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2013.06.09
「いつやるか? 今でしょ!」は、今年の流行語大賞を取るかもしれない。それをもじっていえば「いつ増税判断するの? 今でしょ!」となる。
来年4月からの消費税率引き上げの是非について、安倍晋三首相自身は現在のところ「白紙」であると言っている。そして自民党の高市早苗政調会長は、安倍首相が今年10月に最終判断すると述べている。どう考えても、7月の参院選では争点化しない方針だ。政治的にはまったく正しい選択であるが、経済的には不安要素がある。
消費増税の問題は、税率を上げるかどうかの「サブ(サブスタンス=中身)」と、いつ判断するかの「ロジ(ロジスティクス=手段)」を分けて考えるほうがいい。
サブとしては、アベノミクスの金融政策の効果が出るまで上げないほうがいい。2年間でインフレ目標2%を達成すると掲げているのだから、2年間待てばいい。法的には政治的な行動を取らなければ来年4月から消費増税になるが、政治家が決めれば、それをひっくり返すことは可能だ。
ロジとしては、10月に最終判断するのでは遅すぎる。おそらく10月頃になると、民間ではシステム対応などの準備をスタートさせていて、なし崩し的に増税を行わざるを得なくなるためだ。
消費増税はやっかいな代物だ。もし今の予定通り来年4月に増税したら、実質GDP(国内総生産)を1%程度減少させる。増税前の駆け込み需要の反動と相まって、来年の経済に大きな打撃になる。
かといって、今年10月頃に消費増税を取りやめにすると、実体経済での落ち込みは防げるが、消費増税を織り込んだ予想インフレ率が一時的に低下する。この影響は株価等の資産市場にあるかもしれない。もちろん、消費増税の実体経済に対する悪影響のほうがはるかに大きいので、消費増税を回避するほうが優先される。ただし、その判断を10月まで先延ばしにすると、それなりの影響もあるわけだ。
というわけで、ベストな選択は、今、消費増税延期を行うということになる。判断するなら「今でしょ!」というわけだ。今その判断をしたうえで、必要に応じて追加金融緩和を行えばいい。当然のことであるが、それは株価対策ではない。
世間一般に、アベノミクスは株価対策であるとの誤解があるが、あくまでインフレ目標2%を目指す金融政策だ。インフレ目標2%とは、消費者物価指数の上昇率を対前年同月比で測って2%程度にするというもの。消費者物価指数には、株価などの資産価格は含まれていない。だから、いくら株価が上がっても下がっても、それを理由とする金融政策の変更はあり得ない。
1990年頃のバブル崩壊後、インフレ率が高くなかった時に、三重野康総裁率いる当時の日銀は金融引き締めを行った。これは資産価格の高騰を金融引き締めで対処しようとした金融政策の明白なミスである。今、株価の低迷を理由に金融緩和したら、そのミスを再び繰り返すことになる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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