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2013年6月 2日 神州の泉
あえて倒叙(とうじょ)的な書き方をするが、神州の泉はアベノミクス自体が燃え尽きるろうそくの火の最後の輝きのような気がしてならない。経済の素人が見ても、アベノミクスの「金融政策、財政政策、成長戦略」という三本の矢の第一矢「金融緩和」は局所的に見れば初期状態としては成功している。
しかし、この円安・株価上昇の浮揚状態が、ある日から緊縮へ向かわずに安定的な成長軌道に乗るという保証はあるのか。大きく俯瞰すれば、この上向き傾向は断末魔の一瞬の足掻きとなって消えはしないのだろうか。
あるサイトを見ると、最近、40〜60代の富裕層の男性に人気がある超高級時計ブランドがあるそうだ。「パテック・フィリップ」がそれで、平均単価は200万〜300万円台。株価が昨年11月半ばから6割強も上昇したため、株式や投資信託などの金融資産を膨らませた富裕層の購買意欲に火がついた。アベノミクス効果だそうである。
最近、知り合いの画商の人と少し話をした。彼はアベノミクスが始まって、絵が以前のように動くには約一年のタイムデレイがあるだろうけれど、それでも最近はぼちぼち動き始めていますよと言った。このような美術品や嗜好品の売れ行きは景気動向に敏感である。
政府のサイトで月次の消費者態度指数(消費動向調査)の推移をみると、平成25年4月の一般世帯の消費者態度指数は、44.5となり、試験調査の3月結果(参考値)と比較すると、1.4ポイント上昇している。
三本の矢の金融政策が奏功している形だが、亀井久興氏(亀井亜紀子氏のお父さん)は、そのホームページでこう言っている。
http://hisaoki-kamei.home-p.info/?p=322
「私が小泉政権当時から一貫して言ってきたのは、金融政策だけでデフレが解消することはあり得ないということである。金融機関にいくらお金が集まっても、それが市場に出ていかなければ何にもならない。逆に貸出について極めて金融機関が慎重になっている状況では、益々お金が余ってしまう。その余った分のお金を運用しなければならないから国債をどんどん買う。貸出残高が増えていかない中で国債の保有残高だけが増えていく状況になっている。やはり旺盛な資金需要をつくることが大事であり、その為には仕事をつくらなくてはいけない。その仕事をつくる為には官民が力を合わせて国内に投資をすることが必要である。ところがその投資が決定的に不足しているのが現在の状況である。」
植草一秀氏は、『金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み抜く』(ビジネス社)で、彼は安倍政権になる以前から、株価・為替の激動をTRI(スリー・ネーション・リサーチ)レポートで予測していたが、これはアベノミクスが優れた政策というよりもその経済政策パッケージが標準的な物であり、それ以前の野田政権や菅政権が貧困すぎたから、相対的に活況を呈したように見えるだけだと言っている。
加えて、植草氏は本書でアベノミクスの金融緩和政策が伝統的な政策手法の範囲内なら問題はないが、この政策パッケージにはその次元を超える危険な内容を孕んでいるという。政府が深奥で目論んでいることは、ハイパーインフレにさせて巨大な政府債務を帳消しにすることにあると言っている。
神州の泉は経済の専門家の方々のような見方はできないが、安倍氏が3月15日に行った“TPP参加交渉発表”とアベノミクスなる政策パッケージとの不整合性に大きな違和感を抱かざるを得ない。と言うか、TPPの極悪性を思えば、参加という選択肢は決してありえない。
アベノミクスが庶民生活向上のための政策と言うならば、亡国のTPP参加と消費税増税実施に予定通り舵を切る“矛盾”をどう説明するのだろうか。今までは積極財政政策が出ると、すぐに緊縮財政によって出鼻をくじき、20年近くも平成の大不況が恒常化した。
疑問として、この失われた20年という不況の恒常化は政府の無策だけが主たる理由なのだろうか!?背後にアメリカの意志が介在しているような気がしてならない。今回アベノミクスによる金融緩和がスムースに運んだのは、アメリカに魂胆があって、その部分にはあえて内政干渉はなかったということなのか、
だとすれば、その理由をTPPと消費税増税のための“呼び水”として捉えることは見当違いなのだろうか。TPPが稼働すれば地獄の窯が口を開け、日本は完全なプランテ―ション国家となる。
そうなった場合、グローバル資本はやりたい放題の日本収奪を行う。アベノミクスはそのための「釣りえさ」のように思えるのだ。日本人の多くを、景気さえ上向けばTPPや消費税増税は事後調整で何とかなるさと思い込ませているような気がする。TPPは絶対に事後調整できないことを銘肝(めいかん)する必要がある。
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