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2013年6月17日 植草一秀の『知られざる真実』
安倍首相が憲法改正に関して、民主党にも呼びかけを展開する方針を示した。
次期参院選の最大の焦点は、安倍晋三自民党が提唱する憲法改変に賛同する勢力が、参議院3分の2を占有するかどうかである。
そして、憲法改変の最大の焦点は96条改変である。
衆参両院で96条改正に賛同する政治勢力が3分の2を突破する場合、安倍晋三氏はこれを強行すると見られる。
その場合でも、最後の関門として国民投票があるから、主権者が改変にNOを突きつければ、改変は成立しない。
しかし、ここにも重大な問題がある。
国民投票での可決の要件が憲法には明記されておらず、これが法律に定められることだ。
安倍晋三氏は2006−07年の政権時に、国民投票法を制定した。この法律に、憲法改変の要件として、投票総数の過半数の賛成と定めてしまったのだ。
これだと、投票率が50%の場合、全有権者の4分の1が賛成するだけで憲法改変が成立してしまう。
国家の基本法である憲法がこんなに簡単に変えられて良いわけがない。
憲法は、国家権力の暴走を防ぐため、国家権力を縛るために存在するものである。
憲法によって権力の暴走を防ぐとの考え方が「立憲主義」の考え方であり、憲法改変要件の緩和は、「立憲主義」を否定するものである。
主権者はこの参院選にどのような姿勢で臨むべきであるか。
主権者としての悩みが二つある。
ひとつは、重大な問題=争点が多すぎて、どこに焦点を合わせるべきであるのか、わからなくなること。
もうひとつは、同じ選挙区に、主権者の考えに近い公約を掲げる候補者が複数立候補しているところがある一方、主権者の考えを代弁する候補者が一人も立候補しない選挙区がある。
重要争点は、
原発、辺野古、TPP
そして、
消費税増税
憲法
である。
主権者の思いは、
原発再稼働反対、
辺野古基地建設反対、
TPP参加反対、
消費税増税反対、
憲法改悪反対
である。
このうち、消費税については、全面反対論と、将来容認論の二つがある。
憲法については、護憲と憲法改変を全面的には否定しないが、96条改正には反対など、さまざまな立場がある。
すべてが一致する人だけが結束するということになると、当然、多党乱立の状況になる。
また、基本政策方針は完全に同一だが、あの人とは組みたくないなどの感情が入ってくると、これもまた、多党乱立の原因になる。
しかし、多党乱立では、とりわけ、選挙区選挙で議席確保が覚束なくなる。
多党乱立で議席を取れないということは、主権者の意志が政治に反映されないことを意味するわけで、もっとも深刻な民主主義の危機が生まれることになる。
政党が多党乱立になる理由がもう一つある。
政党交付金だ。
党の幹部が政党交付金の使途をコントロールする場合、この政党交付金の取り扱いをめぐって、政党内で主導権争いが起こる。
このために、ひとつにまとまれる政党がばらばらになることも生じる。
「政治とカネ」の問題は、いつでも深刻な問題なのだ。
しかしながら、これらの事情を背景に、主権者の意志を代表する政党が多党乱立状況のままであると、結局は、主権者勢力が議席を確保できず、主権者の意志が政治に反映されなくなってしまう。
大事なことは、主権者を軸にものを考えることである。
三つの提案を示す。
第一は、基本政策を明確にすること。
第二は、政党交付金の分配を議員に等分に行うこと。
第三は、基本政策を共有する政治勢力が「小異を残して大同につく」こと。
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