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2013年06月17日(月) 田崎 史郎 現代ビジネス
株価が乱高下し、アベノミクスに対する評価が揺らいできても、自民、民主両党が内々に行っている参院選情勢調査を取材すると、「自民、公明両党で過半数を確保し衆参ねじれ解消」という流れは変わっていない。変化しているのは日本維新の会、みんなの両党の支持が急落し、改選数が2以上の複数区の戦いで民主党を利していることだ。
維新共同代表・橋下徹(大阪市長)の失言と、その結果、みんなの党が選挙協力を解消したことが響いている。政局はこうした選挙見通しを織り込みながら参院選後をにらんで動き始めている。
■維新の凋落がみんなの党には有利にならない
極秘扱いとなっている自民、民主両党の選挙情勢調査に探りを入れると、同じトレンドを示している。自民党は16の複数区で断トツの強さを見せ、31の「1人区」でも沖縄を除くと優位に立っている。接戦になるとみられていた岩手、山梨、三重、滋賀、奈良でも少しリードしている。
昨年暮れの衆院選で惨敗した民主党は春先、10議席程度とみられていた。だが、直近の調査では1人区で依然として旗色が悪いものの、複数区の多くで2位につけている。民主党の選挙情勢を好転させたのは、維新、みんなの凋落だ。
維新の支持率は年初から右肩下がりの傾向だったが、橋下の「慰安婦発言」や米軍に風俗活用を求めた発言をきっかけにガクンと落ちた。朝日、読売両紙は毎月行っている世論調査で、参院選でどの党に投票するかを聞いている。維新に関しては両紙ともまったく同じ数字で、1月に16%だったのに6月は5%になってしまった。
読売の調査はその原因を如実に表している。維新に投票すると答えた人は5月に比べ3ポイント落ちた。5、6月を男女に分けてみると、男性は8%→8%、女性は7%→2%と女性の支持が大きく落ちた。
この維新の凋落がみんなの党にプラスになっていない。みんなの党の議員はこう語る。
「渡辺喜美代表は維新をたたけば、みんなの党が伸びると思っている。維新バッシングは昨年夏以来音信不通状態だった橋下に対する意趣返し、渡辺の代わりに維新とのパイプ役となった江田憲司幹事長つぶしを兼ねた“一石三鳥”だ」
渡辺の狙いは対橋下、江田では奏功したが、参院選の選挙戦では効果を上げていない。参院選での投票先を聞いた朝日、読売両紙の調査で、みんなの党はヒトケタ台半ばで低位安定状態。みんなは維新との選挙協力を解消して茨城、千葉、福岡などで候補を擁立したが、当選圏内に入っているわけではない。
前回2010年参院選でみんなは794万票(得票率は13.6%)を獲得した。今回、このレベルに達するだろうか?
維新、みんなが沈む中で浮上しているのが共産党だ。たとえば、東京選挙区(改選数5)では情勢調査によると、共産党候補は自民の2候補、公明党に次いで4位につけ、民主の2候補やみんな、維新の候補を上回っている。
■焦点は幹事長人事
7月21日の参院選投票日まで1カ月余り残されており、予断を許さない。だが、確率で言えば、このままの情勢で推移する可能性のほうが高い。それを前提に参院選後の日程づくりが始まっている。
参院選後、すぐに行わなければならないのは臨時国会を召集し、参院の「院の構成」、つまり議長、副議長を選出することだ。第1党となる見込みの自民党では議長候補に参院議員会長・中曽根弘文、前参院副議長・山東昭子らの名が上がる。副議長を出すことになる民主党では参院議員会長・輿石東の就任が有力だ。
臨時国会は数日で終わり、政界はお盆休みに入る。首相・安倍晋三は10日間程度の夏休みを取る計画を練っており、久々に静かな夏となりそうだ。
注目されるのは内閣改造を行うかどうかだ。法相・谷垣禎一は14日、内閣改造が行われる見通しを示した。しかし、首相周辺では「今の閣僚に何か問題がありますか? 代える必要はないのではないか。自民党役員人事と連動する可能性はあるが」との消極論が強い。
ただ、自民党役員人事は9月に確実に行われ、幹事長・石破茂の処遇が最大の焦点になるだろう。
(敬称略)
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