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2013/6/14 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
安倍政権が続くとマトモな資本主義経済がバクチの中で破壊されると経済専門筋の警告
異次元緩和の株高効果はアッという間に水泡に帰した。
きのう(13日)の東京株式市場は売りが売りを呼び、平均株価は前日比843円安。とうとう1万2500円の大台を割り込み、黒田日銀が異次元緩和に踏み切る前の水準に逆戻りした。5月23日の急落以降、1部上場の時価総額は80兆円が吹っ飛んだことになる。
この日、黒田総裁は就任以来初めて安倍首相とサシで会談した。記者団には「金融市場も次第に落ち着いてくる」と語っていたが、何を寝言を言っているのか。平均株価はたった3週間で3000円以上も暴落し、株式市場から国家予算と同じ規模のマネーが消滅したのだ。この間の下落率は実に20・4%。これは百年に一度といわれたリーマン・ショックや、千年に一度とされた東日本大震災の直後の下げ幅に匹敵するものだ。
誰がどう見たって、日本経済は緊急事態なのに、よくぞ、黒田は「次第に落ち着く」などと楽観視できるものだ。
荒っぽい値動きは株式市場だけではない。債券市場も乱高下を繰り返し、長期金利は急上昇。為替も「円買い・ドル売り」の激流は止まらず、1日で2、3円の円高は当たり前になっている。
異常な混乱の原因として、「米国の金融緩和の早期縮小」「14日に控えるSQ算出」「世界規模のリスクオフの広がり」など、あれこれ指摘されているが、違うだろう。理由はひとつ、安倍政権の大バクチ、アベノミクスの弊害、失敗なのである。
◆ウソとゴマカシが失望売りを招く悪循環
なぜ、株価はかくも凄まじい勢いで下がっているのか。
答えは単純だ。アベノミクスの上昇相場なんて、しょせん幻想に過ぎなかったからだ。
「アベノミクスの正体見たりマネーゲームというべきで、株価上昇に実体経済の裏付けなど何もなかった。黒田日銀の異次元緩和で、じゃぶじゃぶになった投機マネーが株式市場に流れただけのことです。過剰なバラマキに食いついたのは、大半が海外の投機筋だった。彼らにバクチの種銭を与えたようなものですよ。実体の裏付けがないため、投機筋は疑心暗鬼で、常に『そろそろ潮時か』とオドオド、ビクビクしている。だから、米国の金融緩和政策の転換懸念や中国経済の先行きなど、ちょっとした噂で、大きな売りが出てしまうのです」(経済評論家・広瀬嘉夫氏)
せめて成長戦略に中身があれば良かったのだが、安倍はものの見事に期待を裏切ってくれた。スカスカの中身を糊塗しようと、「3年間で設備投資を10%増の70兆円に」「今後10年で農業所得を倍増させる」「2020年にインフラ輸出を30兆円に」などと吠えていたが、こうした大言壮語でますます、中身のなさが見透かされた。
安倍のその場しのぎのゴマカシ、姑息さが市場の失望売りを加速化させたのである。
かくして日銀の「大量札束印刷作戦」と、安倍の「ニセ成長戦略」は完全に破綻したわけだ。
◆アベクロの無謀に健全な資本主義は殺される
もはやアベノミクスの失敗は明白だ。これ以上、安倍が悪あがきをムリに重ねても、6年前の二の舞いとなるだけではないか。腸弱・腹痛で政権を放り出した、ブザマな遁走の再現になる。
安倍政権が続く限り、株式市場も為替相場も債券マーケットも大荒れとなり、収拾がつかなくなる。このままだと、マトモな資本主義経済がぶっ壊されてしまう。
その危険性が現実味を帯びて、より鮮明となってきた。これが専門筋の懸念で、筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)もこう言っている。
「マトモな資本主義とは、投資家が株式市場を通じて企業に新規事業を促し、生産活動を経て『投資』のリターンを得る。投資を受ける企業も雇用を生み出し、国民生活を豊かにして、社会全体が成長していく。それが健全な姿なのです。時に資本主義が暴走してバブルを招けば、中央銀行は通貨の番人として過剰な『投機』の『火消し役』に回るのが、本来の務め。ところが、アベノミクスはアベコベです。火消し役の黒田日銀が投機の『火付け役』となって、人為的にバブルをつくり出してしまった。健全な投資より行き過ぎた投機を重視した結果、東京市場を鉄火場に変えたのです。これでは、健全な資本主義は死んでしまう。アベクロコンビの『火遊び』は過ぎます」
バブル全盛期に日銀総裁を務めた三重野康氏は、膨張する投機マネーの「火消し役」として矢継ぎ早に金融引き締め策を実施。バブル退治に邁(まい)進(しん)する姿は「平成の鬼平」と呼ばれたものだ。
これこそ日銀総裁の本来の役割なのに、黒田は自らバブルをつくり出し、どっちが「火付盗賊改方」なのかが分からなくなっている。どう考えたってマトモな神経とは思えない。
◆あがくほどに近づく2度目の政権ブン投げ
加えて、債券市場も崩壊寸前なのだから、ますます、資本主義の危機は増す。前出の小林弥六氏は「日銀が毎月の国債発行額の7割を買い占める異様さもさることながら、この無謀な試みの出口戦略を黒田日銀は描けていない。国債暴落リスクは日増しに高まっています」と警告した。黒田総裁自身、「長期金利はコントロールできない」と、すでに「お手上げ」宣言だから、無責任の極みである。
本当に日本の市場は惨憺たる状況になってきた。
「バブルの死角」の著者で、大阪経済大客員教授の岩本沙弓氏は「長期的には史上最悪の大恐慌に踏み込もうとする可能性も否めません」と本紙のインタビューで語っていたが、アベクロコンビの無謀な金融政策には専門家であればあるほど、戦慄しているのが本当だ。
もちろん、安倍もこうした危機は知っているはずで、虚勢を張って強気を装っているものの、内心は焦りまくっているはずだ。政治評論家の野上忠興氏は「安倍首相が東奔西走し、常にパフォーマンスを続けているのは不安の裏返し」と指摘していたが、その通りだろう。その不安を隠すために、あえて、アチコチ飛び回っているのが今の安倍だ。
こんな刹那と緊張がいつまで続くものか。いつまた、お腹が痛くなってもおかしくない。「2度目の政権ブン投げは時間の問題」という専門筋が増えてきた。
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