http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/602.html
Tweet |
10代から20代の北朝鮮国籍者9名が中国経由で到達したラオスで北朝鮮当局者に引き渡されたことが韓国などで大きな騒動になっている。
日本でも、9名の脱北者のなかに条件から松本京子さんが該当する拉致被害者の子どもが含まれているという情報が付随したことで大きな関心を生んだ。
まず、韓国の報道をベースに、ラオス脱北者騒動の経緯をまとめる。
● 9名の脱北者は、2年ほど前から中国東北部の都市にいた。
● 彼らを発見した脱北者支援活動を行っている牧師夫婦や米国の民間団体が、彼らを保護し韓国に連れて行く作業に入った。
● 渡航手続き書類が整ったことで、今月、牧師夫婦が彼らを連れ、中国内をバスで移動しラオスに入国した。(10日)
● これまでのラオスの政策は脱北者を韓国大使館に引き渡すというものだったので、牧師夫婦はラオス当局者に拘束されるにまかせた。
● 牧師夫婦は、韓国大使館に引き渡されることを期待して、韓国大使館に電話を入れたが、大使館職員は「警察が既に知っている。韓国人だとウソをつくな、正直に答えろ」と言うだけで、身柄の引き取りに動くことはなかった。
● ラオス当局に拘束された脱北者の取り調べに、通訳と称して北朝鮮当局者が同席した。25日には別の北朝鮮当局者が来て顔写真を撮り、書類を見せたうえで脱北者にサインを求めた。
● この不穏な動きを受けて、牧師夫婦は、韓国大使館に急ぎ連絡を入れたが、職員はただ「待て」というだけだった。
● 脱北者9名は、27日、北朝鮮大使館に引き渡された。
● 脱北者が北朝鮮に向け出国した後、韓国大使館の職員が牧師夫婦の身柄を引き取るために現れた。
● 脱北者9名は、正式の渡航種類をもってラオスから出国し、中国から航空機で北朝鮮に帰国した。その航空機には北朝鮮政府の高官が同乗していた。
このような事実経過を前提に、まず、拉致被害者の子どもが含まれているという情報が出た背景を推測したい。
● 北朝鮮の対応が“異例”で“厚遇”だったこと
拘束されている脱北者の顔写真をとったのは、北朝鮮政府がパスポートなど正式の渡航書類を作成するためと思われる。これも異例。
そして、脱北者が北朝鮮に向かうために搭乗した航空機に北朝鮮政府の高官が同乗していた。これは特別異例で破格の待遇と言える。
● 北朝鮮の対応が韓国には渡さないという強い決意に見えたこと。
ラオス当局者が拘束した時点から調査に介入したことから、脱北者のなかに韓国に渡したくない人物がいると推測され、それが拉致被害者の子どもという情報につながった。
● 脱北者支援団体が公表した中国在留時代の脱北者の写真に“日本人に見える子”がいたこと。
1年半ほど前の2011年クリスマスに中国で撮影された脱北者の写真で、日本人のように見える子どもがいたと言われている。
北朝鮮当局の脱北者に対する異例な対応と子どもたちの写真が、拉致被害者の子どもという情報を生み出したようだ。
それだけでなく、韓国政府は、韓国政府が北朝鮮政府の脱北者奪還に“協力”していることを悟られたくないため、別の騒動で煙に巻きたかったということもあったのだろう。
しかし、だからといって、1977年拉致された松本京子さんの子どもという話になったワケは見えない。
そう言われている脱北者の年齢と松本京子さんの年齢を勘案すると、42歳で生んだ子どもになると言う。可能性はあるが、蓮池氏が語っている拉致被害者の“取り扱われ方”を考えると、その子どもが中国に密出国していたとは考えにくい。
日本人に見えるということでは、夫に従い北朝鮮に渡った日本人妻の子どもである可能性はあるだろう。
ただし、松本京子さんとすぐに特定できる情報が流れたことは大きな意味があると考えている。松本京子さんは北朝鮮で“無事”に生活している可能性が高く、別の子どもだろうが、お子さんもいると思われる。
飯島参与が訪朝して以来、特定失踪者2名を帰国させるとか、日本海で無慈悲で残虐な方法で漁船員を拉致していたことなどが韓国発の情報に基づき報じられている。
たぶんだが、そのほとんどが事実であろう。
拉致問題の“最終解決”に向け、アドバルーンをあげてみて、国民がどういう反応を示すか見ることが第1の目的である。(口先とは違い、韓国政府も協力している)
安倍首相が訪朝し、交渉後に拉致問題は“解決”したと言ってみても、日本海で漁船を襲いある人たちは残酷に殺害されたといったようなことが明らかになれば、日本国民は怒り心頭で国交正常化交渉に進むことはムリであろう。
かといって、日朝双方とも、過去の問題はある時点で一気に解決したいと考えているはずだから、できるだけ秘密を持ち越したくないと思っている。
韓国や日本のメディアは、今回の脱北者北朝鮮帰国騒動で、脱北者9名は厳罰に処されると煽っている。
しかし、私は、お咎めや再教育はあるとしても、厳罰に処されることはないと考えている。
日本や韓国のメディアは、北朝鮮を悪く言うことに存在意義があるという感じで報道しているが、北朝鮮の実情が大きく変わっている。
北朝鮮は、日本はともかく、韓国と較べてもひどく貧乏で食うに事欠く人たちが多数いることは事実だが、一頃に較べると大きく改善されている。
それは、中国や欧州諸国が北朝鮮に眠る鉱物資源をめざして投資を行っていることや米国公認の“ウラン濃縮活動”での稼ぎによると考えている。
平壌しか見えないが、平壌の建設ラッシュには驚くばかりであり。ちょうど、資源が豊富なアフリカ諸国の首都で起きている建設ラッシュと似通った状況と考えればわかりやすいだろう。
金正恩第1書記は、日本の多くが受け止めているイメージと違って、「パンとサーカス」を統治術の基本にしているように見える。
奇妙なことにサーカスのほうが先行しているようだが、農業の改善には時間を要するとしても、パンの部分も少しずつ解決していくと思っている。
今回の脱北者は、お咎めや再教育はあるとしても、厳罰に処されることはないと考えているワケを簡単に説明したい。
昨年、韓国に居住していた4家族9名の脱北者が、北朝鮮に“自主”的に帰国した。その理由を約めると、韓国の文化や価値観になじめない、韓国的社会で子どもを育てたくないというものである。
そういう思いで韓国を嫌っていても、脱北者が帰国で厳罰を受けるのであれば、なかなか帰国はできない。
昨年、4家族9名の脱北者が北朝鮮に“自主”的に帰国したのは、金正恩氏が「脱北者が帰国しても罰を与えない」というおふれを出したからだと言われている。通信の実情はよくわからないのだが、脱北者は北の家族や親戚に電話をしており、金正恩氏の政策転換もそれで知ったという。
一方、韓国が対脱北者政策で北朝鮮と協調している理由は、国内の怨嗟と国際的人権論との板挟みのなかで、温和的に脱北者の受け入れを避ける政策に傾いたからと思われる。
ご存じのように、韓国経済とりわけ多数派の生活は困窮している。そのような状況でも、脱北者は公的扶助で破格に“優遇”されている。これが、日本で生活保護受給者が攻撃の的になってしまうのと同じように、攻撃の的となっている。韓国ではおそらく、生活保護受給者までが脱北者を叩く気分になっていると思われる。
財政的にも厳しい韓国政府は、建前は脱北者の人権を守るため受け入れるという政策だが、帰国後の処置が穏便であるならできるだけ北朝鮮に帰国して欲しいというのが本音なのである。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK148掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。