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尖閣領有問題で見せる日中の“絶妙”なやり取り:礼を失する発言の一方で、日本の主張をわざわざ補強して報じる中国
http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/615.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 5 月 31 日 22:06:23: Mo7ApAlflbQ6s
 


 尖閣諸島をめぐる日中間の争いは、中国が日本の施政権を認める一方で、日本が領有権についての中国側の異議を承知することを出発点とすることで、解決に向けた協議が進むと思っている。
 これはそれほど難しい解決法ではなく、昨年9月の「国有化表明」以前の状態に復帰するだけの話である。(裏ではすでに戻っているとは思っている)

 そうは言っても、領土や領海をめぐる争いは国民が敏感に反応する問題であり、うかつな発言や下手な妥協を見せることは、政治的支配層の命取りになってしまう。


※ 参照投稿

「比の美人記者が台湾で話題 「陰謀に違いない」:領土領海紛争がいかに“重たい”ものであるかを見せている台比紛争」
http://www.asyura2.com/12/asia14/msg/313.html


 中国政府の尖閣諸島中国領有権正当性キャンペーンはやむことなく続いているが、中国メディアが昨日報じた政府高官の発言内容には驚くとともに笑ってしまった。

 なんと、礼節を重んじる中国が、菅官房長官に対し、「もう一回真面目に学生に戻り」というきつい揶揄を発したからである。

 中国が信じられない反応を見せた日本政府の発言がどれほど酷いものだったのか確認してみたが、日本政府の言動は穏当なものであった。
 だから、あまりに真っ当な反論だから中国が逆ギレしてしまったのかなとも思ったが、どうも違うらしい。

 中国メディアが報じた内容をチェックするため、5月29日の菅官房長官記者会見を聞いてみたが、中国のメディアは、どうも、菅官房長官が説明していない内容まで、まるで菅氏が説明したかのように報じているのだ。

 あっても不思議ではないが、にわかには信じられない話なので、尖閣領有権問題について午前よりも詳細に語った29日午後の官房長官記者会見を何度も聞き直してみたが、中国メディアが伝えている内容のすべては語っていない。

 ずばり言えば、中国メディアは、菅官房長官が尖閣諸島日本領有権の根拠とした国際法の流れについて、さらにわざわざ補強してあげて報じているのである。

 中国メディアが報じた日本政府の主張は、別に自慢したいわけではないが、私がこれまで阿修羅で主張してきたものとほぼ同じものである。


※ 参照投稿:5月27日に投稿

「中国李首相の妄言:戦後国際政治のなかで“ロンダリング”され日本領として確立している尖閣諸島」
http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/400.html


 端的に言えば、「ポツダム宣言受諾→サンフランシスコ講和条約締結(戦後の日本領土確定)→サ条約第三条に基づき米国が尖閣諸島も施政→尖閣諸島を含む沖縄返還協定締結」という国際法的な経緯により、尖閣諸島に対する日本の領有権は明らかになっているというものである。


 まず、中国側が日本の主張として報じた内容を紹介する。


 「菅義偉官房長官は26日「あまりにも歴史を無視した発言で、決して受け入れられない」と公然と言い立てた。続いて29日にも中国の王毅外交部長(外相)の発言に対して「1895年の日清講和条約締結以前から尖閣諸島(中国の釣魚島)はわが国固有の領土だった」と反論。国際法上の根拠として1951年締結のサンフランシスコ講和条約を挙げ、釣魚島は同条約第2条に基づく放棄すべき領土ではなく、第3条に基づく米国の信託統治下におくことに同意した領土だと指摘した。」


 菅官房長官の記者会見を実際に聞く前にこの記事を読んだとき、日本政府もなかなか真っ当な反論をしているじゃないかと感心したが、菅官房長官が実際に説明した内容は“微妙に”違っていた。

 菅官房長官は、戦後の日本の領土が法的に確定したのは1951年に締結されたサンフランシスコ講和条約であり、それについて連合国の主要国であった米英仏中がまったく異議を唱えなかったことから明確であると説明し、さらに、尖閣諸島について、日清講和条約締結以前から日本の領土であったことから、戦後処理の方向を定めたカイロ宣言の対象には含まれていないと説明している。

 菅官房長官記者会見と中国側メディア報道で大きく異なるのは、『尖閣諸島は、サンフランシスコ講和条約第二条に基づいて放棄すべき領土ではなく、第三条に基づいて米国の信託統治下におくことに同意した領土である』という部分である。

 菅官房長官は、29日の記者会見でサ条約第三条にかかわる発言はまったく行っていない。
 冒頭から尖閣諸島領有権問題に関する発言なので聞いてもらうとわかるが、あくまでも、サンフランシスコ講和条約で戦後日本の領土が確定し、日清戦争後の下関条約締結の前から尖閣諸島は日本領であったという説明なのである。


※ 5月29日午後の官房長官記者会見:冒頭から該当する発言
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201305/29_p.html


実のところ(最近この用語法が多い(笑))、転載する二つ目の記事「法理を顧みず理不尽な発言をする日本高官」への反論を書くつもりだった。

 批判の対象は、「菅氏のこうした発言は、安倍内閣が戦後国際秩序を完全に無視し、中日国交正常化以来の両国関係の政治的・法的基礎を公然と踏みにじっている」とし、問題の本質は、「中日関係と直接関係する戦後国際秩序は一体カイロ宣言とポツダム宣言を基礎および準則とするのか、それとも日米間のサンフランシスコ講和条約を基礎とするのか?」であると語り、「日本が戦後遵守しなければならない国際秩序と中日関係の基本原則はカイロ宣言とポツダム宣言であり、サンフランシスコ講和条約では決してない」と主張していることである。

 簡単に触れることにするが、前回の投稿でも説明したように、「カイロ宣言」・「ポツダム宣言」とサンフランシスコ講和条約を切り離すことはできない。

 ポツダム宣言は、「日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ」と規定しているが、極限される諸小島について具体的な記述や地理的範囲は書かれていない。だからこそ、領土の確定にサンフランシスコ講和条約が必要なのである。
 カイロ宣言も、「満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコト」となっているが、尖閣諸島については具体的に触れていない。だからこそ、やはり、サンフランシスコ講和条約が必要となる。

「台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル」というのは、どう考えても、日清戦争後の下関条約を標的にしたものであり、菅官房長官が言うように、尖閣諸島がそこに含まれているとは言えない。

 むろん、少しは歴史的事実を知っている者として、尖閣諸島が日本の固有の領土とそれほど胸を張って言える経緯で編入されたわけではないと思っている。

 しかし、世界はとどまることなく動いている。
 現在の世界がこうである根拠となっている国際法をひっくり返すような主張を安易に受け入れることができないのである。
 あくまでも論理上の仮の話だが、尖閣諸島の日中共同管理を認めるとしても、そこに向かう交渉は、中国が日本の施政権(表見的領有権)を認めることが出発点になる。それは、日中漁業協定などとも同じ前提条件である。

 日本政府が、「ポツダム宣言受諾→サンフランシスコ講和条約締結(戦後の日本領土確定)→サ条約第三条に基づき米国が尖閣諸島も施政→尖閣諸島を含む沖縄返還協定締結」のなかの「→サ条約第三条に基づき米国が尖閣諸島も施政→尖閣諸島を含む沖縄返還協定締結」を説明しなかったのは賢明だと思う。

 これを言うことは、中国に対し、「文句があるのなら、連合国の仲間であり戦後アジアの構造を仕切った張本人である米国に言ってくれ!」とゲタを預けてしまうことを意味しかねないからである。
 米国政府自身、尖閣諸島の施政権については日本にあることを認めながら、領有権については中立という立場である。

 竹島もそうであるように、戦後アジアの“紛争のネタ”の多くは米国によってまかれているとも言える。日中が知恵を絞って解決すればいいのであり、そのような米国が介入できるような話をわざわざ持ち出すことはない。

 日中両国政府のある人たちが、阿修羅さらには私の投稿を読んでいるとは思っていないが、これまで投稿してきたラインで日中関係が改善に向かうのなら望外の喜びである。それとともに、国民レベルまでの日中関係改善ができるだけ早く実現することを期待する。

 海外出張無断延期で参議院の常任委員長を解任されてしまった川口順子さんは、4月25日に中国の楊国務委員(外交当局トップ)と会談したが、そのなかで、尖閣諸島領有権問題の“棚上げ”を含むけっこうハイレベルな合意に達したと今さらながらに思っている。

※ 参照投稿

「絶好のタイミングで歴史認識問題を引き受けた橋下“挺身隊”隊長:安倍自民党別働隊の面目躍如」
http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/656.html

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日本の官房長官の発言に王毅外交部長が反論
【中日対訳】

 李克強総理がポツダム会談会場跡地を見学した際に、日本は第2次大戦時に盗み取った中国の領土を返還しなければならないと述べたことについて、日本の菅義偉官房長官は受け入れられないと表明した。これについて李克強総理と共にドイツ訪問中の王毅外交部長(外相)は帰国を前にベルリンで記者の質問に答え「日本側の発言は常識を欠いており、道理をわきまえぬものだ。こうした人々にはもう一回真面目に学生に戻り、ポツダム宣言とカイロ宣言に改めて目を通し、こうした常識を欠く発言はもうしないよう促す」と述べた。

 王部長はさらに「日本は当時、ポツダム宣言を受諾して無条件降伏したのだ。ポツダム宣言第8条は、カイロ宣言の条項は履行されるべきと明確に定めている。そしてカイロ宣言の柱は、日本が盗み取った中国の領土を中国に返還するということだ。1972年の中日国交正常化時に両国政府首脳が署名した中日共同声明も『日本はポツダム宣言第8条に基づく立場を堅持する』と確かに記している。これらはみな客観的な史実であり、否認は許されない」と述べた。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年5月30日

http://j.people.com.cn/94474/8264205.html

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法理を顧みず理不尽な発言をする日本高官

 中国の李克強総理がポツダムで発表した戦後国際秩序に関する談話について、安倍内閣の菅義偉官房長官は26日「あまりにも歴史を無視した発言で、決して受け入れられない」と公然と言い立てた。続いて29日にも中国の王毅外交部長(外相)の発言に対して「1895年の日清講和条約締結以前から尖閣諸島(中国の釣魚島)はわが国固有の領土だった」と反論。国際法上の根拠として1951年締結のサンフランシスコ講和条約を挙げ、釣魚島は同条約第2条に基づく放棄すべき領土ではなく、第3条に基づく米国の信託統治下におくことに同意した領土だと指摘した。(文:劉江永・本紙特約論説員、清華大学現代国際関係研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 菅氏のこうした発言は、安倍内閣が戦後国際秩序を完全に無視し、中日国交正常化以来の両国関係の政治的・法的基礎を公然と踏みにじっていることを十分に証明するものだ。問題の本質は「中日関係と直接関係する戦後国際秩序は一体カイロ宣言とポツダム宣言を基礎および準則とするのか、それとも日米間のサンフランシスコ講和条約を基礎とするのか?」だ。もし後者だとするのなら、中日間の4つの政治文書を完全に覆し、1972年の中日国交正常化以前の佐藤栄作内閣の誤った立場に戻るに等しい。

 だが、日本政府は1945年8月15日に発表した日本の降伏文書で「天皇、日本政府及びその引継ぎ者はポツダム宣言の条項を的確に履行する」ことを明確に受諾したというのが揺るぎない事実である。したがって、日本が戦後遵守しなければならない国際秩序と中日関係の基本原則はカイロ宣言とポツダム宣言であり、サンフランシスコ講和条約では決してないのである。

 1943年のカイロ宣言は、日本は中国から盗み取った領土を中国に返還しなければならない、武力または貪欲により強奪したその他の地域から日本は駆逐されなければならないと明確に定めた。1945年のポツダム宣言第8条は、日本はカイロ宣言を遵守しなければならないと定めたうえで、日本の領土は本州、北海道、九州、四国および吾等の決定するその他小島に限られると強調した。
1972年9月29日発表の「中日共同声明」は「…日本国政府は、この中国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八条に基づく立場を堅持する」とした。さらに同年10月28日、大平正芳外相は日本の国会で行なった演説で「カイロ宣言、ポツダム宣言の経緯に照らすなら…台湾は中国に返還されるべきであるというのが、ポツダム宣言を受諾した政府の変わらない見解だ」と強調した。

 1978年8月12日締結の中日平和友好条約は「前記の共同声明が両国間の平和友好関係の基礎となるものであること、及び前記の共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認」した。こうである以上、日本政府は上述の国際法を基礎とする戦後の国際秩序を遵守しなければならない。さもなくば違憲の疑いがある。なぜなら日本国憲法第98条は「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と明確に定めているからである。

 1895年1月14日に日本が中国の釣魚島を沖縄県に編入したのは、完全に不法な強盗行為だ。1951年のサンフランシスコ講和条約第3条は「日本は北緯二十九度以南の南西諸島等に対して米国が単独で信託統治を行なうことに同意する」とした。だがこの中に釣魚島への言及は全くない。ましてや当時、周恩来総理兼外交部長は声明で「サンフランシスコ講和条約は不法で無効であり、中国は断じて受け入れられない」と表明した。したがって、サンフランシスコ講和条約を釣魚島の領有権の法的根拠とする日本の企みは全く成立しえないのだ。

 日本側の公然たる理不尽な発言に対して、中国政府と中国人民の答えは「断じて受け入れられない」の一言だ。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年5月30日

 

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コメント
 
01. 2013年5月31日 23:54:41 : 2LnVviyNuA
自慢話ですか?

そんなに甘いものではないと思う。


02. 2013年6月01日 10:54:01 : 0SQ1RAKEvY
> むろん、少しは歴史的事実を知っている者として、尖閣諸島が日本の固有の領土とそれほど胸を張って言える経緯で編入されたわけではないと思っている。


そこが問題の核心。
日本は尖閣を「盗んだ」のである。これが歴史的事実。

この1点で日本は裁判に負ける。

裁判したら負けるという「現実」に立脚して策を考えるべき。
盗まれたままで中国人の感情がおさまることは未来永劫ない。

竹島は明快に日本領だし、人が住んでいたのだから、
国交断絶を辞さず国際裁判をすべきだが、
尖閣は日本に理がないから、自分からすすんでさっさと返すのが上策。

ただし、中国に返すか台湾に返すか、どちらにしても片方が怒るから、
日中台で話し合って、所有者なしの信託統治にするのがよい。
もともと人が住めない無主の岩だから、無主に戻すのである。
(日本清国琉球の誰にも所有の概念がなかったというのが実際である)

鳥は、海上の岩は羽を休められればよく、これはオレのものなどと言わない。
鳥は地球に生かされている。人間も同じだ。
海上の岩に愛国心をあおり、防衛に殉じて若者は死ね、
などと言いつのる老人は、実に実に、醜いかぎりである。

尖閣諸島 身捨つるほどの祖国はありや↓
http://www.minusionwater.com/senkakushotou4.htm


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