06. 2013年6月13日 17:56:43
: OWFEBl4ATs
05さん、なるほど。続きがあったのですね。 下記が、その「続き」です。 「一国の首相ともあろう安倍首相が、元官僚に過ぎない田中均氏をなぜここまで酷評するのか。 それは田中氏が12日付の毎日新聞紙上で飯島参与の訪朝を「スタンドプレーとは言わないが、そう見られてはいけない」と批判的に論評したからだ。 ここですぐ思い出すのは飯島訪朝の背景にある真実だ。 飯島訪朝は飯島氏が菅官房長官と話し合って極秘裏に進め、それを安倍首相が了承して行なわれたものであるとされている。 ところがそれが北朝鮮側によって暴露され、事前に知らされなかった米国が怒り、対米従属の外務官僚がその代弁役として飯島訪朝を批判した。 安倍首相は飯島訪朝から身を引き、飯島氏はそんな安倍首相にあとはまかせたと政治決断を迫り、そして外務省と飯島氏の間が犬猿仲となった。 そういう背景を考えた時、田中均氏の飯島訪朝批判は外務省OBとして外務省に忠実であるかぎり当然の批判だ。 安倍首相もまた日米関係を重視して飯島訪朝に慎重姿勢を取るようになった。 だからそんなに田中均を酷評しなくてもよさそうなものだ。 それもかかわらず、何故安倍首相はここまで怒るのか。 本当は飯島訪朝をきっかけに日本の手で拉致問題を解決したいのだが、米国の圧力でそれを断念せざるを得なくなった事に対するいらだちがあるからだ。 それに加えて田中均と安倍首相の間には、小泉訪朝時の田中アジア大洋州局長と安倍副官房長官としての対立関係がある。 つまり拉致被害者の死を知らされた時、安倍副官房長官は交渉を打ち切って帰国することを小泉首相に進言したが小泉首相と田中局長は平壌宣言に署名してしまった。 北朝鮮との密約に従って一時帰国させた拉致被害者5人を再び対北朝鮮に帰国させようとした田中局長に対し、安倍服官房長官はそれに反対した。 そのため、約束を破ったと日本は北朝鮮に責められ日朝関係は行き詰まったが、安倍首相にしてみれば、あの時帰国させていたら、いまだに拉致被害者とその子どもたちは帰ってくることはできなかったということになる。 すなわち田中均と安倍首相は小泉訪朝以来の天敵関係にあるのだ。 そこで注目されるのは安倍外交の参謀役と言われている谷内正太郎内閣官房参与の動向である。 元外務事務次官の谷内正太郎は外務省に対して今でも影響力を持つ。そして外務省の為に安倍首相に進言する立場だ。 果たして谷内正太郎は今度の飯島訪朝に際してはどちらについているのか。 本来ならば田中均と同じ立場に立って飯島訪朝を批判し、外務省を弁護する立場であるはずだ。 しかし今度の飯島訪朝に際しては谷内正太郎の姿がまったく見えてこない。 ここにもう一つの要素が絡んでくる。 田中と谷内は外務次官をあらそった同期だ。 もしあのまま小泉訪朝が成功裏に終っていたら田中は次官になっただろう。 ところがあの時もまた米国に事前の通報なく訪朝したために米国の怒りを招いて頓挫した。 その時谷内正太郎は米国と十分な協議無しに小泉訪朝をお膳立てした田中に批判的だった。 結果的に田中は小泉訪朝の行き詰まりとともに失脚し谷内が外務次官となった。 その時点で田中は外務省に残っても意味がないと悟って外務省を去った。 いま再び飯島訪朝で田中と谷内が対立しているのだ。 つまり安倍首相の田中批判は谷内正太郎と田中均の代理戦争でもあるのだ。 さらにいえばその谷内正太郎もまた卑怯だ。 本来は外務省の立場に立って田中と同様に飯島訪朝を批判すべき立場である。 しかし安倍首相に内閣官房参与にさせてもらった谷内が親分の安倍首相の外交を批判できるはずがない。 自分の保身のために外務省を見捨てて安倍に擦り寄ったのだろうか。 外務省を批判する飯島参与に頭を下げたのだろうか。 それとも日米同盟を優先し、安倍首相には飯島訪朝は米国を怒らせるから断念しろと進言しているのだろうか。 そうだとしたら安倍首相もまた矛盾を抱えていることになる。 内心では飯島訪朝を評価したいが、米国の圧力のために断念せざるを得なくなったというジレンマのために、田中に痛いところをつかれて八つ当たりをしているのだろうか。 実に興味深い米国、安倍、飯島、谷内、田中の関係である。 因みに私は田中とも谷内とも同期である。 拉致問題に取り組むこれまでの姿勢に関しては、拉致問題と日朝国交正常化を一括して解決しようとした田中のほうを支持するが、その田中でさえ、拉致問題解決を立身出世の道具にした。 外務省を辞めた後も日米同盟重視を繰り返し、権力に擦り寄ろうとしている。 私にとっては谷内も田中も大差はない。 保身のために信念を曲げる官僚の内輪喧嘩でしかないのである。」 |