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2013年06月09日 世相を斬る あいば達也
今夜のコラムは、見出しほど深い検証がなされているわけではない。単に、そんな感じだな〜と云う程度の事である。以前から、安倍晋三と云う政治家は、心情右翼であるが、リーダーとしてはヘタレ度が強いので、周りの意見に左右される。かなり人柄自体も好いのだが、論理的に物事を考える思考経路は持ち合わせていない。戦略に則って当初は動くのだが、途中から個人の情緒が顔を出し、物議を醸す。こう云う人は、時流に乗っている時は良いのだが、一旦逆風が吹きだすと脆くも挫折する傾向が強い。
勿論、一人の人間の中には、様々な自分がいるのは事実だし、人は夫々、その状況に応じて、その引き出しから、適切な自分を引っ張り出して生きている。ゆえに、安倍晋三が悪いと言っているわけではない。ただ、一般の生活者でも、社会的地位やポジションに応じて、表に出す顔は安定する事を社会は要求する。大多数の人間は、情緒と理性が鬩ぎ合う場面に遭遇し、それを何とかクリアしながら、現在の自分をキープしているわけだから、安倍晋三が情緒と理性が鬩ぎ合う場面に遭遇し、苦悩しているのなら、それはそれで、人間として理解のしようもある。
しかし、彼の場合は、かなり違う印象を持つ。情緒と理性が鬩ぎ合う場面に遭遇していないのではないかと云う疑念である。仮に情緒と理性が融合しているのなら、論理的矛盾もあり得ない。そうなると、対中、対韓に対する歴史認識にみられる国粋的イデオロギーとグローバル経済の推進と云う国家概念を希薄化する政策や方針が混濁状態で、何の躊躇いもなく口から出放題になるのは奇異だ。安倍の心情は先の大戦の戦勝国への挑戦状を鎧の下に隠し持っている策謀家のようにさえ思えることもある。
だが、その考えが買い被り過ぎなのは直ぐに判る。彼は、そもそも国粋的イデオロギーとグローバリゼイションが共存できる云々のレベルまで、各々が思考レベルに達していない可能性の方が高い。もしかすると、言葉は知っているが、その両方の言葉の持つ意味を充分に理解していない可能性さえ感じるのである。それでも、内閣総理大臣は過密なスケジュールさえこなせれば、誰でもなれるポジションなのかと、奇妙な考えに捉われる。安倍支持層の人々の中では、安倍首相は最終的にTPPへの参加を断念する腹に違いない、と云う言説まで流れているが、今さら日本政府が米国政府の要請を拒否できる国体とは思えない。そんな見事が裏切りを米国相手に出来るなら、筆者は急遽安倍支持者になるのもやぶさかではない(笑)。
安倍晋三さんの話で時間を喰ってしまった。本題と安倍晋三の矛盾する二面性に特別の脈絡はないが、マスメディアにおいては、今夜例示する東京新聞の社説のように、小さな政府論者と大きな政府論者が混在しているとか、市場原理主義的思考と国民の生活重視思考が共存していることは非常に健全なのだと感じる。前者の社説は長谷川氏のものだろう、後者については判らない。いずれにせよ、同じ新聞社でも、これだけ異なる視点で社説を書ける自由こそが、メディアのジャーナリズム精神なのだろうな、と感じた。筆者は勿論後者的考えだが、長谷川幸洋は明らかに浜田宏一の代弁者のようになってきた。三木谷が宮内の替わりで、竹中に浜田が加わり、応援団として長谷川が加わった。まさに電通が考えそうな布陣である。
≪ 週のはじめに考える 消費増税は延期すべきだ
景気に薄明かりが見えてきました。安倍晋三政権は今秋、来年四月から消費税を引き上げるかどうか最終判断します。ここで冷や水をかけていいのか。
二十三日の木曜日から始まった株価の動揺は先週いっぱい、続きました。円の為替相場や長期金利の指標になる債券とも連動して、金融市場は上がったり下がったり神経質な動きになっています。
円安株高は昨年十一月から、ほぼ一本調子でした。これだけ上がれば「いったんスピード調整」という展開になるのは自然です。むしろ、このまま市場が過熱するほうが怖い。ここは冷静に受け止めるべきでしょう。
◆「よちよち歩き」の経済
株価はともかく、実体経済がどうなっているかと言えば、次第に上向いてきました。個人消費や生産活動が着実に改善しています。五月の政府月例経済報告では「景気は緩やかに持ち直している」という基調判断でした。
ただし、デフレを脱却できたわけではありません。報告は「デフレ状況にあるものの一部に変化の兆しもみられる」と慎重です。
ひと言で言えば、ようやく景気は立ち上がってきたものの、まだ「よちよち歩き」の状態なのです。これから二本の足でしっかり立って、全力で前に走りだせるかどうか。二十年にわたる「大停滞」から抜け出せるかどうか。それは、今後の政策展開にかかっています。
そういう観点から見ると、課題が二つあります。一つは「アベノミクス・第三の矢」といわれる成長戦略、とりわけ規制改革を抜本的に進められるかどうか。もう一つが消費税の扱いです。
規制改革については、一朝一夕にはいきません。農業一つとっても、そこには農協とか農業委員会とか地域にしっかり根を張った組織があり、現行の法制度の下で既得権を拡大してきました。
◆税率アップが税収減に
農業全体の構造を改めて「世界で戦える成長産業に育てよう」と思えば、農地法改正を視野に相当、骨太な議論が必要です。
とはいえ、これはやり切らねばなりません。中途半端に終われば、日本経済の安定成長は結局、夢か幻に終わってしまうでしょう。その前に、金融市場が必ず反応します。失望感が広がって調整どころか暴落してもおかしくない。いま「世界が日本経済に注目していればこそ」なのです。
そこで、二つ目の消費税です。いまの局面で増税を決断する必要があるのでしょうか。
そもそも、なぜ消費税引き上げが決まったか。言うまでもなく、日本の財政赤字が膨らんで、このままでは危機的状況になると心配したからです。だれが。財務省と前の野田佳彦政権が、です。
もともと野田佳彦前首相は「増税の前に政府に巣くうシロアリ退治をする」と言って当選してきたのですから、国民をだました増税でした。増税に政治的正統性がないのですが、そこは政権が倒れたので措(お)くとしましょう。
消費税引き上げが不可欠とされた根本の理由は「増税しなければ財政が立て直せない」とみたからです。しかし、増税で財政再建ができるわけではありません。ここが肝心なポイントです。
それは一九九七年に消費税を3%から5%に引き上げた時の経験が物語っています。当時、橋本龍太郎政権が断行してみたものの、それから国の税収全体は傾向として減り続けました。
たしかに消費税収は増えましたが、法人税収や所得税収が減ったからです。赤字企業は法人税を納めませんし、家計だって累進課税制度の下で所得が減れば所得税が少なくなる。だから税収は景気に連動します。
財務省は「消費税の税率さえ引き上げれば税収が増える」と信じているようですが、それが誤りなのは事実が示しているのです。
では、どうすればいいか。もっとも大事なのは、まず経済を立て直す。日本経済を真に安定軌道に乗せる。それに尽きます。経済再建に失敗し、再び停滞の泥沼に落ち込んでしまえば、元も子もありません。税収は増えるどころか、また減ってしまうでしょう。
まずは、いま明るさが出てきた景気の勢いをしっかり根付かせることが重要です。そのうえで税収が伸びるかどうかを見極める。景気が回復すれば税収は必ず増えるのですから、その時、あらためて増税が必要かどうかを検討しても遅くはありません。
◆景況好転が台なしに?
これまでのところ、アベノミクスは成果を挙げています。しかし、消費税引き上げを急げば、せっかくの景況好転が台なしになってしまうかもしれません。ここが経済運営の正念場でしょう。政権の慎重な判断を求めます。≫(6月2日:東京新聞社説)
≪ アベノミクス 国民主役の成長戦略を
安倍政権の経済政策アベノミクスが雲行き怪しい。異次元の金融緩和で盛り上がった市場も、肝心の成長戦略で失望が広がった。企業最優先でなく、国民が幸せになれる成長戦略に転換すべきだ。
安倍政権は六日、成長戦略に続いて経済・財政政策の指針となる骨太の方針をまとめた。社会保障費抑制のために生活保護をさらに削り込む一方、公共事業は重視するなど相変わらずの姿勢である。
成長戦略の眼目は「世界で一番企業が活動しやすい国」にすることだという。外資を含め企業が進出しやすいよう税制や規制に配慮した「国家戦略特区」をつくる。安全性が確認された原発の再稼働を進める。二〇二〇年にインフラ輸出を三倍に増やし、外国企業の対日直接投資額を倍増させる、などが目玉だ。
「成長戦略の一丁目一番地」とした規制改革では、解雇しやすい正社員といわれる限定正社員の雇用ルールを来年度に決める方針を打ち出した。
これらアベノミクスの成長戦略に通底するのは、経済界の要望に沿った企業利益を最優先する思想であり、働く人や生活者は置き去りにした国民不在の空疎な政策である。「富める者が富めば貧しい者にも富が自然に浸透する」というトリクルダウン経済理論によるといわれるが、米国では貧富の格差がさらに拡大する逆の効果が起きたのは広く知られるところだ。
そんな経済界に配慮したはずの成長戦略だったが、市場の反応は冷淡だ。それは一言でいえば、総花的に事業を並べたものの、目標達成までの実現性が疑わしいためである。規制改革でも参院選勝利を最優先して農協や医師会などの既得権には切り込まず、まやかしの姿勢が市場に見透かされた。
そもそも成長戦略や規制改革は誰のためのものか。国民を不幸にするものならば、ない方がましである。介護や医療、文化、スポーツなど国民の幸福につながる成長分野は多々あるはずだ。
デフレ脱却のために経済成長は必要である。だとしても、そのために原発再稼働を急いだり、他国に原発を輸出するのは間違っている。福島原発事故の原因すら究明できていないのである。
フクシマを経験した日本がなすべき成長戦略は、再生可能エネルギーや省エネ分野の研究、実用化に注力することではないのか。世界で一番を目指すな らば、こうした地球規模で貢献できる仕事こそがふさわしい使命である。 ≫(6月7日:東京新聞社説)
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