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2013-06-09 07:09:59 生き生き箕面通信
「皆さんの所得を、アベノミクスによって1年で150万円増やします」と、アベノミクスを宣伝して回る安倍首相。都議選の応援演説という”どさくさまぎれ”で、有権者をめくらましにかけて回っています。
昨日6月8日は都内6か所を遊説したのですが、その中で使った文言は、「所得」「平均年収」「収入」「年収」といろいろ変えたそうです。安倍首相自身は聴衆をごまかすことになることがよく分かっているから、苦しまぎれに使う文言を変えているのでしょう。
安倍首相が「増える」と有権者に訴えている内容の文言は、「国民総所得(GNI)」であり、このGNIをアベノミクスによって10年間で大きく増やす、と約束しました。10年後のGNIを総人口で割れば、一人あたりは150万円増えることになる計算というものでした。
ここには明らかにトリックがあります。仮にGNIは想定通り増えたとしても、例によって企業が内部留保に回してしまえば、あるいは富裕層の配当などにだけ回せば、国民の所得は少しも増えません。「国民一人あたりの年収」とは、まったく異なります。安倍さんは、そのことが分かっているはずです。
それでも新たにGNIを持ち出したのはなぜでしょう。これはGNIが「国民総所得」だから、「総所得が増える」=「国民の所得が増える」=「一人あたりの所得が増える」と錯覚させたかったのだと分析できます。
わが国が使ってきた国民になじんでいる経済指標はGDP(国内総生産)でした。しかし、GDPは、デフレ下では伸びがぱっとしません。そこで見栄えのいい数字はないかと考えたあげく、「所得」という文言が入っている「国民総所得」、GNIという語に行き着いた。GNIには海外からの利子配当も含まれるので、ずっと見栄えが良くなる。
しかし、好事魔多し。株式市場では、「鳴り物入りの成長戦略第3弾も、しょせん目くらましに過ぎなかった」と見破られました。株は、第3弾を発表する安倍首相の演説が終わらないうちに大幅下げに転じ、下げ基調が定着してしまいました。
TPP(環太平洋経済連携協定)についても、「聖域は守る」と何度も強調しましたが、もうボロボロです。しかも、その情報を隠して出しません「。原発は徐々に減らしていく」と選挙では約束しましたが、実際にやっていることは、再稼働と新設を画策する。
「政治家はウソをつく」のが相場と分かっていても、これほど隠ぺいとウソで塗り固めた政権も珍しい。結局、国民をなめているのです。なにをやっても、国民の支持は変わらない、という安倍氏の満々たる自信。事実、有権者が結果としてこの政権を選んだのは間違いない。だけど、いつまでもこんな政権をのさばらせておいていいのでしょうか。
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