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2013/6/12 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
これが新たな利権拡大じゃなくて何なのか。文部科学省が「大学入試センター試験」を廃止し、高校在学中に複数回受験できる「到達度テスト」を創設するという一件だ。「1回のテストが合否を左右する一発勝負はよくない」という理由で、基礎学力の定着を図るために、到達度テストを年2〜3回、実施することを想定している。
受験生は、その中から一番良い成績を大学に提出する仕組みだ。早ければ5年後をめどに導入する。今後、政府の教育再生実行会議で議論するという。
最も成績の良かったものを受験に利用できるとなれば、受けられるだけ受けようと考えるのが人情だろう。もちろん、受験料はタダじゃない。今のセンター試験と同水準なら、1回の受験料はおよそ1万8000円。年に3回となると、家計への負担も大きい。
社会学者の宮台真司氏はラジオ番組で「センター試験廃止で組織は焼け太り」「きれいごとにダマされちゃダメ」などと指摘していたが、本当にその通りだ。
センター試験を実施する「大学入試センター」は、文部科学省管轄の独立行政法人だ。かつての共通1次試験が90年からセンター試験に移行したが、その後は私大や短大の入試でもセンター試験が採用されるようになり、見事に権益を拡大してきた経緯がある。
「そもそも今は受験生の数に比べて大学の数が多く、全員がどこかの大学に入れる“全入時代”です。日本の学生は大学に入ると勉強しなくなってしまうし、基礎学力の定着というのなら、大学入学後に学力到達度テストを実施した方が現実的でしょう。しかし、少子化で受験生が減る一方だから、文科官僚は試験制度を変えたいのです。年3回の試験にすれば、単純計算で受験料収入は3倍になる。予算も増えるし、新たな天下り先もつくれる。そういう権益を拡大したいという思惑が透けて見えます。自民党と既得権者のタッグによる利権政治が完全に復活した印象です」(ジャーナリスト・横田一氏)
「大学入試センター」は民主党政権時代には、事業仕分けで国の運営交付金(2・5億円)が仕分け対象になった。約100億円の土地財産を持っていることも問題視された。こんな独法が、自民党政権に戻ってまた焼け太りなんて、絶対に許しちゃダメだ。
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