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2013年6月 7日 植草一秀の『知られざる真実』
橋下徹大阪市長がオスプレイを大阪府八尾市も受け入れる構想を表明し、NHKが定時ニュースで長々と時間をかけて報道するが、このようなニュースを、時間をかけて報じる理由はない。
円が急騰して日経平均株価が13000円を割り込んだことの方が、はるかに大きなニュースである。
厚労省が年金資金を使って、株価を引き上げる「株価操縦」を行おうとすることも邪道である。
橋下徹氏は、日本のリーダーになる資質を備える人物ではない。
そもそも、橋下徹氏を誇大に宣伝してきたことが不自然であり、合理性のないことだ。
その橋下氏が未熟な行動を繰り返して、いまや完全に支持を失っているのは順当そのものである。
水が高いところから低いところに流れるのと同じように、徳を備えず、賢さを備えぬ者の人気は長くは続かない。
これまでの維新人気は、マスメディアが人為的に創作した「虚構」に過ぎなかった。
「虚構」とはメッキのようなもので、時間が経過すれば、必ずメッキが剥がれ、地がむき出しになる。
表面はくすんでいても、地が本物であるなら、表面を磨いているうちに、やがて必ず美しい地が表に表れてくる。
私たちは「メッキ」で装飾されたまがいものではなく、地が無垢でできた「本物」を見出し、この「本物」に全面に立ってもらうことが必要だ。
「メッキ」のもうひとつの代表が「アベノミクス」である。
多くの人が「アベノミクス」を絶賛してきた。
「アベノミクス」で日本が生まれ変わる。
光り輝くアベノミクスと絶賛する者ばかりだった。
しかし、この「アベノミクス」のメッキも、早くも剥げかかっている。
「アベノミクス」第一の矢である金融緩和政策だが、黒田総裁が4月4日に、「異次元」金融緩和を打ち出したその日から、日本の長期金利は上昇傾向を示し続けている。
「異次元」金融緩和のストーリーとは、金融緩和が金利低下をもたらし、円安と景気拡大と株高とインフレ率上昇をもたらすというものである。
ところが、「異次元」金融緩和を実行したら、長期金利は低下するのではなく、上昇し始めたのだ。
金利上昇は円高要因になる。
円高が進行し、株価が急反落した。
これですべてが終わったわけではないが、提示されていた話とまったく違うことは誰にでもわかる。
こうなると、選択肢は二つに一つだ。
何が何でもインフレを引き起こすとなるなら、日銀資産の劣化誘導に突進することになる。
ハイパーインフレへの道だ。
この道を選ばないとなれば、元の伝統的な金融政策手段の範囲内での金融緩和ということになる。
これなら、白川総裁時代の日銀と変わらない。
金融政策は魔法の杖ではないのだ。
アベノミクスは金融緩和をあたかも「魔法の杖」であるかのように語ってきたが、「魔法」ではなく「トリック」、あるいは「ペテン」に過ぎなかったことが、次第に明らかになりつつある。
アベノミクス第二の矢は「財政出動」だが、この内容がいただけない。
安倍政権は13兆円もの規模の補正予算を編成したが、こんな余裕があるなら、消費税大増税を少なくとも2年は先送りできたはずである。
財政政策で大事なことは、限られた財政資金を、いかに有効に活用するかという点だ。
いま日本で必要な財政支出とは、バラマキ公共事業や官僚利権のためのお手盛り政府支出ではなく、生活者の生活基盤を安定化させるための政府支出である。
ところが、安倍政権はバラマキ公共事業や官僚利権のためのお手盛り政府支出をてんこ盛りにする一方で、生活者の基盤を切り崩すような冷酷な政策に突き進んでいる。
生活保護支出の実質的な切り捨てや、年金支出の切り込みなどばかりに熱心なのである。
中長期の政策テーマは「成長」よりも、バランスのとれた「分配」である。
経済のパイが大きくならないなかで、所得格差だけが急激に拡大した。
一握りの富裕層が富の収奪を進める一方で、中間層が低所得者層に転落し、新しい貧困問題が急激に拡大している。
強いものをより強くする政策ではなく、下層に追い込まれた多数の人々の生活を支え、生活を安定させる政策こそ求められている。
参院選を前に、アベノミクスのメッキが剥がれ始めたことは、日本国民にとっての福音である。
この傾向が強まれば、自民党が獲得する議席が減少することになる。
1議席でも多く、自民党の獲得議席を削減しなければならない。
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