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2013/6/4 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
慰安婦問題の最中に…
国連の拷問禁止委員会が31日、慰安婦問題に関して「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」という勧告をまとめたことがニュースになった。日本のマスコミは報じないが、実は、この委員会で信じられない“事件”が起きていた。
5月21、22日に開かれた委員会の対日本政府報告書審査でのこと。会議の終了間際に、モーリシャスの委員が「日本の刑事司法は拷問に近い」と、こう指摘した。
「取り調べに弁護人の立ち会いがないと、誤った自白が行われるのではないか。自白に頼りすぎる取り調べは中世の名残だ。日本の刑事手続きを国際水準に合わせる必要がある」
ごもっともな意見だが、日本政府を代表して出席していた上田秀明人権人道大使は、日本語で反論。「『中世だ』と言うが、日本は世界一の人権先進国だ」と言い放った。これに会場から苦笑・失笑が漏れると、なんと上田人権人道大使は逆ギレし、「笑うな。シャラップ!」と叫んだのである。会場はドン引き。水を打ったように静まり返ったという。国の代表が逆ギレしたうえ、「黙れ!」と暴言を吐いたのだから、会場が凍りつくのも当然だ。
日本の官僚の頭の中は、まさに中世並みだと世界に知らしめ、火に油を注いだ上田人権人道大使。一体どんな人物なのか。
「東大教養学部卒で67年に外務省入省。ロシアンスクール出身で、英語はあまり得意ではない。08年から人権人道担当大使を務めています。このポストは拉致問題や、慰安婦問題で日本の国際的な立場を向上させることが目的で、第1次安倍政権で新設されました」(外務省関係者)
上田人権人道大使は00年ポーランド大使、04年に駐オーストラリア特命全権大使。経歴だけは立派だ。
元外交官で評論家の天木直人氏が言う。
「わざわざポストをつくって、無能なOBを天下りさせている外務省の問題でもある。英語が話せず、唯一発した英語が『シャラップ』とは言語道断です。外交官が使う英語としてあり得ないし、国際会議の場で委員に向かって言う言葉でもない。アフリカよりも日本の方が文明大国だという驕(おご)りがあったのではないか。ただでさえ、橋下氏の発言で世界中から奇異の目で見られ、しかも日本が議題になっているところで、考えられない醜態をさらしました。本来なら、外務大臣の監督責任問題に発展してもおかしくありません」
国連の委員会で、日本は世界一の人権後進国だと証明したようなものだ。
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