie arbeiten auch nicht zusammen", sagt Kosuke Kurokawa,
Chef des Japan Council for Renewable Energy. Der Ausbau der
Stromverbindung zur Nordinsel Hokkaido mit ihren vielen Windradern komme
seit Jahren nicht voran - weil die Konzerne im Suden lieber ihren eigenen
Strom verkaufen wollten.
その際本質的な問題は別にある。すなわち12に満たない地域電力供給者が地方を分割支配していることにある。この独占が、望まない刷新の反対を支えている。再生可能エネルギー協議会代表の黒川浩助は、「彼らは競争に対して無関心であり、一緒に取り組もうとしない」。多くの風力発電を持つ北海道への電力接続は数年前から前進していない。何故なら電力企業はかれらの独自の電力をむしろ南(本州)で売りたいからである。
Noch herrscht vielerorts der Geist von gestern - zumal mit Shinzo Abe wieder
ein Atomfreund in Tokio regiert. "Die vorherige Regierung hat deutlich mehr fur
Erneuerbare getan", klagt Sven Teske von Greenpeace. Dabei liegen die
Blaupausen fur den Umbau des Energiesystems langst auf dem Tisch: Teske
und seine Organisation haben ein Konzept vorgelegt, das auf Berechnungen
des Deutschen Zentrums fur Luft- und Raumfahrt basiert. Danach konnte
Japan allein bis zum Ende des Jahrzehnts mehr als 40 Prozent seiner Energie
aus Erneuerbaren erzeugen. Im Jahr 2050 seien gar 85 Prozent moglich.
まだ多くの点で過去の亡霊が支配している。すなわち安倍晋三と一緒に東京の原子力推進派が復活している。グリンピ
ースのズベン・テスケは、「前政権は再生エネルギーのために多くを行った」と訴える。その際エネルギーシステムの構築の青写真がゆっくりではあるが議論されていた。その際テスケ及びグリンピースはドイツ航空宇宙センターの計算に基づくコンセプトを提言していた。それによると日本は独力で2010年代の末までにエネルギーの40パーセント以上を再生可能エネルギーから製造することができ、2050年には85パーセントが可能である。
Mit garantierten Einspeisevergutungen nach deutschem Vorbild will die
Regierung diesen Zielen zumindest naherkommen. Im Juli vergangenen Jahres
trat dazu ein Gesetz in Kraft. Es verpflichtet die Energieversorger, Strom aus
Erneuerbaren fur einen festgelegten Zeitraum zu fixen Summen abzunehmen.
Das soll Investitionen auf lokaler Ebene ankurbeln.
ドイツの手本に従う保証された供給補償で、政府はこの目標を少なくとも手中にする筈であった。昨年の7月に法案が発行し、決められた期間に再生可能エネルギー電力の一定額引き受けを義務化した。それは地域レベルでも、投資を促進す筈であった。
Bisher profitiert jedoch vor allem die etablierte Solarindustrie. Zu den grosen
japanischen Anbietern von Modulen zahlen Kyocera und Sharp. Sogar Tepco,
der Fukushima-Betreiber, mischt im Business mit. Ende 2011 waren knapp funf
Gigawatt Solarstromkapazitat in Japan installiert - noch einmal so viel musste
nach dem Greenpeace-Plan pro Jahr dazukommen.
とりわけ確立されていた太陽光産業は、これまで利益を得てきた。京セラやシャープはさらに大きな日本のモデル提供で潤うだろう。 いわゆる東京電力も、福島企業体で経営参入している。2011年末には5ギガワット弱の太陽光電力容量を設置している。さらにもっと多く企業が、年間のグリンピース計画に従って参入する筈であった。
Fur die grosen Unternehmen ist die Energie aus der Sonne praktisch, weil sich
die Module schnell installieren lassen und genau dann Strom liefern, wenn es
im Netz Belastungsspitzen gibt. Sorgen um den Bestand der
Grundlastkraftwerke mussen sich die Firmen dagegen nicht machen.
大企業にとって、太陽からのエネルギーは実用的である。何故なら基盤は敏速に設置され、電力網に積算枠が与えられるなら、すぐさま電力を送電するからである。基本積算発電所の在庫量に対して心配があったとしても、電力企業は反対しないからである。
"Debatten, die wir in Europa vor 25 Jahren hatten"
25年前我々がした論争
Das ware eher beim Wind der Fall. Hier waren Ende 2011 landesweit 2,5
Gigawatt installiert. Der Greenpeace-Plan setzt auf einen Zuwachs von 5
Gigawatt - pro Jahr. Danach sieht es derzeit aber nicht aus. Greenpeace-Mann
Teske geht davon aus, dass dieses Jahr 1,5 Gigawatt Windkapazitat
dazukommen, allesamt an Land.
風力発電の場合はもっと前になるだろう。神栖市には2011年末に陸から離れて、2,5ギガの風力発電基が設置された。グリンピースの計画は、年間あたり5ギガワットの増大を見込んでいる。しかしその後、目下のところ色あせている。グリンピースのタスケは、今年は日本全体で1,5ギガワット風力発電を実現することを目標にしている。
Tomas Kaberger von der Chalmers Universitat in Goteborg rechnet vor, dass
zwar im vergangenen Jahr Unternehmen im Norden Japans Antrage zur
Installation von funf Gigawatt Windleistung eingereicht hatten. Doch gerade
einmal 400 Megawatt davon wurden tatsachlich gebaut - weil Netzbetreiber ihr
Veto eingelegt hatten. Grosere Mengen Windstrom verkrafte das Netz nicht, so
deren Einwand. "Das sind Debatten, die wir in Europa vor 25 Jahren hatten",
klagt der Ex-Chef der schwedischen Energieagentur und Leiter der Japan
Renewable Energy Foundation.
ゲーテボルクのチャルメルス大学のトーマス・カベルゲルは、昨年の北海道企業の設置申請で5ギガワットの実績達成すると計算した。しかし実際はそのうちの400メガワットがが建設されただけである。何故なら電力網企業が拒否したからである。電力網企業はより多くの風力発電を受け入れず、異議を申し立てた。「それは我々が25年前にした議論だ」と、前のスウェーデンエネルギー局の局長で日本再生可能エネルギー財団の代表は訴えた。
Bei der Geothermie sieht es ahnlich aus: Japan gewinnt hier nur 0,54
Gigawatt. Das ist laut Greenpeace weniger als ein Vierzigstel des moglichen
Ertrags. Seit 2000 wurde kein neues Kraftwerk gebaut, wegen strenger
Auflagen des Umweltministeriums und weil sich lokale Badehausbetreiber
querstellen.
地熱発電でも同じであり、0,54ギガワットを達成したに過ぎない。これはグリンピースによれば可能積算量の40分の1より少ない。環境省の強い規制のためと、地域温泉企業が妨害する理由からだ。
Doch auch wenn Touristen ungern durch Kurorte flanieren, die eine
Geothermie-Anlage uberragt: Ein weiterer Atomunfall wurde Reiselustige auf
viele Jahre ganz verprellen, selbst wenn die Strahlenwerte danach nicht
bedrohlich hoch waren. Nach Fukushima fahrt schlieslich auch kaum noch
jemand, um Urlaub zu machen. Das Stigma der Katastrophenregion schadet
der gesamten Prafektur. Mehr als jede Energieanlage eine Landschaft je
entstellen konnte.
しかしながら旅行者が地熱発電が突き出る温泉地で保養することを好まないとしても、拡がる原発事故は、放射線線量が高くないとしても、長期に渡って観光を脅かすだろう。福島には結果的に誰も休暇保養に来ない。崩壊地域の焼印は県全体に影を落とし、どのエネルギー発電装置にも増して、景観を益々損なっているのだ。
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