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(回答先: 国の借金「刷って返せばいい」=財政ファイナンスを容認? ―麻生財務相(時事通信) 投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 6 月 17 日 23:40:59)
まあ、聴衆ウケを狙った部分もあるのだろうが、財務大臣とは思えない麻生氏のいささか軽めの発言である。
「日本は自国通貨で国債を発行している。(お札=日銀券を)刷って返せばいい。簡単だろ」は言い過ぎ。
私ならいいが、財務大臣なら、ほとんどが国民の預貯金や保険料であり、価値をそれほど毀損しないレベルで償還することを心がけなければならない。
「お金を出し過ぎて信用がなくなったら金利は上がる」は、資金需要と日銀の資金供給の兼ね合いだから一概に言えることではない。“お金を出し過ぎて供給力が衰退していれば物価は上がり円安も進行する”とは言える。そうなれば、銀行や国民の利益を考慮し、徐々に金利を上げざるを得なくなるだろう。
「日本の借金は970兆円に膨らんだが、金利は上がっていない。日本は財政破綻の危機ということはない」というのは、ある意味で正しいが、財務大臣としては軽い言動である。
970兆円まで膨らんでも金利が上がらない(金利を上げない)のは、国債など政府債務の他に大きな資金需要がないうえに、日銀がじゃぶじゃぶ資金(マネタリーベース)を供給し続けているからである。
「日本の借金は970兆円に膨らんだが、金利は上がっていない」ことこそ“デフレ状況”の象徴なのだから、自慢できることではない。
さらに言えば、麻生氏自身が「(お札=日銀券を)刷って返せばいい」と言っていることでもわかるように、政府債務残高(過去の借金)の多寡は問題にならない。
政府のたまりにたまった借金を返すことは、銀行(年金・生保など)の資産を国債から現金(日銀当座預金)に変えるだけの話と言えるから、経済的にはほとんど問題にならない。
(戦後のように供給力不足のなかで急激なインフレが予想されるなかで大量の国債を償還すれば、それで得た現金をモノに替えようという動きが湧き起こりインフレを加速させてしまうが..)
政府債務=赤字国債の問題は、ひとえに、新規の政府債務=赤字財政支出が経済(物価)にどのような影響を与えるかという“現在的問題”なのである。
日本の深刻な問題であり救いでもあるのは、年間50兆円もの赤字財政支出を行ってもデフレ状況が続いているということである。
そして、日本が将来に向けて危惧しなければならない最大の問題は、供給力の劣化が進むことで、年間20兆円の赤字財政支出でもインフレ進行要因となり、インフレになることで赤字財政支出がさらに増加する(社会保障はそのような性格)という悪循環に陥ることである。
政府債務残高の多寡を較べて、韓国のほうが財政余力があると説明する人もいるが、インフレである韓国の方が財政余力はないのである。
経済力とは、おカネの量で計られるものではなく、人々の付加価値を生み出す活動力すなわち供給力で計られるものなのである。
※ 参照投稿
「野口氏の正論は空論:「インフレターゲット」は建前だけの冗談:日本にとっての出口戦略は金利上昇なきインフレ」
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/491.html
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