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2013年6月15日 植草一秀の『知られざる真実』
『アベノリスク』(講談社)
の発刊日が1週間前倒しされることになった。7月3日には刊行される。
日本を融解=メルトダウンさせる7つの大罪
がサブタイトルである。
6月14日、東京都議会議員選挙が告示された。
投開票日は6月23日である。
7月に入ると、参院選が4日公示、21日投開票の日程で行われる見通しである。
いよいよ、アベノミクス=アベノリスクが都民や国民の審判を受けることになる。
選挙に向けて安倍政権は経済政策の提言を示した。
「骨太の方針」と「成長戦略」がその柱であるそうだが、そもそも、ネーミングが最悪である。
「骨太」という語を導入したのは小泉政権で、安倍氏がこの言葉の使用にこだわることは、小泉時代の経済政策の基本精神をいまも引きずっていることを示すものである。
その本質は、国民不在の、少数大資本の利益のみの追求である。
安倍政権の経済政策の誤りの根本は、日本社会を構成する、すべての生活者、消費者、労働者、個人、主権者の視点を欠いていることにある。
「誰のための」
「何のための」
政策であるのかが重要であるが、この主題において、国の主人公である主権者の視点が欠落している。
「3本の矢」が力を持つのは、3の矢が、同じ目的で力を発揮して、総合的な力を発揮する場合である。
そもそも、1本ずつの矢は力が弱く、簡単に折られてしまうが、矢が3本束になって力を合わせると、簡単には折られない強い力を発揮するというのが「3本の矢」の意味である。
ところが、安倍政権の経済政策を構成する、
「金融政策」、「財政政策」、「成長政策」
には、この総合力が見当たらない。
金融緩和と財政政策発動を組み合わせれば効果的で、安倍政権発足当初は、内容はともかく、この二つの政策が総合された。
だからこそ、株価上昇が生じたのである。
しかし、すでにその状況ですら、変化した。
財政政策の主軸が、経済浮揚から財政再建にシフトしてしまったのである。
「骨太」の方針の中核が財政再建であるというのだから、政策全体として支離滅裂だ。
この財政再建は「消費税大増税」と直接リンクしている。
日本経済を浮揚するための補正予算編成などの施策と、財政収支均衡に向けての大増税の実施は、方向がまったく逆である。
東に進みながら、「西を目指せ」と号令をかけているのに等しい。
地球の場合、球体であるから、永遠に東に進んでゆけば、やがて西側の地域にたどり着くが、その時間は気の遠くなるほどのものになる。
また、金融政策は完全に手詰まりの状況に陥っている。
「異次元」の金融緩和を実行すると、長期金利が下がり、円安が誘導され、株価が上昇し景気が良くなる。その延長上にインフレ率も上昇する。
これが「アベノミクス・ストーリー」だが、このストーリーが、すでに大きく狂い始めている。
黒田東彦総裁が新機軸の金融緩和政策を決定して発動したのは4月4日のことである。
本来は、これ以降、上記の「アベノミクス・ストーリー」が実現しなければならないわけだ。
ところが、この4月4日以降、すべてが逆回転している。
「異次元」金融緩和がもたらしたものは、長期金利の低下ではなく、長期金利の上昇だった。
この金利上昇が、円安ではなく、円高をもたらし、株高ではなく株安をもたらしている。
いまの状況では、「アベノミクス」は破たんする。
金融緩和の「矢」も完全に力を失っている。
財政政策の「矢」は景気を浮揚されるどころか、景気を抑圧する方向に舵が切られようとしているのである。
「第三の矢」である「成長政策」も、内容が乏しく、方向感もはっきりしない。
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