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2013年6月 9日 神州の泉
何度も言うが、多国籍企業がその欲望を具現化するために、狙った国々に手をまわして効果的な擬制(ぎせい)と言論弾圧法を敷くのは常套手段である。
戦時中ではない時期に言論統制を敷く図式とは、一見公益の体裁を装っていながら、運用次第では官憲側の裁量で言論弾圧を可能にする法律群のことである。これに手を貸す許しがたい売国奴たちは同胞の生存権や権利を売り渡すことに躊躇がない。
またひとつ、小さく生んで大きく育てる邪悪な人権蹂躙法案が出てきた。
厚生労働省は、精神障害者の福祉や保護という名目でとんでもない法案改正を提出している。『精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案』(略して「精福法」)である。
弁護士・里見和夫氏による「一部改正の概要」を参照すると、精福法の一部改正案等の主たる内容は、次の点にあるらしい。
(1) 厚生労働大臣は、精神病床の機能分化等精神科医療の提供に関する指針(厚生労働大臣告示)を定める。
(2)保護者に関する規定を削除する。
(3) 医療保護入院の見直し
里見弁護士によるこの概要には、(1)については、厚生労働省が設けた検討チームにおける議論に照らすと、入院医療について、「早期退院に向けた取組」と称して、
「統合失調症長期入院患者を前提とした体制から患者状態像に応じて急性期医療を適切に提供できる体制とするため、急性期に手厚い医療を提供するため、医師、看護師等配置を見直すなど精神病床機能分化推進」を軸とするようだ。
急性期病床で一般病床と同等人員配置とすることなどを指針で定めるとされているが、悪名高い「医療法精神科特例」を廃止することは予定されていないそうだ。それどころか、長期入院患者をどのようにして退院につなげていくか、施策的にはほとんど触れられておらず、むしろ、現今の「医療法精神科特例」すら下廻る劣悪な人員配置でよいとする方向性らしい。
恐ろしいのは(2)の保護者に関する規定の削除である。この法律は障害当事者の人権という意味でも大問題だが、精神科に入院しなければならないという判断の段階で、大幅に閾値を狭めている。
詳しい話は中日新聞の当該記事を読んでいただきたいが、従来は後見人や配偶者など「保護者」の同意が必要だった強制入院が、三親等までの誰か1人の同意でも可能になるという。弁護士たちは「安易な強制入院が横行しかねない」と指摘している。
精神障害者の強制入院には二種類あるという。一つは行政による「措置入院」で、警察が保護するなど、自傷行為や他者を傷つける恐れがある場合で、専門医二人が診断した上で都道府県知事が決定すること。
もう一つは、ここからが恐ろしい話になるが、今回改正案の対象になる「医療保護入院」。本人に病気の自覚がなく入院に同意しない場合、専門医の診断に加え、保護者の同意で入院させられる。
保護者になり得る優先順位は1後見人、2配偶者、3親権者、4扶養義務者(3親等以内の親族)−で、このうちの誰か1人でも保護者資格を持てるということなのか。自助団体・全国「精神病」者集団の山本真理さん(60)は「保護者制度の廃止を望む家族団体の願いを逆手に取った法の改悪だ」と訴える。
「保護者になり得る人の優先順位がなくなるため、一人の親族が同意しただけで病院に入れられてしまう。医師を説き伏せて気に入らない人間を入院させたり、相続問題の延長で、こっそり入院に同意してしまうよう問題も起きかねない」
この改正法案に対する問題意識はネットで散見されるが、ほとんどが障害者の人権に焦点が当てられている。それはそれで重要なのだが、もう一つの重大な危惧がある。それはこの法案の改正主旨がかなり不気味で恐ろしい可能性を秘めているように思えることだ。
つまり、この法案が施行された場合、正常な人間を恣意的に、裁量的に、病気と判断して、強制入院させることができる道を開くものではないのか。かつての共産圏では実際に行われたようだ。
この改正状況で、精神の病(やまい)を判断するためのマニュアル(指針)が官憲の意志で勝手に創られた場合、運用次第では、その拡大解釈によって、狙った人物を『要入院』とみなすことができるように持って行くのではないのか!?
この発想は昔から、小説やドラマなどに出ていたような気がする。冒頭に述べたように、平時の言論弾圧とは公益に寄与する体裁をまといながら、運用次第では個人の自由や表現を制限できる法律になる。
最も確実な言論弾圧は、ターゲットを殺すか世間から隔離することである。この法案は後者に道を開くものではないだろうか。隔離するだけでなく、薬漬けや拷問で被害者の人格が破壊されかねないことになる。
国民を騙してTPP交渉参加を表明したことを判断すれば、安倍政権の打ち出す政策や法の改正は何一つ信じてはならない。
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