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従軍慰安婦をめぐる発言で、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が27日、日本外国特派員協会の記者会見に臨んだ。約四百人が参加して2時間半に及ぶ異例の展開となったのは、橋下氏の発言がただの失言ではなく、歴史認識、外交、人権など多くの問題をはらんでいることを証明している。橋下氏はこの日の会見を、批判をかわす好機と受け止めていたが、内外の懸念を払拭(ふっしょく)するには程遠かった。(城島建治、冨江直樹、中根政人)
●400人
会見では約100人が会場に入れずモニター室が用意された。協会によると過去に例のない参加者数だった。
橋下氏は冒頭、紙に目を落とし「私自身は慰安婦の利用を容認したことは一度もない」などと述べた。その後も通訳と協議しながら言葉を選んで回答。時にけんか腰で記者とやりとりする普段の橋下氏とは違っていた。
質問に立ったのは8カ国の13人。欧米の記者からは「先の大戦を侵略戦争だったと認めないのか」など歴史認識についての質問が飛んだ。アジアの記者からは慰安婦の強制性を認めた1993年の河野洋平官房長官談話について「橋下氏は談話の内容が不明確だと言ったが、その発言が不明確だ」と批判が出た。女性記者からは人権に対する認識を問う声が上がった。
●繰り返し
在日米軍の風俗業活用発言は撤回した橋下氏だが、慰安婦問題についての質問には、ほぼ同じパターンの回答に終始した。
まず旧日本軍が慰安婦を利用したことについて謝罪。その上で自分が慰安婦を容認したと報じられたことは「一つの言葉が抜き取られた」などとメディアを批判しながら釈明。そして「日本だけを非難し、日本以外の国の問題に口を閉ざすのは公平ではない」と、過去の歴史を調べて真実を解明すべきだと持論を展開して論点をずらした。
謝罪。釈明。そして論点をずらす。この3つを繰り返した。似た質問が相次いだことも原因だが、同じような質問が続いたこと自体、記者側の理解を得られていないことの裏返しでもある。
米ニューヨーク・タイムズの女性記者は会見終了後「誰が何を聞いても同じ答えで、かみ合わなかった。彼は欧米で特異な政治家と認識されている。日本人がどう受け止めたか」と感想を述べた。
●政治責任
終了後は感想を語ることなく会場を後にしたが、会見の端々で、橋下氏らしからぬ弱気ものぞいた。
発言に対する政治責任を問われると、参院選で維新が敗北して自信が共同代表の座を追われる可能性に言及。「それが政治家の責任の取り方のメカニズムだ」と語った。
橋下氏には、身内の維新内からも厳しい声が上がっている。党の支持は落ち、立候補予定者の出馬取りやめも起きた。2時間半の会見は、橋下氏に党の逆風と自身の責任を痛感させる時間となった。
●橋下氏の発言の問題点と27日会見での説明
[歴史問題]
*主な問題点
従軍慰安婦問題を謝罪した1993年の河野洋平官房長官談話の内容を疑問視
*会見での説明
「河野談話を否定するつもりはないが、慰安婦を国家の意思で拉致したのかしないのか、はっきり書かれていない。事実を検証して『明確化』すべきだ」
「国を代表する政治家は(太平洋戦争が)侵略だったことを認めないといけない。周辺諸国に多大な損害と苦痛を与えたことはお詫びしないといけない」
[外交問題]
*主な問題点
歴史認識問題で韓国、中国との対立関係がさらに悪化。米国にも懸念の声
*会見での説明
「河野談話のあいまいさが日韓関係が改善しない原因。日韓の歴史学者が共同で事実を明確にすべきだ」
「日米の信頼関係が崩れないよう、在日米軍の綱紀粛正を徹底してほしい」
[人権問題]
*主な問題点
旧日本軍から性的被害を受けた元従軍慰安婦の女性を侮辱
*会見での説明
「私自身が慰安を正当化したことはない。『戦時中は、世界各国の軍が女性(慰安婦)を必要としていたのではないか』という発言の趣旨が誤って報道された」
「女性の人権を大切にすることは人類の到達点。女性の尊厳と人権は普遍的価値として重視している」
[沖縄問題]
*主な問題点
米兵による暴行事件の被害などに苦しむ沖縄県民を傷つける
*会見での説明
「沖縄での米兵による性犯罪の問題は改善してほしいと思っている。解決しようとの強い思いから風俗業活用を進言したが、不適切な表現なので撤回してお詫びする」
2013年5月28日 東京新聞 [核心]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2013052802000141.html
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