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参院選の告示日(7月4日予定)まで、昨日でちょうど1ヶ月に。自民党では全国幹事長会議が行なわれ、かりゆし姿の安倍首相が「戦いの火ぶたは事実上切られている」と檄を飛ばしていた。自民党は、連立を組む公明党と併せて参院で過半数をとることを目標に掲げ、本格的に選挙活動を行なおうとしているのだが・・・。ところが、そのスタートで、自公の選挙協力に大きな亀裂のはいるような事態が起きたという。
3日、同選挙区で自民党から出馬する現職の古川俊治氏が、党が公明党の候補者に推薦を出したことに憤慨。何と記者会見の場で「創価学会は嫌いだ」と発言した上、公明党を批判しまくったというのだ。『3日、埼玉県庁で記者会見した古川氏は、党本部が公明新人の矢倉克夫氏に推薦を出したことを問われ、一気にまくし立てた。「自民党の支持者に『公明党に投票してほしい』と言うのは、有権者をバカにした話だ。たかが過半数を取るために責任政党がそんなことをしていいのか」
矛先は公明党にも向け、「僕自身は公明党に入れたこともない。やっぱり創価学会は嫌いだ。まだ民主党の残党とか日本維新の会の一部と付いた方がいい」とまで口にした。(産経新聞6月4日)』『自民党の古川俊治参院議員は3日、自身が改選を迎える夏の参院選で、同じ埼玉1選挙区で争う公明党の新人候補に自民党が推薦を出したことに関して「不服だ。最後まで承認しない」などと批判した。県庁で開かれた会見で答えた。
自民党は4月、古川氏のいる埼玉選挙区で公明党新人の矢倉克夫氏を推薦する異例の決定をし、注目が集まっていた。背景には5月のさいたま市長選や参院選の他の選挙区で自民党が公明党の協力を得るための見返りなどがある。古川氏の発言は、自公共闘態勢に影響を及ぼす可能性もある。会見で古川氏は、推薦決定の際、自民党の石破茂幹事長に「『過半数を取りたいのは分かるが、小手先だけで政党の本質を忘れていいのか』と話した」と明らかにし、公明党に対しても「人の党の票を分けてくださいという前に、無党派層に訴え掛けろよ、と言いたい」と強い口調で非難した。(共同通信6月3日)』
いや〜、これはマズイっしょ。もしmewが公明党or学会関係者だったら、自民党候補の応援&投票なんかやってやるもんかと憤慨しちゃいますね。『自民党内には古川氏への同情も少なくないが、執行部は4日、選挙協力に影響しかねないとして打ち消しに躍起となった。「ご迷惑をおかけしてすみません。自公の選挙協力に影響が出ないように、しっかりとやりましょう」自民党の石破茂幹事長は4日、都内のホテルで会談した公明党の井上義久幹事長に、こう陳謝した。(中略)
公明党は、石破氏の陳謝を受けて矛を収めた形を取ったものの、不快感を隠せない。幹部は「埼玉以外の大半の選挙区で公明が自民候補に推薦を出していることを理解していない。子供じゃないのに『創価学会が嫌い』なんて記者会見で言うか?」とぶちまけた。公明党は全国47選挙区のうち40選挙区で41人の自民党立候補予定者に推薦を出した。片や、自民党が公明党の選挙区立候補予定者4人のうち推薦を出したのは矢倉氏1人。自民党執行部は、埼玉選挙区で公明党に貸しをつくることで両党の選挙協力をスムーズにするシナリオを描いていた。
古川氏が所属する町村派の町村信孝会長が4月に古川氏を擁護し、執行部を批判したことがある。参院内にも矢倉氏の推薦を決めた石破氏への批判がくすぶる。しかし、脇雅史参院国対委員長は4日、古川氏を注意し、記者会見では「基本的に問題があるわけではなく、これから何かするような話ではない」と述べ、沈静化に必死だった。(産経新聞6月4日)』
埼玉選挙区は定数3人のところに、各党から7人(+α)の候補者が出馬する激戦区。自民党は、現職の古川氏を公認&擁立することに決めていたのだが。公明党が自民党に自党の候補を推薦して欲しいと要請したことから、自民党内では、もう3月ぐらいから、その件でゴタゴタが始まっていたのだ。古川氏は、医師&弁護士で、大学と連携し、先端医療を行なうベンチャー企業を設立するなど多彩な分野で活躍。<TRFのSAMのいとこなのよね>07年の参院選で、埼玉選挙区に自民党から出馬して2位になり初当選を果たし、次の参院選で2期めを目指しているのだが。この選挙区は公明党の候補がいるため、古川氏自身は公明党の選挙支援を受けられない上、相手は強力なライバルになることから、古川氏もかなりナーバスになっているのではないかと思われる。
実際のところ、自民党が自党の公認候補がいるにもかかわらず、他党の候補まで推薦するのは異例なことかも知れないのだけど。公明党は、07年の参院選で現職候補が落選している上(この時は古川氏のほか、民主党の新人が2人当選した)、今回は維新&みんなが協力して同選挙区に候補者を立てることを検討していたので、こちらもかなりナーバスになっているところがあって。今度は確実に勝利するために、自民党の支援が欲しかったようなのだ。
これには、安倍首相や石破幹事長も相当困ったようなのだが。<3月だったか、安倍首相が自ら古川氏と会って話をしたと報じられていたことが>何分にも、自民党は、99年に公明党と連立政権を組んで以来、全ての国政選挙で公明党と選挙協力を行なって、その支持団体である創価学会の組織的な選挙活動&集票に頼る形で選挙を行なって来ているし。 それこそ公明党は、今回も全国47選挙区のうち40選挙区で41人の自民党立候補予定者に推薦。自党が候補者を擁立していない選挙区でも積極的に自民党候補の支援を行ない、「比例は公明党に。選挙区はXXXに」と自民党候補の名をアピールし続けているわけで。
もし自民党がこの推薦要請を断った場合、他の選挙区での支援に影響を及ぼすおそれがある。<選挙区の候補者の中には、公明党とは国家観や憲法観が大きく異なる超保守タカ派の候補もいるのだが。学会員たちは、(本当はイヤイヤながらも?)懸命に選挙で支援や投票を行なって来ているのだし。学会の人の中には、「自民党こそ、人の党の支援や票をアテにせず、無党派層に訴え掛けろよ」と言いたい気持ちでいる人が少なからずいるかも。
結局、石破幹事長は4月に、公明党候補に推薦を出すことに決めたのだが。この決定には、古川氏自身はもちろん、同氏が所属する町村派の長や議員などが強い反発を示していたのだ。<『町村信孝元官房長官は18日、「自民党幹部に文句を言いたい。片方(公明新顔)を自民党が推薦していて、相当の票が流れることが大きく懸念される」と、推薦を決めた石破茂幹事長の対応を批判した。(朝日4.18)』>
まあ、おそらく安倍首相や石破幹事長などの自民党幹部は、何とかこの件の火消しに努めて、予定通りに自公の選挙協力を進めようとするのではないかと思うのだけど。mewは、この発言がきっかけになって、自公それぞれに貯まっていたストレスが爆発したり、以前から生じていた溝が深まって亀裂が生じたりするおそれがあるかもな〜と思うところがある。何度も書いているように、安倍首相&陣営と公明党は、前政権の時からずっと、決して良好な関係にない。
安倍陣営は前政権の時もそうだったのだが、公明党がアレコレ言って来るせいで自分たちが考えるような形で超保守政策&立法を行なえないことに不快感を抱いている。<また超保守派には、創価学会を嫌っている人が結構いて。政教分離を盾に公明党を批判する勉強会や議連を作ったり、自公連立の際に反対運動を行なったりしていた人もいたのよね>
安倍陣営は今度こそ憲法改正を早期実現したいと思い、参院選で96条改正先行案を公約にして争点化することを目指していたのだが。公明党が96条改正先行には反対の立場であるため、結局、公約から外すことに。<米国や党内の一部も96条改憲先行を望んでいなかった&世論調査の結果も悪かったというのも公約から外した要因になっているけど>
また公明党は、安倍首相が力を入れている「教育再生」の愛国心教育や教科書検定&歴史認識の見直し策や、村山談話、河野談話の見直しなどにも否定的だし。安倍自民党が参院選後に実現を目指している集団的自衛権の行使容認にも消極的な立場ゆえ、折角、自公で参院過半数をとっても、またまた自分たちの考えるような政策や立法ができない可能性が高い。<ちなみに、公明党は福祉重視のリベラル政党ゆえ、安倍自民党の新自由主義的な経済・社会政策でも合わない点が多々あるのよね>
古川氏は3日の会見で「まだ民主党の残党とか日本維新の会の一部と付いた方がいい」と発言していたそうなのだが。自民党の中には、おそらく同じ思いを抱いている超保守派or保守タカ派の議員が少なからずいることだろう。安倍陣営は、いざとなったら公明党を切って、同じ超保守派の維新の会と連携することを考えていたのだが。橋下発言による維新の支持率低下で、それも困難になってしまっただけに、尚更にストレスが高じている議員が多くなっているのではないかと察する。
他方、公明党もかなりストレスが貯まっている状態にあるように見える。安倍自民党は、参院選まで安全運転をすることを約束していたのに、高支持率に気をよくしてか安倍カラーをどんどんオモテに出し始めたため、中韓だけでなく欧米からも警戒されたり、公明党の支持者から批判されたりすることになったし。公明党(&学会)はもともと中国との関係を重視しており、何とか日中関係の改善をはかりたいと考えているのだが。安倍首相が中国を敵視したり、問題発言を行なったりしていることから、それもかなわないような状況にある。
しかも、同党はこの他にも原発政策、社会保障政策、消費税対策などなど様々な面で自民党と考えが合わないため、公約作りにも苦労しているような状態なのだ。実際、公明党は4日に7月の参院選公約となる「重点政策」を発表したのだが。自民党と考えが異なる分野の政策に関しては、発表を先送りせざるを得なかった。『公明党は「重点政策」と別に、今月下旬に「当面する重要政治課題」を公表して、今回先送りした改憲などのテーマについて意見をまとめる。自民党との違いが明らかになるのをできるだけ遅らせる意図がある。
山口那津男代表は4日の記者会見で原発政策について「国会の最終盤をにらみながら、どのような内容にするか検討する」と語った。昨年12月の衆院選公約は「可能な限り速やかに原発ゼロを目指す」としていたが、自民党は参院選で「原発再稼働」を掲げる方針だ。整合性が取れないため、先送りした。
今月下旬に公表する「当面する重要政治課題」の原案では、96条の先行改正に慎重▽自衛隊の存在や国際貢献のあり方を「加憲」の対象として検討▽集団的自衛権の行使容認は認めない−とする方向で調整している。自民党との足並みの乱れを可能な限り小さくするように腐心している。(毎日新聞6月4日)』
公明党にしてみれば、安倍自民党に合わせるために、政策面でもかなり譲ってこんなに苦労しているのに、自民党の議員から公の場で「学会が嫌いだ」「他党とついた方がいい」などと発言されたら、同党の議員も学会員も、チョット謝罪を受けただけではおさまりがつかないぐらい憤慨しているのではないだろうか?そして、ついつい、平和&リベラル志向の学会員の人は、この際、自民党候補の選挙応援や投票をやめてくれればいいのにな〜と(期待込みで)思ってしまったりもしているmewなのだった。
p.s. ただ、安倍内閣の支持率もついに上げ止まった感があるし。株価や円相場もビミョ〜な状態になっているし。地方選は次々と負けているし。何だか少しずつながらも、安倍自民党に対して逆風が吹き始めているような感じがしません?
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