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2013年6月10日 神州の泉
産経新聞を参照すると、米通商代表部(USTR)の次期代表に指名されたフロマン大統領副補佐官は6日に、「市場開放に努める」と述べ、「“高い水準”の貿易自由化」に向け妥協しない方針を表明したそうだ。米国内では、超党派議員団や自動車業界が「日本たたき」とみられる動きを活発化させるなど、警戒感が高まっている。
公聴会では、自動車や保険などで日本市場が閉鎖的だと批判する議員が相次いだことを受けて、フロマン氏は「はっきりさせておくが、粗悪な協定を結ぶより合意しない方がましだ」と言っている。
また超党派議員たちは「日本は輸出を増やすため円安誘導を行ってきた歴史がある」とし、“そうした慣行は容認できない”と強く牽制(けんせい)したようだが、この話は1985年に日本をプラザ合意に巻き込んだ動きとそっくりである。
米国自動車業界にすれば、金融緩和で円安に誘導している昨今の動きに警戒感を強め、昔、スーパー301条をちらつかせた辺りを想い出しているようだが、この動きは年次改革要望書以前の1989年辺りの日米構造協議の歴史をなぞらえるものであり、TPPの陰険で潜行的な不可視化とはそぐわない。
このように“表”で、TPPが稼働した場合の日本の為替介入にまで圧力を掛けてきたことは、冷静に眺めると日本の一般大衆が日米構造協議(日米包括経済協議)の時点を思いだすことに繋がるから、これは対抗上悪い出来事ではない。
当時アメリカは日米構造摩擦を強引に解消するという理不尽な名目で、日本市場に無理筋な強要を行った経過を思い出せば、TPPの本質がこの日米構造協議の最終進化形であることがよく分かるエピソードである。最終進化形を証明する一つの要素がISDS条項であることは言うまでもない。
とくに日本の農業団体に言いたいが、このマイケル・フロマン次期USTR代表は、コメを含む重要農産品の関税撤廃の例外を求める日本に対し、「全品目を交渉のテーブルに乗せるべきだ」と“高い水準”、つまり一品も例外を設けない交渉妥結を強硬主張した首魁なのかもしれない。つまり筋金入りの対日強硬派である。
前のマランティスUSTR代表も、2011年ごろから公聴会などで“高い水準”という言葉を連発しているが、この“高い水準”という不明瞭な言葉は、“例外なき関税撤廃”であり、非関税領域に対しては“例外なき貿易障壁撤廃”以外の意味しかない。
TPPにおいて、アメリカが日本に対し、円安誘導に為替操作したら許さんぞと言うのであれば、それを逆手にとって、そんな踏んだり蹴ったりのTPPならば、フロマンさんのお望み通り、TPPはご遠慮いたしますよと言えばいいのである。
今まで日本の金融緩和政策を必ず頭打ちにしてきた米国が、なぜアベノミクス政策だけは許容していたのかと不思議だったが、米国も我慢の限界になったということか。金融緩和による円安誘導で国民をぬか喜びさせておきながら、TPP参加に道を開かせ、それが固まったと見るや、今度は一転して締め付けに掛かっているということなのか!?
◇
TPP交渉 米、日本に警戒モード USTR次期代表「妥協しない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130608-00000112-san-bus_all
産経新聞 6月8日(土)7時55分配信
【ワシントン=柿内公輔】日本が7月から交渉参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり、米通商代表部(USTR)次期代表に指名されたフロマン大統領副補佐官は6日の議会証言で、「市場開放に努める」と述べ、高い水準の貿易自由化に向け妥協しない方針を表明した。米国内では、超党派議員団や自動車業界が「日本たたき」とみられる動きを活発化させるなど、警戒感が高まっている。
6日の上院財政委員会の公聴会では、自動車や保険などで日本市場が閉鎖的だと批判する議員が相次いだ。フロマン氏は「はっきりさせておくが、粗悪な協定を結ぶより合意しない方がましだ」と決意をにじませた。
フロマン氏はオバマ氏の学友で側近中の側近。通商政策に明るく、国際経済担当の副補佐官としてすでにTPPなどの通商交渉に関与し、各国から「タフ・ネゴシエーター(手ごわい交渉人)」と恐れられる。2月の日米首脳会談でも、コメなど重要農産品の関税撤廃の例外を求めている日本の戦略について、「全品目を交渉のテーブルに乗せるべきだ」と強硬に主張した。
米国内には、日本が大規模な金融緩和で円安に誘導し、輸出攻勢をかけることへの警戒感が強い。約230人にも上る超党派の下院議員団は6日、オバマ大統領に書簡を送り、TPP協定に為替操作に対する制裁措置を盛り込むよう要請した。書簡は日本を名指しこそしていないものの、自動車業界が集積するミシガン州選出のディンジェル議員(民主)は「日本は輸出を増やすため円安誘導を行ってきた歴史がある」とし、そうした慣行は容認できないと強く牽制(けんせい)した。
米自動車大手で構成される自動車政策会議(AAPC)も声明を発表し、「TPPに為替に関するルールを設けるべきだ」と訴えた。
米議会は、日本のTPP交渉参加に向けた協議を7月下旬まで行う。議会が日本の参加を阻むことはできないが、何らかの意見表明などを行う可能性があり、今後のTPP交渉や日米間の協議に影響を与える可能性も指摘される。
一方、公聴会では為替操作についても議論になり、フロマン氏は財務省の所管として直接的な言及は避けたものの、「為替は重要な問題だ」として注視する姿勢を示した。
■TPPをめぐる動き
3月 安倍晋三首相が日本の交渉参加を表明
4月 米国が日本の交渉参加で合意
5月 ペルーで交渉会合
7月 マレーシアで交渉会合、日本が初参加へ
9月 交渉会合(場所未定)
10月 インドネシアでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、交渉基本合意(目標)
年内 交渉妥結(目標)
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