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2013年6月 1日 植草一秀の『知られざる真実』
精力的な言論活動を展開する孫崎亨氏がオランダの政治学者カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と共著を出版された。
両氏が英語で対談し、その内容をまとめたものである。
『独立の思考』(角川学芸出版)
構成は以下の通り。
はじめに 孫崎亨
第一章 幻想の日米同盟
第二章 尖閣と沖縄をめぐるアメリカの思惑
第三章 誰が政治改革を殺すのか?
第四章 官僚とメディアの支配する国
第五章 米国を警戒するヨーロッパ
第六章 日本は「独立」できるのか
おわりに カレル・ヴァン・ウォルフレン
6月8日に発刊になる
『対米従属という宿痾』
(鳩山由紀夫・孫崎亨・植草一秀著、飛鳥新社)
と併せて読んでいただければ、より理解が深まると思う。
孫崎亨氏は「はじめに」で次のように述べる。
「「外交」から日本の問題を読み解いてきた私と、「官僚」を出発点に日本社会を論じてきたウォルフレンが、ともに「対米追随」という元凶に行き着いた。別々の道で山を登ってきた二人が、頂で出会ったようなものである。」
私は2010年11月に『日本の独立』(飛鳥新社)で、日本が真の「独立」を実現するための問題提起をした。
日本は戦後68年を迎えるいまなお、真の独立を為し得ていない。
孫崎氏は、実質的な「植民地」であるとみなし、ウォルフレン氏は日本が米国の「保護国」であるとみる。
「独立」について孫崎氏は次のように述べる。
「私の主張は簡単です。人間には尊厳が必要なのと同様、日本という国も尊厳を保つ国になってもらいたい。
しかし、戦後すでに79年近くが経過すると言うのに、アメリカへの従属はますます強まっていく一方です、これでは日本が尊厳や誇りを持った国になることはできません。だからこそ、本当に意味での独立に向けて政策を転換すべきだと考えています。」
いまの日本で幅を利かせているスローガンが「日米同盟の強化」である。
安倍政権は、まさに日米同盟への回帰を先導しているが、これが本当に日本の国益に適う選択であるのかどうか。
私たちは複眼思考で考える必要がある。
ウォルフレン氏は次のように指摘する。
「日本の政治エリートたちは、揃って「日米同盟を強化せよ」と主張しています。新聞をはじめとする大手メディアも皆、同様のスタンスです。
しかし読者には、それが日本の国益に本当に適うのかどうか、もう一度、考えてもらいたい。この本でも指摘してきた通り、アメリカの外交はネオコン勢力の強い影響下にあります。
アメリカの大統領がブッシュからオバマに代わったところで、外交の方針は全く変わらなかった。さらに悪いことには、アメリカのすすめる外交には戦略らしきものが全くない。行き当たりばったりの政策が続けられているのです。
今後もアメリカは帝国主義的な政策をいっそう強め、世界中で様々な「冒険」に打って出ることでしょう。日米同盟¥d視を唱えていれば、日本がアメリカの冒険に巻き込まれていく可能性が非常に高い。それは日本にとって決して好ましい事態だとは思えないのです。」
ウォルフレン氏は米国の外交政策の変化について、次のように指摘する。
「9.11を境にしてアメリカは明らかに変わりました。よりオープンな形で、帝国主義を志向するようになっている。「ネオコン」(新保守主義者)と呼ばれる一派が台頭し、「アメリカは帝国主義を貫くべきだ」と公言するようになった。こんなことは冷戦下でもなかったことです。
では、その背景は何なのか?アメリカが国家として衰退しているからだと私は思います。
かつてのように国として尊敬を集めることもなくなった。」
そして、ウォルフレン氏は、アメリカが今、
「軍産複合体」、「ネオコン」、そして「ウォール街」という三つの勢力に牛耳られていることを指摘する。
私たちの判断は、好むと好まざるとに関わらず、メディアの影響を強く受けている。
そのメディアが、日本においては、本来の役割をまったく果たしていない。
他方で、米国は日本の世論を特定の方向に誘導するために、様々な「工作」を展開する。
この現実にしっかりと目を向ける「リアリズム」を私たちが持たなければ、日本はただひたすら、大きな力に支配され続けるだけである。
極めて読み易くためになる、考えさせられることがふんだんに盛り込まれた著作である。
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