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「国債問題で「あまり言いかげんにいってほしくない」とクレームを付けられたlqOPOFnyLEさんへ」
http://www.asyura2.com/13/senkyo149/msg/539.html
のコメント欄に書かれたコメントへのレスポンスです。
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まず、貴殿の「とりわけ、金融・財政政策担当の麻生氏が、いい加減なことを「(お札=日銀券を)刷って返せばいい」いうのは、まったく常識はずれだいいたいのです」ということについては、オリジナルの投稿で私も、 それは言い過ぎで、「私ならいいが、財務大臣なら、ほとんどが国民の預貯金や保険料であり、価値をそれほど毀損しないレベルで償還することを心がけなければならない」と指摘しています。
テーマである借換債をめぐる説明に移ります。
【引用】
「今、現状はそうですが、それが続く保証はない。保証のないことを現状がそうだからといって、メカニズムがそうであるかのようにいうのが、いい加減だといっていてるのです。」
【コメント】
貴殿のご指摘を、国債ホルダーが素直に借換債との差し替えに応じない(償還して貰った国債の代金で新しい国債を買わない)経済状況が生まれる可能性だと受け止めます。
このような事態に対しても、国債が円建てである限り、通貨の発行権を持つ政府は問題なく対応することができます。
政府(中央銀行)が国内で流通している通貨の発行権を有しているということが最強のメカニズムなのです。
国債ホルダーが素直に借換債との差し替えに応じない経済状況というのは、国債よりも融資や民間債券に魅力があるほど両者の金利差が生じていることを意味するはずです。
(他の経済状況を想定されているのなら、どのような状況かご教示ください)
そのような状況で借り換えをスムーズに実施するための手段として二つほど考えられます。
● 借換債の金利を上げる。
● 現在もやっていますが、日銀が市中銀行に破格の低金利で長期の貸し出しを行う。
民間の資金需要(経済活動)を阻害しないためには、二つ目の日銀が市中銀行に破格の低金利で長期の貸し出しを行う政策が妥当です。もちろん、二つを組み合わせてもかまいません。
銀行は、他の運用機会を失うことなく、国債利回りと日銀への利払いの差を収益とすることができるわけですから国債を買ってくれます。
ここで問題になるのは、国債は要らないと思うほど投資を中心に経済活動が活発化しているわけですから、インフレの亢進です。
このような状況こそ、ウソではないホントの「インフレターゲット」政策が意味を持つようになります。インフレの進行具合を見極め、インフレが亢進しているのなら、市中からマネーを吸い上げる政策を採ります。
【引用】
「 株式が順々に上がっていっても、下がる時は急峻であるように、破局は突然のようにくる。だからこそ、米国だって出口戦略をうんぬんしているではありませんか。まして、世界にドルほどもっていたいとも思われず、累積赤字がGNPの2倍もある日本の円では、慎重が必要なのです。」
【コメント】
同時代に生きているものとしてお気持ちは理解できますが、論理性(その理由)が欠如しています。
無媒介的にそう思ってしまうことはわかりますが、「累積赤字がGNPの2倍もある日本の円では、慎重が必要」だとする論拠を考えてみてください。
論拠がなければ、中国経済は瓦解するとか、北朝鮮は飢餓で崩壊するとか言って煽って喜んでいる人たちとかわらなくなります。
累積赤字がゼロでも、その国民経済の供給力が欠如していれば、単年度の赤字財政を実行するだけでスタグフレーション的経済状況になることもあります。
現在の需給関係が価格変動を規定するのであり、経済活動で既に使われてしまった累積赤字が、現在の価格変動(経済活動)に影響を与えることはほとんどないのです。
累積赤字の償還(債務履行や借り換え)については、なんなくできることをこれまでの説明で行ったつもりです。
(過去の赤字財政支出に支えられて民間の設備投資が膨らんだために、現在の供給過多につながったということはある)
「米国だって出口戦略をうんぬん」という話ですが、米国は金融家優先の経済政策を本旨としていますから、インフレ(保有するドルの価値が下落するので金融家は嫌う)や実質金利の低さを嫌う国柄ということを前提にして考える必要があります。
FRBは、金融緩和策で市中に流れ出した膨大なドルがどこに向かっているかウォッチを続けています。新興国のドル需要に応える融資(債券購入を含む)は害が発生しにくいのですが、商品市場や株式市場に大量に向かうと、インフレにとどまらずバブルを形成してしまう可能性もあります。
FRBが出口戦略を云々している背景に、米国における行き過ぎた株高や行き過ぎた住宅価格上昇があると思っています。経済の実態からは考えにくいペースと水準で資産価格が上昇していると判断しているのでしょう。
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