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2013/6/5 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
横浜で開かれた「アフリカ開発会議」で、安倍首相は37カ国の首脳との「マラソン会談」を行った。ギネスに申請……なんて、冗談も出たらしいが、ベルトコンベヤーに乗せられたような各国首脳はさて、どう感じたか。
安倍は会場のホテルの一室にこもりきり。約20分刻みで各国首脳を呼び入れて、どの相手にも「今回が○度目の訪日ですね」と切り出した。予定時間が来れば「ハイ、次の国」。企業の採用担当者じゃないのである。
安倍サイドは「トップセールスで、日本企業のアフリカ進出を後押しする」と鼻をふくらませていたが、この程度の“顔合わせ”で、何がどうなるものか。国際会議をナメている。
元レバノン大使で、外務省のアフリカ第2課長を務めた天木直人氏は「面接官のような首相の態度は各国首脳に失礼。かえってアフリカ進出の妨げとなる」と切り捨て、こう続けた。
「猛烈に経済成長を遂げるアフリカ市場は世界最後のフロンティアです。だから、外務省時代に『もっと重視すべきだ』と何度も進言しましたが、政府は聞く耳を持たなかった。ずっと関係を軽視したツケで、日本はアフリカ進出が遅れた。他国と比較すれば、10年は遅れている。特に中国には水をあけられ、対アフリカ輸出入額は日本が300億ドルなのに対し、中国が1660億ドルです。これぞ、トップセールスの差で、中国の主席や副主席ら要人は01年以降、延べ80カ国のアフリカ諸国を訪問している。日本の首相は過去7年間、一度もサハラ砂漠以南の国に足を踏み入れていません。10年の出遅れを20分間の面談で取り戻そうという発想自体がムシの良すぎる話だし、バカげています」
安倍は「今後5年で官民による最大320億ドル(約3・2兆円)のアフリカ支援」をブチ上げたが、このカネも回り回って中国に持っていかれるのがオチだろう。
マラソン会談なんて、単なる話題づくりというか、パフォーマンスだ。トップセールスを強調しているのも、大企業にいい顔をしたいからで、その裏には「参院選での協力を」という思惑がある。マラソン会談なんて、「アホなことやるな!」と言わなければおかしいのだ。
「それなのに、メディアは官邸と一緒になって、『ギネス申請』とか騒いでいる。どうかしていますよ。首相がアフリカ外交に活路を見いだしたのもそれだけ対中・対米・対韓外交が行き詰まっている証拠です。こちらの外交危機こそ伝えるべきです」(天木直人氏=前出)
いまや、この国の大マスコミは「政権の宣伝屋」同然だ。
◆人気優先で将来世代を犠牲にする危うい正体
そもそも安倍の異常な過密スケジュールは今に始まったことではない。就任5カ月で終日、自宅で過ごした“完全休養日”は、たった一度きり。暇さえあれば、被災地や成長戦略のPRのために医療施設などを視察していて、そうでなければ、芸能人のライブ会場に飛び入り参加するなど、パフォーマンスに明け暮れている。
そりゃ、仕事をするのを「悪い」とは言わないが、メディアがそれを垂れ流すのは、絶対に違う。安倍にしてみれば、ニュースがない週末に電波ジャックするようなものだ。宣伝屋=大マスコミは、まんまと利用されているのである。
外遊もハイペースで、これまでの訪問先は10カ国。あす(6日)は初来日するオランド仏大統領を国賓として出迎え、17日にはG8のため、北アイルランドへ飛び立つ。週末も都議選や参院選の応援などで、すでに予定はビッチリ埋まっている。
そんな「年中無休」の安倍をメディアが追いかけ、絵にしてやる。その宣伝効果はすさまじい額になるのだろう。安倍ならずとも、アチコチ出かけたくなるわけである。
政治評論家の森田実氏はこう言った。
「メディアに出まくれば、人気はついてくるという国民をナメきった発想です。本気で国民を思っていれば地道に政策を練り上げ、思索にふける時間をつくるはず。成果を積み上げれば自然と支持率は上がるのに、無能だからこそ、パフォーマンスに精を出すしかないのかもしれません。いずれにしろ、高支持率を維持して参院選に勝ちさえすれば何でもやれる。“押しつけ憲法”を吹っ飛ばし、中国や韓国に目にモノを見せてやる。そんな愚かな個人的野望をかなえるために、手を替え品を替え。軽業師の瞬間芸のごとく、その場しのぎのパフォーマンスに興じているのでしょう。メディアも首相に利用されているのは百も承知で、共犯関係を続けているのだから落ちたものです」
安倍という政治家の薄っぺらな本性が透けて見えてくるようだ。
◆刹那に過ぎる破滅型政治に警鐘を鳴らせ
瞬間芸といえば、今やイカサマが露呈したアベノミクスだって同じだ。
安倍は力ずくで日銀総裁のクビをすげ替え、インフレ目標を宣言させ、異次元緩和をやらせた。マネーをジャブジャブにして、円安を誘導、投機マネーを株に流して、つり上げたが、こんな手品が長続きするわけがない。長期金利の上昇と株価急落で、アベノミクスの化けの皮は剥がれている。
成長戦略の前に、へたっているのだから世話はないが、これだって、安倍のパフォーマンス=刹那的なゴマカシ、軽業なのである。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)が言う。
「株価が上がれば、自分の支持率も上がる。そんな短絡的な考えで、首相はアベノミクスという危険な賭けに打って出たのでしょう。最初からムリ筋の禁じ手なのですから、効果が短期間で薄れるのは当たり前。今後もアベノミクスのほころびは次々と明らかになると思います。通貨の番人である中央銀行が円の価値を下げるというタブーを犯した。異次元緩和で日銀が買い上げた膨大な国債はどうなるのか。いずれ国債は暴落し、その瞬間、円の信認は吹っ飛んでしまう。アベノミクスはあまりにも危険な賭けなのです。安倍首相は国や国民の将来を犠牲にしても構わないのか。それでも目先の株価が上がり、高支持率を維持できればいいのか。だとしたら、恐ろしいまでに刹那的で乱暴で、破滅型の政治家です」
そうした姿勢が過密日程のパフォーマンスにも表れている。だから、この男は危ないのだ。大マスコミのアベノミクス礼賛報道は、この国の行く末を誤らせている。
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