http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/475.html
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↓にあるShimarnyさんの「慰安婦問題で毎日新聞が政府見解に反旗、河野談話を明確化するな謝罪と賠償を継続しろ」( http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/462.html )を読んだ感想である。
その締めくくりは、
「朝日新聞と毎日新聞の自虐報道から脱却すれば、戦後レジームから脱却できよう。
従来の韓国との謝罪外交と賠償外交を止めれば、戦後レジームから脱却できよう。」
となっているが、大きな勘違いをしていると思う。
朝日新聞と毎日新聞の報道がそうなら、読売新聞や産経新聞の報道も、日本を「戦後レジーム」に留め置くための装置である。
「戦後レジーム」は、日本で国家社会主義的右派が伸長することは御法度だが、愛国保守的価値観と世界市民リベラル的価値観のバランスによって維持されているものである。
発行部数で日本を代表する読売新聞と朝日新聞が併存しているからこそ、戦後レジームの収まりがよくなるのである。米国も、ワシントンポスト系もあれば、フォックス系もある。
それゆえ、リベラル(左派)的コスモポリタン(自虐)的報道から脱却すれば、戦後レジームから脱却できるという話ではない。朝日新聞も読売新聞もきちんと批判し、それらの呪縛から抜け出すことが、ささやかながら、戦後レジームから脱却する第一歩と言えるかもしれない。
もう一つ、韓国との謝罪外交と賠償外交を止めれば、「戦後レジーム」から脱却できるというものでもない。
韓国と日本はともに、「戦後レジーム」の守護者である米国に従う国家であり、米国に意向に沿うかたちで築かれた日韓外交史だからである。そのような日韓関係史は朝鮮半島の南北分断を根源とし、対中国政策問題と相俟って、日本や韓国を対米従属=「戦後レジーム」につなぎ止める役割を果たしてきた。
うすらバカたちは、安倍氏が「戦後レジームからの脱却をめざす」愛国保守の政治家と錯覚しているようだが、安倍氏は、戦後レジームがなんたるかを知らないだけでなく、叫んでいる(言葉にしている)政策さえ実行する気がはじめからまったくない政治家である。
安倍氏は、「戦後レジーム」の守護者である米国のジャパンハンドラーに操られた鵜である。
安倍氏の立場は、極右組織・左翼革命組織・イスラム過激派などに送り込まれたアセット(スパイ)を考えるとわかりやすい。
アセットは、疑われないためにも、組織を最終的にはドツボに嵌めるためにも、潜り込んだ組織の価値観や政策をことさら過激に言い募る。ヒトラーもそうだが、だから、その組織で出世していくこともできる。
別に驚くことはない。米国のオバマ大統領も、黒人リベラルの政治家という外見と雰囲気を活かしながら、市民虐殺を伴う対テロ戦争の遂行や国際金融を中心としたグローバル企業に対する優遇策実施を委ねられた鵜と言えるからである。
安倍首相に近い役回りの米国大統領はニクソン氏かもしれない。
ニクソン氏は、副大統領時代に反共の闘士というイメージを強固に作り上げたが、大統領になって実施した政策は、“賃金・物価の統制”や“中国の連合国(国連)代表権獲得や中国との国交正常化”などリベラルをも超える社会主義的色彩が濃いものである。
わかりやすく言えば、リベラルな政策を実行したいときは、保守強硬派と見られている政治家が動いたほうがスムーズで、グローバル企業優遇策を実行したいときは、オバマ氏のようなリベラルと目されている政治家が動いたほうが受ける抵抗は少ない。
最近の日本で流行っている「従軍慰安婦」問題にまつわる言動も、ジャパンハンドラーの意向に沿って行われているものである。
ええっという声もあがるかもしれないが、それは、安倍氏の履歴を考えれば自ずと見えてくる。
有力保守政治家とされている安倍氏は、やる気もないのに“歴史認識の見直し”を叫び、政治的外交的軋轢を引き起こして、あとはそっと隠れるように“歴史認識の維持”を表明してきた。
笑えるのは、歴史認識は歴史家にまかせるべきと言いながら、歴史認識に関わる発言を繰り返しているのが安倍氏という現実である。
安倍氏は、第一次政権の07年に「従軍慰安婦」問題をめぐる言動で諸外国と軋轢を起こしたが、発言内容をヌエ的答弁のなかで軌道修正し、当時のブッシュ大統領にも謝罪した。さらに、ヌエ的修正で逃げたことも一因になっているが、米国連邦議会下院をはじめ多くの国や機構で安倍氏の言動を標的にした“対日非難”が決議される経験までしている。
ふつう、そのような経緯がちょっと前にあれば、よほどのバカでも、政権奪取が確実視されている政党の代表として、「戦後レジームからの脱却」を唱えたり、「河野談話」や「村山談話」の見直しを政策課題として掲げたりするようなドジは踏まないものだ。
それでも信念を貫き通すなら褒めたいと思うが、相変わらずみっともないことに、つい最近、よくわからない説明でうやむやのうちに前言を翻し、安倍内閣も、「河野談話」や「村山談話」を継承していると表明した。
なんのことはない、07年の再演である。めげるのは、07年まんまの再演だったのに、国民の多くがそれにデジャビュさえ抱いていない現実である。
安倍氏が07年の騒動で国際的に醜悪を晒したことを国民の多くが知らないのである。なぜなら、日本の主要メディアは、そのような事実をほとんど報じなかったからである。
安倍氏は、米国支配層(ジャパンハンドラー)の承認があるからこそ、安心して“危険な言動”に励むことができる。
安倍氏が、その守護者の虎の尾を踏む話である「戦後レジームからの脱却」を唱えたり、近隣諸国が声高に非難せざるを得ない「河野談話」&「村山談話」の見直しを叫んだりできるのは、安倍氏にとって最高位の“任命権者”である米国支配層の意を汲んだ行為だからである。
対米自立派ならまだしも、安倍氏は、祖父岸信介譲りのばりばりの本流従米派である。安倍氏が、米国支配層の意に反するかたちで、「戦後世界の秩序」を覆すというような“危ない”言動をすることはありえない。
愛国的人士が安倍氏に期待した「戦後レジームからの脱却」は、端から空手形だったのである。
安倍氏は、2月下旬の日米首脳会談でオバマ大統領から世界に恥をさらす冷遇を受けた。
その事実は、まず、オバマ大統領がジャパンハンドラーの人脈ではないことを示唆している。オバマは、安倍氏のこれまでの言動をチェックし、受け容れられない価値観の持ち主と判断したのだろう。
一方、安倍氏は、「あれれ、僕はアメリカが望むように振る舞っているなのに、どうしてオバマからこんな扱いを受けてしまうんだろう」と思ったかもしれない。
推測するに、安倍氏が第一次政権時代にブッシュ大統領に謝罪したという話は、安倍首相の言動を嫌悪する議会やメディアを宥めるために、“そのようなかたちで収める”目的で仕組まれたものであろう。
対米従属の巣窟とも言える日本の主要メディアが、今回の日米首脳会談を大成功と報じられるのも、日本のメディアも差配しているジャパンハンドラーの意向がわかっているからである。
では、安倍氏などが韓国や中国の神経を逆撫でするような「歴史認識」を繰り返す意図は何なのだろうか?
ジャパンハンドラーが安倍氏や橋下氏らに“愛国”(右派)的言動を求めているワケは、アジアとりわけ東アジアが政治的経済的に深く協調しない(できない)ようにするための楔が欲しいからである。
このような役回りは、韓国のみならず、ある時期以降の北朝鮮の支配層にも与えられている。安倍氏に秋波を送る中国支配層も無縁ではない。
北朝鮮が米国と対立しているかのように振る舞うのも、朝鮮半島の南北がいがみ合うのも、韓国が日本にあれこれ難癖をつけたり李明博前大統領が竹島で気勢を上げるのも、米国支配層の“アジア戦略”に即した「戦後レジーム」維持のための数々のイベントだと考えればわかりやすい。
中国共産党も、国内統治をスムーズに行うために、日本という“敵”が存在しているほうがありがたい。
欧米支配層にとって、少し得体が知れないアジアとりわけ経済成長力に富んだ国々が近接している東アジアをどううまくコントロールしていくかは大きな課題である。
中国の台頭が著しい昨今、アジアの政治的経済的統合にむけ日本と中国が手を結ぶことをたいへん恐れている。端的に言えば、日本と政治的に手を結んだ中国が、アジアで一気にヘゲモニーを獲得してしまう事態は避けたい。中国がアジアで覇権を握るとしても、自分たちと擦り合わせをしながらであり、現在の中国の価値観と経済論理のまま、覇権を握られてしまう事態はなんとしても避けたいと思っている。
“彼ら”は、日本・中国・韓国が、経済的には抜けられない相互依存関係にありながらも、政治的には順風満帆ではなく、様々な対立関係にあるほうが欧米支配層にとっては都合がいいのである。
現状を見ればわかるが、日中韓が対立していれば、それぞれが欧米支配層(米国)に目を向けできるだけ有利なポジションを手に入れようとする。
日本や韓国は、政治的軍事的に対米従属から抜け出す選択ができず、中国も、できるだけ効率よく国策を遂行するために、米国とタッグをくみたいと考える。
近代世界の支配者であり領導者である欧米金融資本家は、植民地の効率的支配として活用した「分割統治」を今なお東アジアの管理に持ち込んでいる。
鵜飼い師を任じる世界支配層は、日中韓を自らが操る鵜としてとどめておきたいのである。
欧州はそれなりに戦後レジームから脱却したとも言えるが、アジアは、「戦後レジーム」に縛り付けられ、そこから抜け出せない状況に置かれ続けている。
安倍氏らの言う「戦後レジームからの脱却」は、反語であり、アジア諸国を戦後レジームに縛り付けるための政治的策謀なのである。
終戦直後米軍が進駐する前に38度線を越えて朝鮮半島南部を占領することもできたのに北部にとどまったソ連、マッカーサーのように原爆を使わずとも朝鮮戦争で北を壊滅させることもできたのに元の木阿弥まで後退して停戦した米国など、38度線による朝鮮半島の南北分割は、「戦後レジーム」がしっかり構想されたもので強固に維持されるべきものと考えられているかを示す好例なのである。
このような陰謀論はさておき、日本は、くだらない(と言えば元慰安婦の方々には申し訳ないが)「従軍慰安婦」問題に引きずられている状況から一日も早く脱却しなければならない。
主要メディアの一部は、橋下復権に向けて動き始めている。橋下復権は、「従軍慰安婦」問題も“一時的忘却”によってのみ達成できる。それは、戦後70年近くになっていながら、日本がさらにあの時代の「従軍慰安婦」問題を引きずっていくことを意味する。
現役世代や子どもたちにそのような大きな負担を残し続けることは、政治家たちの犯罪と断じる。
※ Shimarnyさんの「従軍慰安婦」問題に対する捉え方について
「慰安婦」問題は、慰安所の設営場所や慰安婦になった女性の出身地の多様性を考えれば、日韓問題として矮小化されるべきではない。
日本政府が謝罪し賠償する相手は、韓国などの国家ではなく、意に反し「従軍慰安婦」になった人たちである。
「従軍慰安婦」問題については、韓国が大きな存在になっていることは事実である。それは、慰安婦になった女性の多さとともに、「従軍慰安婦」時代の朝鮮半島が“日本”だったからでもある。
反韓国的立場のひとは、“朝鮮人”女性をだましたり無理強いして慰安婦にした人たちのなかには“朝鮮人”の業者や警察官(地域有力者)もいたと言っているが、歴史的な表現を使えば、“朝鮮人”ではなく、「朝鮮を出自とする日本人」と呼ぶほうが正しい。
賠償を含む戦争関連法規は、日本軍が交戦国の国民に対して行った行為についてのみ適用されるものであり、内地(日本列島)や朝鮮半島の自国民に対する(日本軍の)行動は対象外となる。
だからこそ、日韓基本条約は、韓国側に解釈や日本側の思いはともかく、(戦時もしくは植民地時代の)賠償を伴ってはいないのである。請求権の内実も、精査すれば、日本から朝鮮半島(韓国・北朝鮮)に対する額が朝鮮半島(韓国・北朝鮮)から日本に対する額よりずっと多いはずである。
それでも請求権の額をイーブンとし、日本が経済協力金として韓国に5億ドル供与することで歴史的経緯を清算したと言える。
Shimarnyさんは、「●歴代総理と天皇陛下による韓国への謝罪」として、その表現を列挙しているが、天皇は、韓国に謝罪なぞしていない。
“遺憾”(残念)や“痛惜”(ひどく残念)そして“深い悲しみ”は、謝罪とは異質の表現である。
列挙している内容に即して判断すれば、内閣総理大臣も、謝罪したのは、海部・宮沢・細川・村山・橋本・小渕・小泉・菅に限られている。
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