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たたき上げの仕事師だが外交・安保は門外漢
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2788
週刊文春 2013年6月20日号
アベノミクスが変調を来し始める中、もう1つ「大丈夫か」との不安の声が高まっているのが、菅義偉(よしひで)官房長官だ。安倍政権ロケットスタートの立役者となった菅氏だが、ここのところその政治判断に疑問符がついているのだ。
特に懸念されているのが外交・安全保障問題、中でも日米関係だ。菅氏は6月6日、「従軍慰安婦」発言で国内外の批判を招き、米国の怒りを買った橋下徹大阪市長を首相官邸に招いて安倍晋三首相と懇談させた。橋下氏が、オスプレイの発着訓練を大阪府八尾市の八尾空港で受け入れると提案すると、菅氏は「しっかり考えてみる」。首相も小野寺五典(いつのり)防衛相に「真剣に検討してほしい」と指示を出すほどの前のめりぶりだった。
政府高官は「米国があそこまで強い調子で非難した政治家と官邸で会うこと自体、極めて危険なメッセージを対外的に発信している」と懸念する。防衛省幹部も「八尾空港は人口密集地帯にあり、普天間と状況は変わらない。兵士の受け入れ態勢もなく、米軍も困るだろう」と困惑を隠せない。だが、菅氏は「大阪側から申し入れがあったので当然、地元の対策をしてもらえるだろう」と意に介さない。
菅氏は以前から、維新幹事長の松井一郎大阪府知事と気脈を通じ、「維新とのパイプ」を売り物にしてきた。今回の橋下氏の発言についても「最大の危機だが、これで終わりじゃない」と周辺に漏らしており、窮地に立った橋下氏と松井氏に助け舟を出したと見られている。
だが、自民党では小泉進次郎氏が「知事と市長が官邸まで行って扱うマターだったのか」と語るように、政略と外交を混ぜこぜにしたとの冷ややかな見方が目立つ。ベテラン党幹部は「菅君は大技が得意にみえて、振り返ってみると成功したのは安倍首相を二度にわたって総裁選で勝利させたぐらいだからなあ。土地カンのない外交問題にはあまり手を出さないほうがいい」と皮肉る。
もうひとつ、菅氏がかかわったのが小泉純一郎元首相秘書官だった飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問だ。この案件も飯島氏がまず菅氏に持ち掛け、菅氏が渋る安倍首相を説得して実行したとされる。だが、飯島訪朝も米国の不信感を強める結果に終わった。
「止める人がいない」(同前)と言われるほどの菅官房長官の大きすぎる存在感が、安倍政権の思わぬアキレス腱となるかもしれない。
文「週刊文春」編集部
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