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ご相談
上司の男性が下品でたまりません。辛抱も限界です。(30代女性)
遙から
阪神タイガース戦を観に甲子園球場に行った。
5万人満席。圧倒的にほぼ阪神ファン。甲子園は兵庫県にあるが、大阪人の多くが阪神ファンなので、“大阪”が結集するとどういう事態が起こるか紹介しよう。
私自身大阪出身だが、よく他県から言われる「大阪はエネルギッシュ」だの「ラテン系ですね」だのがいかに配慮に満ちた表現かを思い知ることになる。
ここであえて大阪人の私だから言わせてもらう。大阪は下品そのものだ。
■拒絶したって写真を撮まくり
「写真撮っていいですか?」と聞かれた。すでにテンションが上がっている人たちの多さから考えてとんでもない事態になると判断し丁寧にお断りをした。
県民性によっては、声をかけられないシャイな土地柄や、東京のように「だからなに?」くらいのチラ見程度のこともあるだろう。
だが、大阪は違う。
拒絶したところで撮るのだ。勝手に。
一人がそれをしたらもうマナーなどぶっ飛び、誰もかれもが、一斉に撮り始める。「みんなやってるやん」というあれ。
こうなると、場を脱出するしかないことも知っている。
球場には屋台のような店が並ぶ。甲子園で美味しいきつねうどんやカレーを買いに行こう、と、知人と席を立った。
列に並び、きつねうどんが手渡されるのを待つ間のことだ。私の顔の横、10センチの位置からビデオを回される。もちろん許可なし。
何かリアクションでもしようものなら相手の思うツボ。さっとうどんを取り、そそくさとその場を去る。甲子園できつねうどんを買う後ろ姿が、Uチューブかなんかでネットに流れるのかと思うと、「あ!七味入れるの忘れた。それどころじゃなかった」後悔も重なり、せっかくのうどんを台無しにした。
席に戻るとちょうど7イニングだ。名物風船飛ばしだ。
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■実は観客の多くが、甲子園の7回を見られない
私と知人は縦長の風船を膨らました。後部座席の視野を邪魔しないよう膨らんだ風船を横に倒し観戦した。だが、前の座席は違った。
父親が子供のぶんも風船を膨らまし、何本も束ねて扇状に縦に立てている。すると私や知人の視野からまったく試合が消えた。前の妻が夫に言う。
「立てて持ったら後ろの人が見えへんやん」
夫は無視する。妻もそう言ったものの後ろを振り返ることもなく放置する。
前の座席のエゴに憤慨する前に、球場の5万人を見てみる。そこに“大阪”の発見がある。
ほとんどの人が風船を立てて持っている。つまりは、だ。7回目の盛り上がるシーンを、実は球場にいる観客の多くは風船が邪魔して“見えていない”という事実。
そしてもっと目をこらして観察してみる。
立てて持っているのは圧倒的に男性ファンで、後部座席を意識して倒して持っているのは女性たちだという事実。
「ほんまや。洋子ちゃんの言う通りや。すごい」と知人が驚く。
「つまりはや…」
鈍い無礼な男性に出会ったとして、とりたててその人に何か感情を抱く必要はない、ということだ。
目前の5万人の圧倒的男性が物語り、それを許すタイプの妻もまた同類としてカウントすると、この説得力はデータや言葉を超える。
大物ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズ似の宇宙人が「この惑星には…」と言うCMがあるが、今、生きにくい女性がいるとしたら、目前の人がその理由というより、この地球がそういう星なのだ、と思ったほうがいい。
「大阪に上品な場所はないのか」という私の嘆きに兄が答えた。
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「会員制リゾートホテルがある。そこに行こう。最近そこの会員になったのだ」という。
バブル時代ならよく聞いたが、今時、会員として数百万円払ってそのホテル大丈夫か、と心配したが「すでに50年経営しているホテル」という歴史が、兄が会員権を買う背中を押したようだ。
そこに兄夫婦と行ってみることにした。
入り口に「会員のみ」と書かれてある。
入ると閑静で大きな空間が広がる。大浴場もあり、会員制らしく“リンスインシャンプー”はなかった。各種入浴せっけんが豊富に並んでいた。
ちょっと優雅な気分になれた。
浴衣を着たまま大食堂に移動して驚いた。
■会員制リゾートホテルというよりケアハウス
私以外全員が、70歳前後の人たちばかりだ。「会員の平均年齢が68歳やて」と兄が言う。
「60代になってやっと貯蓄を使う気になったのやね。お兄ちゃんたちのように」
「違うがな。バブルの頃に買った人たちが、年取っただけや」
50年の歴史の意味はそこにあったのかと合点した。
もはや会話をする夫婦はなく、黙々と食す。あるいは、高齢男性たちがことごとく浴衣の下から下着のパッチをのぞかせている。
「なぜ、浴衣の下にパッチはくの?」
「冷えるからや」
「風呂上りやで」
「冷えるねん」
いや違う。長年の慣習で、カッターシャツとズボンの下に、下着の半袖シャツとパッチをはいてきた世代が年とった時の癖だ。そして皆どこか体の不調を抱える歩き方だ。
兄に言った。
「ここ、会員制リゾートホテルというより、ケアハウスやん」
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大阪を観光都市としてどう活用すべきか、橋下市長はじめ大阪都構想の夢としてある。
だが、県民性を考慮せねばならない。
粗野でノリのいい元気な集団か、上品なのではなく単に活力が衰えたケアハウス化か。
どこ見ても、大阪には“上品”がない。芦屋あたりに行けばあるのかもしれないが、そこは異文化だ。
■互いに理解などできない異星人が住む惑星
たこ焼きやお好み焼きでいったい誰を接待するというのか。きつねうどんに七味を入れ忘れた悔しさなど、他県の人間に理解されるはずもない。
姫路城のように歴史の姿を尊び守るのではなく、大阪城にとっととエレベーターを設置してしまう土地だ。
日経ビジネス編集者から言われた言葉に集約されている。
「間寛平さんの、“アメマ”のギャグの面白さが理解できない」
そうだ。理解できるわけがないし、理解する必要もない。
大阪的感性がこれほど他県から浮いていても、甲子園に行けば私でさえ理解できない大阪人が闊歩する。
つまり、皆、同じ地球にいるだけで、互いに理解などできない異星人ということだ。
県民性で分類するのももはや暴力的かもしれない。
大阪的粗野なものから逃げて平穏を求めたら、そこは、限りなくケアハウスだったという失笑の事実。
それを思えば、一人の人格への嘆きは、この時代の、この人類への嘆きへと拡散し、どーだってよくなる。
下品な男性上司?大阪に来てみたらいい。楽になるはずだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130507/247659/?leaf_bn
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